今回はビークイン徹底解剖。楽しんでいただけると幸いです。
ロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロトロト
配信終了後、鳴り続けるスマホロトム。相手は大方想像つくが……まあ、出るしかないか。
「ラウラなら不在だ」
《「もしもしラウラ!?スター団に入ったってどういう事!?」》
居留守を使ったが、まあ駄目だった。まあこのスマホロトム用意したのネモだしな……。
「え、生徒会長!?」
「なんで生徒会長が!?」
「ラウラ殿、生徒会長と知り合いだったのでござるな」
「ああ、俺を拾ってくれてメイドにしてくれてな?……はいもしもし。どうしたもなにも、俺が決めて入った。なんか文句あるかネモお嬢様」
《「文句しかないよ!?あ、でも配信の内容はすごかった!授業受けてるみたいだったよ!でも、スター団に入るのは看過できない!スター団はいわゆるやんちゃな生徒の集まりなんだよ?出席率も低いし集団で暴走してるし、先生たちも頭を抱えてる。だめだよ、ラウラ?そんなところに入っちゃ」》
「そのことなんだが……クラスの連中と揉めたんでな。もう普通に学園生活を送るのは無理だ。それから、そんなに悪いやつらじゃないぞ此奴ら。じゃあな」
《「え、ちょっとまっt」》
通話を切る。……せっかく入れてくれたのに悪いことしたなあ。……だけど、そうだな。こいつら置いて一人だけ戻るのはもうなんか違うな。そんなの虫が好かん。
「なあ、シュウメイ」
「? なんでござるか?」
「スター団復権、頑張ろうな。みんなで普通に学校生活を送るんだ」
拳を向けて笑って見せると、シュウメイも覆面から見える目を笑って拳をぶつけてきた。
「……承知!マジボス殿を迎えて、みんなでドキドキアカデミーライフを実現させて見せるでござるよ」
「じゃあまずは作戦会議だな。次、どうする?」
「ラウラ殿の戦力アップも伴いたいでござるな」
「あ、それならちょうどいいの知ってますよ!南2番エリアにやばい蟲ポケモンがいるって噂が……」
「アキルドちょっと待って。それあたしたちも行くんだけど大丈夫?」
「みなまで言うなフルー。それに決めた!」
「ほらやっぱりー!?」
ネモには悪いが、こんな楽しい奴らを見捨てるつもりはさらさらないよ。スター団広報担当ラウラとして行けるところまで行ってやらあ!
数日後。首都テーブルシティの隣町にあたるセルクルタウンの付近、乾燥した荒野である南2番エリア。俺と、俺の配信専属係にシュウメイ直々に任命されたフルーとアキルドはそこのオリーブ畑の一角に訪れていた。今回は大人数だと危険だと判断したためこの三人だけだ。
「……本当にやるんだな、ラウラ」
「ああ、もちろんだ。スター団ボスの一人を目指すなら避けては通れない道だ」
「あ、あたしもアシスタント頑張るね。守ってね!?」
「任せろ、と言いたいが……とりまきの相手まではさすがに自己責任だ」
「ええ!?」
目標を確認する。……ああ、見ていてワクワクする。手持ちを確認する。一応、ここに来るまでに、モンスターボールだけで捕獲できる蟲ポケモンは捕獲してきた。もともといたマメバッタにタマンチュラ、そして新顔のコロトックとコフーライ、あとシュウメイから借りたどく・むしタイプのモルフォンだ。………う、うーん…?
「……多分、いける」
「それいけないやつぅ!?」
「と、とりあえずカメラ回すぞ」
#ラウラの蟲かごチャンネル
【捕獲】ぬしビークインを捕まえてみた【超危険】
コメントであのポーズはダサいと言われていたので、話題性を作るべく新しいポーズを伴ってカメラの前に出る。右手だけで星を描くように舞うポーズ!参考はアローラ地方のZワザ!
「お疲れ様でスター!スター団広報担当のラウラだ!まず感謝を。まだ一回しか配信してないのに、チャンネル登録者数1000人を超えたんだ!今は収益化?ってのを他の団員に申請してもらってるところだ」
〈開始早々アクロバティックで草〉
〈かっこいい〉
〈タイトルやばすぎて二度見した〉
〈収益化おめでとー!〉
〈いやはやいな!?〉
〈ナンジャモ超えてて草〉
〈そのナンジャモも話題に出してたからセーフ〉
〈ナンジャモは冷戦期がある定期〉
〈他の配信者の話題を出すのはダメじゃない?〉
「他のところではダメなんだと思うが俺はオッケーだぞ。むしろ話題出してけ?」
流石に配信を始めるに辺り、有名配信者は調べた。パルデアではナンジャモと言うジムリーダーがトップクラスらしい。コメントによれば話題にしてくれるみたいだ。ありがたい限りだ。
〈欲深で草〉
〈変に取り繕うよりその素直な姿好感持てるわ〉
〈スター団とは思えないよな〉
〈ロケット団的な悪の組織だと思ってたけど違うんだね〉
〈ところでなんで一人称俺なの?女の子だよね?〉
「俺は俺なもんでね。こいつに関しては理由は知らない、というか思い出せないんだ。俺記憶喪失でな。覚えてるのは名前と、蟲好きってこと蟲ポケモンの知識ぐらいなんだ」
まあ隠すことでもないので言っておく。これで俺の事を知ってるやつが反応すれば万々歳だ。
〈あまりにも軽すぎる重大告白〉
〈さすがに釣りでしょ〉
〈記憶を失ってもなお蟲ポケモンへの愛を忘れなかった女〉
〈実は男の子かもしれない〉
〈男の娘ってこと…?〉
「生憎と俺は女だ。で、タイトルなんだが……今俺たちはパルデア地方の首都テーブルシティの西、隣町にあたるセルクルタウンの付近、乾燥した荒野である南2番エリアのオリーブ畑にいる。ここに来たのは、凶暴な蟲ポケモンが通行人を襲っているという噂を聞いて、捕獲しにきたわけだ。目的のポケモンの名はビークイン。はちのすポケモンで、ミツハニーの進化系」
フリップを取り出し、紙芝居の要領で図解を見せていく。
「だが、全てのミツハニーが進化できるわけじゃない。知っているか?ミツハニーは九割が♂個体だ。そして少ない♀個体だけが、三つ子のミツハニーから一体化しビークインに進化を果たせる。ちなみに似た様な進化系統はヤトウモリとエンニュートが該当する」
〈だから俺のミツハニーは進化しないのか……〉
〈進化できない♂かわいそうじゃね〉
〈つまり俺達か……〉
「一つの群れにビークインは一匹だけであり、一つのコロニーの支配者として君臨している。これは文字通りの意味であり、ドレスのような蜂の巣の形になっている下半身には子供達が住んでおり、ミツハニーに子供達の餌となるミツを集めさせる習性がある。ミツハニーに命じて琥珀の城という巨大な巣を作ってそこに潜んでいることもある」
〈…?それはミツハニーじゃなくて?〉
〈子供達って言ってるけどミツハニーじゃないの?〉
「よく気付いたな。この“子供達”はミツハニーじゃない。“しもべ”と呼ばれるポケモンとも違う生物だ。でも不思議なことにビークインの卵から生まれるのはミツハニーなんだな。不思議だな?」
〈ふしぎだな〉
〈フシギダネ〉
〈ふっしぎー〉
〈蟲ポケモン好きでも不思議というぐらいだから本当に不思議なんだな……〉
マジで不思議な生き物、それがポケモンだからな。
「それで、ビークインが危機的状況に陥った際、“しもべ”は巣穴より飛び出し、命懸けで相手を撃退する性質がある。なんとこれがミツハニーより強く、様々なフェロモンを出して子供達を自在に操り、敵への攻撃・自身の防御・回復を行わせることが可能だ。これが俗にいうビークインの専用技「こうげきしれい」「ぼうぎょしれい」「かいふくしれい」だ。ちなみに専用技を三つ持っているポケモンはビークインしか存在しない。アローラのチャンピオンが持っているジガルデとかいうバケモノや、カントーのピカチュウ・イーブイは除く」
〈なんて?〉
〈専用技三つ?〉
〈伝説越えで草〉
〈と思ったらジガルデで草〉
〈グランドフォース・サウザンアロー・サウザンウェーブ・コアパニッシャー…四つ全部専用技だからなあ〉
〈それを超えるイーブイとかいうしんかポケモン〉
〈いきいきバブル・きらきらストーム・すくすくボンバー・どばどばオーラ・ブイブイブレイク・めらめらバーン・わるわるゾーン〉
〈それでも破格的なんだよなあ〉
〈ところで後ろのツッコんだら負けかな〉
イーブイはなんだ、神にでも愛されてるのか?理不尽さを感じる。せめてむしタイプの技を覚えてくれ。……さて、と。
「ラウラぁ……」
「そ、そろそろなんとかしてくれないか……?」
「……そうだな。さてお気づきかもしれないが、悠長に説明したせいでとんでもないことになったらしい」
周りを見る。大量のミツハニーに囲まれていて。そしてアキルドがカメラを前に向ければ、神殿の様な宝石を頭に乗っけて光り輝く通常個体より一回り大きいビークインが、そこにいた。
「テラスタル個体なのは、聞いてないなあ。しかも岩とか殺意高くないか?」
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ」
コフーライとコロボーシが仲間になった!だいぶ不安だ!
・ぬしビークイン♀Lv.38
とくせい:???
わざ:パワージェム(いわテラス)
こうげきしれい
ぼうぎょしれい
かいふくしれい
もちもの:あまいミツ
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。