今回はぬしビークインとの決着。楽しんでいただけると幸いです。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ」
「……なんてこった。喜べばいいのか嘆けばいいのか。最硬最速のビークインの誕生だ」
#ラウラの蟲かごチャンネル
【捕獲】ぬしビークインを捕まえてみた【超危険】
いわテラスタル、パワージェム+こうげきしれい+ぼうぎょしれい+かいふくしれい、とくせい:びびりでコロトックの〝れんぞくぎり”を四回受けたことで速度が四段階上がった、多数のビークインの群れを率いるぬしビークイン。なんだこの、とんでも蟲ポケモンは。最高っだな!敵対してなければ!
「モルフォンがやられたの痛手すぎるぞ!?コフーライ、“しびれごな”!」
次々と放たれる“こうげきしれい”からコフーライを抱えながら走って逃げ、宙返りしながら近づくミツハニーにしびれごなを叩き込み、しびれたそいつを足場にさらに跳躍、くるくると横に回転しながらしびれごなをばら撒いていく。こうなったら俺がやるしかねえだろ!?主力だったコロトックとモルフォンがやられた、残っているのはマメバッタとタマンチュラとコフーライのみ。ビークインは〝こうそくいどう”を超えた瞬間移動を思わせる高速で移動しながら、こちらの攻撃を〝しもべ”たちで防ぎ、〝しもべ”たちにダメージを回復させ、〝しもべ”たちによる範囲攻撃を行い、追い詰めてくるのから何とか逃げる。ありがたいのはあの速度を利用出来る近接技がないことだな。
「ラウラ人間やめてない?シルシュルー、お願い!〝どくどくのキバ”!」
「同感……ってこっちくるぞお!?ヤングース!〝たいあたり”だあ!」
そんな俺をしっかり撮影しながら応戦しているフルーとアキルドは根性あるな。もうコメントは見れないが、やれるだけやってやる!
「コフーライ!〝いかりのこな”!タマンチュラ、〝いとをはく”!」
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!」
空中から〝いかりのこな”をばら撒いて注意を惹きつけ、右腕にしがみついたタマンチュラが糸を吐いて遠くにくっつけ、引っ張って移動。近づくミツハニーは頭の上のマメバッタと左手で抱えたコフーライが迎撃する。とにかく、ビークインを誘導する。
「マメバッタ、コフーライを乗せて〝こうそくいどう”!コフーライ!〝いかりのこな”と〝しびれごな”を同時にばら撒け!タマンチュラは〝むしのていこう”だ!」
コフーライを背に乗せたマメバッタが戦場を駆け抜け、粉をばら撒いていく中で、俺が走りながら右腕のタマンチュラが羽虫を模した光弾を放ってミツハニーたちを撃ち抜いていく。
「ヴヴヴヴヴヴ?」
「威力が出てて驚いたか?俺のタマンチュラのとくせいは交代した相手に対して技の威力が二倍になる〝はりこみ”!そんなにいるんだ、俺達が移動すればお前たちも交代し続けているようなもんだろ!」
ぶっちゃけ賭けだったが!それぐらいしないとこいつには勝てない!すると、ビークインが間に入って”ぼうぎょしれい”でミツハニーたちを守り始めた。本来は防御力を上げる能力だったはずだが盾みたいになってるな!だがそれが"まもる”みたいなものなら…!防御しながらマメバッタとコフーライに〝こうげきしれい”を繰り出すビークイン。
「コフーライ、〝みがわり”!そして〝フェイント”だあ!マメバッタ!」
「ヴヴ!?」
〝こうげきしれい”をコフーライが投げつけた〝みがわり”を盾に引きつけて防御、マメバッタの〝フェイント”が〝ぼうぎょしれい”を抜けてビークインの細い腹部に突き刺さる。急所らしく、大きく怯むビークイン。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!」
ならばと言わんばかりにマメバッタを振り払い、高速で円形に取り囲む様に六角形の光を空中に浮かべて並べ、そこから凄まじい威力の光線……いわテラスタルの〝パワージェム”を一斉に放ってくるビークイン。俺もマメバッタもタマンチュラもコフーライも、フルーとシュルシュルーとアキルドとヤングースもまとめて薙ぎ払われる。
「〝いとをはく”!……さすがに不味いか」
咄嗟に吹き飛ばされた先にタマンチュラの〝いとをはく”でトランポリンを作り、なんとか脱する俺達だが、マメバッタとコフーライは纏めて戦闘不能、フルーとアキルドの方も重症こそないが同様だ。タマンチュラ一体だけで、どうするかな。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ」
「っ、待て!行くな!〝とおせんぼう”!」
すると俺達に興味を失くしたのか、どこかに行こうとしたビークインを〝とおせんぼう”で止める。するとゆっくりとこちらに振り向き翅を高速で羽ばたかせて威嚇するビークイン。逃がさないようにするだけの足止め技だが、この近くにはセルクルタウンがある。そんなところにこんなのが雪崩れ込めば被害は想像に難くない。どうにかしないと、考えろ、考えろ………
「だめだ、どう考えても前衛がいる。俺とタマンチュラ以外に、誰か…!」
その時だった。怒号の様なエンジン音と派手なBGMと共に、それが土煙を上げて爆走してきたのは。紫を基調とした派手な装飾の、先端に単眼と口があるデコトラの様な何か。すると、ミツハニーたちの勢いが落ちる。あれは……いかくか?
「ブロロローム!〝ダークアクセル”!」
タイヤにエネルギーを纏ってドリフトしながらミツハニーたちを薙ぎ払うそれは、側面とボンネットにポケモンぽいのがついているが、それ以上にミラーボールや色とりどりに輝く装飾、派手なBGMを轟かせるスピーカーが目立っている。スター団のシンボルが描かれた旗がたなびいていてスター団のものだとアピールしていた。その上に乗るのは、ツンツンと尖った黒髪に白い帽子を被り、パソコンを手にしたDJ風の服装の男。たしかあれは…!
「ピーヒャラか!?」
「ち・が・う!僕はピーニャ!a.k.a.DJ悪事!まあ好きな方で呼んで!そしてこれはセギン・スターモービル!実戦投入は初めてだけど僕達スター団の切札さ。ド派手にやってくれるじゃん!ぬしのビークイン!でもね、たしかに喧嘩を売ったのはラウラたちだけど、僕の大事な仲間なんだよね。だから……お引き取り願おうか!永遠にチルアウトさせてやるよ!」
そう言って繰り出したのは、ノクタス。くさ・あくタイプ……よりにもよって一番むしタイプに弱いタイプ構成だ。バトル初心者なのか!?それは自殺行為だ!一斉に〝たいあたり”してくるミツハニーたちと、〝こうげきしれい”でビークインから放たれる〝しもべ”たち。
「まあ手を出さないで見ててよ新人のラウラ君。これが僕たちスター団ボスの戦い方さ。得意タイプをひけらかしてるのに、なにも対策してないわけがないじゃん?〝ニードルガード”だ!」
瞬間、四方八方から襲い掛かったミツハニーと〝しもべ”たちが、ノクタスの展開した棘が目立つ緑色のエネルギーバリアに貫かれ、止まる。〝ニードルガード”って前方しか防げないはず…!?
「固定観念に支配されてちゃ強くなれないって、ビワちゃんが言ってたんだよね!〝ニードルアーム”!」
そして、バリアから棘が凄まじい勢いで一斉に発射され、ミツハニーと〝しもべ”たちを蹴散らしながら突き進み、ビークインを撃ち抜くが〝かいふくしれい”で即座に回復される。だめだ、一撃で倒せないと意味がない。ビークインの視線と、ピーニャの帽子越しの視線が交差する。これが、スター団のボス……。
「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ」
すぐさまニードルガードが解けた瞬間を狙った〝こうげきしれい”で撃ち抜かれ、ノクタスが倒れる。しかしピーニャの余裕は崩れない。
「スター団にケンカ売るなんて、キミってマジ命知らずだよ。ビークイン。部下のピンチだからさ、手加減してられないわけ。さあ、DJ悪事のステージへようこそだよ!僕の相棒を紹介しよう。ドドゲザン!」
そして繰り出されたのは、見たことないポケモン。キリキザンに似てるが、その進化系か…!?後頭部の髪にどっかりと座りながらホバー移動する姿はシュールだが、凄まじい勢いでビークイン目掛けて突撃していく。
「倒れた味方の意思を受け継ぎ自らの力に変えるとくせい〝そうだいしょう”。ラウラの手持ちと、他二人。彼らの分まで引き継ぐよ。だって僕たちは、スター団の仲間だから!〝かたきうち”!」
そして、ビークインが咄嗟に〝ぼうぎょしれい”を展開しながら放った〝パワージェム”、真正面から腕の刃で受け止めて斬り裂きながら、上昇。ドドゲザンの一撃がビークインを貫き、テラスタルの破片と花弁が舞った。
「今だ、ラウラ!」
「悪い、助かったピーニャ!」
落ちてきたビークインに、シュウメイに用意してもらったネットボールを叩きつける。吸いこまれ、コトンと落ちて少し揺れてからカチッと音が鳴る。ミツハニーたちは慌てて離散していき、俺は気が抜けて荒れ地に倒れ込む。
「……ゲットだぜ、なんて言えないなあ。本当に助かったよピーニャ。死んでてもおかしくなかった」
「一番近いのは僕だったからね。気にすることないよ。仲間だろ?」
「……強く、ならないとなあ」
お礼に笑顔で応えるピーニャが眩しくて、眼を逸らすようにして顔を腕で隠す。作戦は自信があったんだが。……悔しいなあ。……あ、配信忘れてた。
「悪い、放送事故になるところだった。今日はここまでだ。お疲れ様でスター」
そう締めくくり、配信を終える。あまりに無様だった。最悪炎上も覚悟しないとなあ。
クリア後に戦える強化版トレーナーの中だと間違いなく最強はピーニャだと思ってます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。