一同は真平食堂の客席に座り互いについての話を始める。
「俺は左切ショウタロウ。この街で探偵をやってる。で横のこいつが相棒のライト。二人で仮面ライダーダブルだ」
ハットの男は自分とパーカーを着た男について自己紹介する。
「俺は藤宮蓮次。この店で働かせてもらってる。でこいつが俺の幼馴染でこの店の店主の」
「真平成二だ」
蓮次に促されて成二が名乗る。
「私はフユカ。今はこの店で」
「その話はまだ終わってねぇぞ!俺は認めてねぇからな」
フユカの話を遮って成二がまくし立てる。
「今はお客さんもいるし、その話は後にしよう。成二」
蓮次が遮る。
「じゃあ遠慮なく本題に入らせてもらうがさっきの君の言葉について詳しく教えてほしい。彼が僕らと同じ仮面ライダーだってこと」
ライトはフユカをまっすぐ見つめ問いかける。
「セイジは 仮面ライダートゥエンド。仮面ライダーを繋ぐ存在」
「前は終焉がどうとかいわれたぞ、そんなこと初めて言われた」
フユカの説明に成二が不満げに返す。
「終焉の導き手・・・!」
「それだそれ。いきなり連れてこられてそれだけ言われて放り出されたぞ」
ライトがつぶやいた言葉に成二が反応する。
「なら、君自身も巻き込まれたところで何か知ってる訳ではないのか・・・」
「だったらこっちの事情も話すか」
ショウタロウがライトに説明を促す。
「僕は”地球の本棚”(ほしのほんだな)というデータベースにアクセスすることができるんだが、今朝、本棚に見たことない本が現れたんだ」
ライトは説明を続ける。
「本のタイトルは”終焉”。内容は「世界が9つに分離されいずれ全てが滅びる。そのために”終焉の導き手が各々の世界に現れ、全てを終わらせる」という文章とここの座標が記されていた。おそらく君の現在地を示していたんだろう」
「とにかくなにか異変が起こってることだけは確かだったから二人でその場所に向かうとドーパントと戦うお前を見つけたってわけだ」
ショウタロウがライトに続いて話す。
「しかし、君たちの話と照らし合わせるとあの本は事実をただ記してるというよりは僕たちを戦わせる意図を感じる・・・こんなことは初めてだ」
ライトは考え込みながらぶつぶつと考えをまとめる。
すると突然携帯が鳴りショウタロウが自分の携帯を取り出し電話に出る。
「もしもし、鳴海探偵事務所の左切だ」
電話の相手は深刻そうな女性の声だった。
「もしもし?ショウちゃん?頼みがあるの」
「おまえ、マリナか⁉どうしたんだ?」
驚いた顔で相手の名前を確認し、しばらく相手の話を聞くとショウタロウは電話を切り、ライトに向けて呼びかける。
「依頼だ。行くぞ」
店を出ようとする二人を成二は呼び止める。
「俺も付いていく。今俺たちが離れるのは不安が大きい、それに、手伝える事もあるかも知れねぇ」
そういって外に出るといつの間にか成二の服装が茶色の帽子に茶色のコートに変わっていた。
「おまえ、いつの間に着替えた?つかなんだその服装。はしゃいでんのか?」
いかにも探偵といった服装にショウタロウがつっこむ。
「この世界での成二の役割だと思う」
フユカがすかさず説明する。
「じゃあとりあえずおまえうちの見習い扱いにしてやるから付いてこい」
一同は指定されたカフェで依頼人と落合い話を聞くことになった。カフェには若い女性が座っておりそこに向かい合う席にショウタロウが座りその横や後ろに成二たちは座る。
「こいつらは探偵事務所の仲間だ。安心して話してくれ」
ショウタロウが促すとマリナは話し始める。
「ショウちゃん、ある人を探してほしいの」
深刻な面持ちでマリナは続ける。
「二か月前から連絡が取れなくて。家にも帰ってないの」
話しながらマリナは一枚の写真を取り出す。
「名前は江沢タクマ、私の恋人なの」
写真を見たショウタロウと成二は突然立ち上がって反応する。
「おい!こいつ!」
「さっきの!」
二人には写真の男に見覚えがあった。何せ先ほど二人が戦ったドーパントの男だったからだ。
写真を見たライトも驚いた顔をする。
「気付いた時には彼はもう姿を消していた。これはただの人探しじゃ済まなそうだ」
「マリナ、思ったより深刻な自体かもしれねぇ、でも俺たちに任せてくれ。絶対に探し出してやる」
ショウタロウが真剣な眼差しでマリナに約束する。
マリナと別れた一同は早速捜査を開始する。
「今回は人手が多い、まずは虱潰しに聞き込みするぞ」
ショウタロウの指示で手分けして聞き込みを始めるために散らばっていく。ショウタロウと成二はまず先ほどの戦闘があった店の前に向かった。
「なぁこの男見てないか?今朝この近くにいたはずなんが」
「さぁ知らねぇな。また依頼か?探偵坊主」
話を聞いた中年の男は気さくにショウタロウと話す。
「まぁな、もし何か分かったら連絡くれ」
「お安い御用だ。おれも目を光らせて見るよ」
中年の他にも近くで何人かに話を聞いたがこれといった成果は出なかった。
「ずいぶん仲がいいんだな」
話掛ける人全員と親しげに話す様子をみた成二がショウタロウに聞く。
「ああ、今話したおっちゃん達はいつも風都を出歩いてて顔も広い。その辺を歩いてるやつならすぐ見つかることも多いんだがな、家にも帰ってないとなると”表”にゃ出てないのかもな」
そう言うとショウタロウは歩き出す。
「何か心当たりでもあんのか?」
「おっちゃんたちが見てないってことは大通りや店には出入りしてないってことだ。だったら風都の”裏”にいる可能性が高い。だからそっちの情報網を使う」
ショウタロウはとある裏路地に着くとその中に入っていく。
「よう、聞きたいことがある」
路地裏にいる一人のホームレスにショウタロウは話しかける。
「おう、左切の旦那かい。俺に聞くってぇ事は分かってるよな」
ホームレスの男が指を擦るしぐさをするとショウタロウはポケットから千円札の束を取り出し男に渡す。
「で、聞きたいことってのは?」
「この男の居場所だ表には出入りしてる形跡は無かった。二か月前から行方不明だ」
ショウタロウは江沢の写真を見せながら説明する。
「なるほど、俺は見てねぇが仲間に聞いてみよう。すまねぇが少し待っててくれや」
そういうとホームレスの男は路地の奥へと姿を消した。
「良く知ってるな、こんな場所」
「この街は俺の庭だ。ガキの頃から走り回ってる。元々顔は広かったが探偵になる時に積極的に顔を広げた。そしたら俺の知らない風都の表も裏も見えるようになった」
ショウタロウは微笑みながら成二の疑問に答える。
「好きなんだな、この街が。お前や街の人の顔を見るとよくわかる」
一方そのころライトはフユカと蓮次と共に別の場所での聞き込みを終え、食堂に向かっていた。
「何にもわかんなかったな」
蓮次が愚痴をこぼすとライトは微笑みながら答える。
「すまないね、こういうのはどうしてもショウに劣る。彼の人脈には目を見張る物がある。彼ならきっと何か掴むはずだ」
「信頼、してるんだね」
その様子を見たフユカは呟いた。
「ああ、僕らは二人で一人の探偵。僕が苦手な事はショウが、彼の弱点は僕が補う、そうやって僕らは窮地を潜ってきた」
そしてライトは続ける。
「君たちもきっとそうなる」
「えっ?」
聞き返すフユカにライトは更に続ける。
「君は行くとこがないんだろう?それで真平成二を頼ろうとしている。彼に何かを期待している。そういう目をしている」
「どうしてそう思うの?」
「僕も同じだったからさ、あてもなく、罪の意識に苛まれていた僕を受け入れ、罪を一緒に背負てくれた。真平成二もショウと似たとこがあるように思える。きっと君を助けてくれる」
そうして食堂に着くとショウタロウと成二も走って戻ってきた。
「いろいろ分かった、頼む、相棒」
ショウタロウに言われるとライトはニッと笑いフユカに笑いかける。
「さあ、今度は僕が助ける番だ」
店の中に入るとライトは題名のない本を一冊取り出した。
「さあ、検索を始めよう」
To be continued…
次回、仮面ライダートゥエンド Ep.2 ダブルの世界/愛したものの涙