カス小説オキバ   作:ゲボナポリタン共和国

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新卒の男が初彼女と家でごにょごにょする話。


アイロンを使ったオ○ニー、アイロニー

 

 

人生で22度目の梅雨である。

 

「…じゃあ、触るね」

 

しとしと降る雨の湿気を感じながら、我が新兵は満を持して性なる城へと攻め込もうとしている。

 

「え、エト…その。よろしくおねがいしまth」

 

生まれて初めての彼女。愛衣(あい)は、俺の醜態にくすりと柔らかく笑って、我が太ももの間に身体を滑り込ませた。

 

(けい)のそれ。すぐに元気にするから」

 

彼女は蒸気(スチーム)立ちこめる雄々しいアイロンを構え

「待って」

「?」

「いや、え?それって」

「アイロンだけど」

 

愛衣が手に持ったそれを見せつけるように左右に振る。じゅう。白煙が高熱の鉄塊を包んだ。熱っつぅ♡

 

「じゃあ仕切り直して」

「仕切りじゃなくてアイロンをなおしてくれない?」

「? 壊れてないよ?」

「あぁクソ片付けて(なおして)って標準語じゃねえじゃん!」

 

頭を抱える俺を、愛衣はきょとん、とした目で見上げている。可愛い。でも手に持ったアイロンだけ可愛くない。ピンク色なことが意味のない配慮に感じて大変むかつく。ぶち壊すぞ(テツ)ガキが!

 

「それを、何に使う気だったんだ?」

「…何言わせようとしてるの?恥ずかしいよ…」

「え、ウソウソウソ待って待ってやっぱりその熱塊をあてがおうとしてたの??殺す気?マイサンがぺったんこのカッリカリになっちゃうよ?ちんぽの姿せんべいでも作ろうとしてたの??」

「うわわ、そんなまくしたてられても分かんないよ…ムード考えて?」

「そっくりそのまま返してもいいですか」

「もしかして、ヘアアイロンの方がよかった?」

「挟みこめるから楽ちんだねッじゃねえよ!!」

「それに、すごくちっちゃくなってない?」

「この雰囲気で大きくしてる奴やばすぎんか?」

 

 

真摯にお願いして、アイロンを手から離してもらった。不満そうな顔をしていたので、愛衣の正体は俺の俺を狙う殺し屋なのかもしれない。すなわち『ちんぽアサシン・愛衣』と言ったところか(?)。

 

「…前に、俺が経験ないって暴露した時にさ。愛衣は「わたしに任せて!」って言ってなかった?」

「うん、だから友達に『童貞の彼氏との行為で注意すること』を色々聞いて回ったよ!」

「待って待ってお願い」

「え〜、今度は何?」

 

俺と愛衣は高校時代からの付き合いだ。といっても彼女と恋人関係になったのは今年、俺が就職してからのことだが。

つまり俺が危惧するところは、

 

「誰に相談したんだ?」

「えーっとね。まず結羽(ゆう)でしょ、それから(きゅう)先輩。あとは†ボルテックス=永田†」

「詰んだ」

 

院進した幼馴染、初恋の先輩、マジで微塵も知らんヤツ。錚々(そうそう)たる顔ぶれに思わず天を仰いだ。

 

 

瞬間、天井に張り付いた女と目が合った。

 

「うわっはァ!?」

「おや、気づかれてしまったね」

 

女はもぞもぞと身をよじる。しかしその場から動くことはできない。

 

「…下ろして」

「お前本当に何やってんだ??」

 

腐れ縁というか、幼馴染というか。ちょうど話題になっていた女、結羽(ゆう)が自分の身体をガムテープで天井に貼り付けていた。

 

「まさか本当に今まで気付かないとは。景、君の注意力にはほとほと呆れるよ」

「救出が必要な立場でよくそんなことが言えるなお前」

「放置して困るのは君だろう?」

「…カスめ」

 

フルチンのままベッドから立ち上がる。

 

「うわちっちゃ」

「だからこの状況で大きくしてる方がおかしいだろうが!!」

 

同意するように頷いている愛衣は、なんで全然焦ってないの?今から俺たち情事しようとしてなかったっけ?

 

 

 

「ご苦労、童貞クン」

「死ね」

 

愛衣と協力して、なんとか結羽を解放した矢先の発言である。よりにもよってなぜ愛衣はこいつに恋愛相談をしたのだろうか。

 

「前戯にはアイロンがお薦めってことも、結羽に教えてもらったんだ」

「うん。…………いろいろ言いたいことはあるけれど。とりあえず、なんでそれを採用しようと思った??」

「え…と。」

 

愛衣は僅かに俯いて、頬をりんごに染めている。結羽の存在と文脈を無視すれば抱きしめたくなるいじらしさだ。

 

「男の子の攻め棒って、長時間熱いものに漬けとかないと柔らかくならないって結羽が」

「おゆまるくんか何かだと思ってる?」

「熱湯は流石に景が可哀想だと思ってね」

「アイロンの方が鬼畜だと思うんすけど??」

 

そもそも結羽がマイサンをぶち殺そうとしていた目的が分からない。確かに彼女とは幾度となく衝突してきたが、それも全てじゃれあいの範疇に収まると考えている。

え?アイチン(アイロン・チンチン・アタックの略)はじゃれあいに含まれないのかって? 黙れ()いでから言え。

結羽は真剣な顔でこちらを向くと。

 

「それはね、私が一番景のことを愛してるからさ」

「えっ」

 

愛衣には俺から告白したので、告白されたのは地味にこれが初めてである。あの時は緊張したなぁ。結羽に散々アドバイスを貰って、おしゃれな告白スポットを色々調べて…って。

 

「いや、愛衣と付き合えたのってお前がサポートしてくれたからじゃん。マジでどゆこと?」

「初体験は同性だったものでね。男の人、つまり景に()()が湧いてからも、君の股間にあるものがちょっと嫌だと思ったんだ」

「それで、アイロン?」

「熱湯は流石に可哀想だと思ったからね」

「なんでそんなに熱湯アンチなのお前??」

 

結羽と喋っているうちに、愛衣はすっかり飽きてしまったようだ。はだけた服を着直してベッドに寝転び、同人誌を読んでい

「おいその本俺知らない」

「わたしの私物だからね!」

「いやそれは良いんだけどタイトルゥ!」

「『自分のことをメスガキだと思ってるおじさん』がどうかした?」

 

表紙に煌々と煌めく『R18』の文字と、扇情的な服に身を包んでぐちゃぐちゃになっている明らかに()()()()

 

「ほう!面白そうな題だね!どんな話なんだい?」

「自分のことをメスガキだと思うように洗脳されたおじさんがバチクソに犯される話だよ!」

「これは新しい!」

 

そりゃ新しくて当然だろそんなの。前例があってたまるか。おじさん可哀想だし、普通にBLだし。

 

「これ、思いっきり男根あるけど。結羽は嫌じゃないの?」

「見る分には気にしないさ。それより、今は趣味の紹介ターンだと思っていいんだね?なら私もとっておきを出そうかな」

 

と言って結羽は俺の本棚の最下段をガサゴソして、

 

「これだよ」

「え!またもや知らない情報!なんで俺の本棚をエロ本隠しに使ってるの!?」

「一回お義母さんにバレちゃったから全部景の性癖ってことにした。すまないね」

 

彼女の懐できらりと光るそのジャンルは、バチバチのひよこ(○リ)モノ。

 

「詰んだ」

「一日に二度も詰むんじゃないよ下手くそ」

「お前らが上手すぎるんだろうがッ!」

 

自分でも何言ってるかわからない。そんな魂の叫びにも二人はどこ吹く風だ。愛衣に至っては、結羽の出した終わってる同人誌を見て興味しんしんと言った所。性癖じゃないエロ本を自分の目の前で読まれるの嫌すぎる。

もう何もかも諦めて、俺もズボンを履こうと先ほど脱ぎ捨てたそれを探す。改めて言うが、俺は今までずっとフルチンである。

 

「あれ?俺のジーパンは?」

「洗濯しといたよ」

「えっいつの間に!?っというか洗濯したのかマジで!?今めっちゃお気に入りの色合いだったのに嘘だろ!??」

 

大慌てで部屋を飛び出して洗面所へ。

 

「詰んだ」

 

ドラム式洗濯機の中で、俺のお気に入りのジーンズはゴウンゴウンと回っている。

もぅマヂ無理。たちなぉれなぃ。女の子にとったら、ジーパンの色なんてどぉでもぃぃんだって。トボトボとしながらリビングへ。そこで目ぉ疑った。ぁたしのエロ本がリビングのテーブルに山積みになってて、「片付けておきました」って書ぃてぁるの。

 

 

 

「ぁぁぁぁあああああああ!!うんちうんちうんち!!!」

「景がおかしくなっちゃった」

「滑稽だね」

 

宝物を両手に抱えて部屋に戻ると、愛衣と結羽は二人仲良くベッドにうつ伏せになって同人誌を読んでいる。

 

「世界はなぜ俺を追い詰めるのか」

「面白いからじゃない?」

「びっくりチキンは手で握るより車で潰した方が甲斐があるからね」

「お前ら俺のこと好きって言ってなかった?」

 

結羽からはたった今告白を受けたばかりだし、愛衣に至っては恋人だと思うんですけど。

 

「そんな発言するくらいならさ」

 

結羽がパタンと本を閉じて、不満気な顔でこちらに向き直る。

 

「妙齢の私たちがこんな無防備な格好を晒しているんだから、景も男なら少しは興奮してる様を見せるのが礼儀じゃないのかい?」

「妙齢ってなんかおばあちゃんが使いそう——」

「愛衣は黙っていてくれるかい?」

「わかった!」

「良い子だね」

 

俺は何を見せられているのだろう。二人は身体を起こして俺の顔を見据えた。

 

「俺の股間のブツは嫌だって言ってなかったか?」

「塩梅があるじゃないか。完全に無反応だとそれはそれでムカつく。…だって、」

 

結羽は自身の両手で、自慢の胸を強調するように持ち上げた。

 

()()だよ? ひれ伏す時間をあげようか?」

「片方もらうね」

「ん?愛衣、どういう——いだだだッ!?ちょ、ギブギブギブ私が悪かったぁ!?」

 

無垢な笑顔で愛衣は結羽の片胸をひねり上げる。いたそう(小並感)。

 

「愛衣、待ってそれよりこの男を見なよ!微塵も興味ない顔を浮かべて私たちに失礼だと思わないかい!?」

「そうは言っても俺、女児服を着た成人女性にしか勃たないし」

「「えっ」」

「そんなに俺が昂ってる所を見たいなら着てみるか?」

 

クローゼットを開ける。底面に据えられた、ホテルとかでよく見るパスコード型の金庫のでっかい版。初任給で買ったものだ。暗証番号を入れて…っと。

 

もさぁ、と中から大量の女児服のコスプレが。

 

「え?え?え?…キモッッ!!!」

「うわぁ…。すまない景、私の負けだ」

 

なんてひどい言い様。流石に何年もコツコツ集めてたわけじゃないよ?彼女持ちになってから、愛衣に着てほしいなーって思っただけで。

 

「ごめんホント無理。別れよ」

「えっ」

 

思わぬ言葉に大焦り。いや今作で出た癖の中では比較的普通寄りじゃない??『自分のことをメスガキだと思ってるおじさん』よりマシじゃない??

 

「同じ穴の(ムジナ)とはこのことだね」

「そんなに酷いか!?」

「…待って景。今なんて言った?」

「え?だから、『自分のことをメスガキだと思ってるおじさん』より——」

「それだ!」

 

愛衣はパチンと手を打った。

 

「景が着るなら大歓迎だよ!」

「はっ?」

「会社の先輩にわからせのプロが居るんだ!†ボルテックス=永田†って言うんだけど」

「待ってそいつ童貞(おれ)との行為の相談した奴じゃない??」

「よく覚えてたね」

「忘れられる訳ないとおもう」

「景と†ボルテックス=永田†のバトルにわたしが合いの手を入れるっていうのはどう?」

「ごめん愛衣やっぱり別れよう」

 

俺の願いはガン無視で、愛衣は輝く瞳でスマホを取り出す。そして猛烈な勢いで誰かにLINEを

「待ってお願い。俺が悪かったからやめて」

「愛衣、私も見に行っていいかい?」

「結羽なら大歓迎だよ!」

「話聞いて」

「†ボルテックス=永田†、来週の土曜日ならいけるって!」

「じゃあその日にまた景の部屋に集合になるかな?」

「そうしよう!」

「待って」

「それじゃあ私はお暇するよ。また来週」

「わたしも今日は帰ろうかな!景、またね!」

 

二人は帰っていった。

え?ウソだよね?何、ドッキリ?最近見てなかったけど、モニタリングってこんなに尖ったお題出すようになってたの??え、俺どうすればいい?このまま待っといたらでっかいカメラ来るよね?だってそんな、マジで俺、来週女児服着てわからせられるとか無いよね、誰か早く出てきて嘘って言って〜〜〜〜〜〜ねえ〜〜〜〜〜〜〜

 

 

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