仮面ライダーぼっち   作:くすっち天頂

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Episode4~その名はライア!~

「やっはろー!」

俺と雪ノ下が奉仕部の部室で読書をしていると、明るい声とともにドアが開いた。

由比ケ浜結衣だ。

「……何か?」

「あれ?あんまり歓迎されてない?ひょっとして雪ノ下さん、あたしのこと嫌い?」

すると、雪ノ下が顎に手を当てて、少し考えてから言う。

「……別に嫌いではないけれど、決して好きではないわね。少し苦手、といったところかしら。」

「それ、嫌いと同じだからね!この正直者めっ!」

由比ケ浜は雪ノ下戸の胸をぽかぽかと叩く。

「で、何か用かしら?」

「うん、こないだのお礼って言うの?クッキー作ってきたんだー!」

「え?」

雪下はけげんな声を挙げる。

しかし由比ケ浜は気にしている様子はない。

「いやー、料理って意外と楽しいね!今度お弁当とか作ろうかな!あ、それでさ。ゆきのんも一緒にお弁当食べようよ!」

「私はお弁当は一人で食べることにしているから。後、ゆきのんって呼ぶのやめてもらえる?」

「ええ、さびしくない?ゆきのん、どこで食べてるの?」

「ねぇ、話聞いてた?」

「あ、それでさ。暇なときはあたしも部活手伝うね!あ、気にしないで!これもお礼だから!」

「……話、聞いてる?」

由比ケ浜の連続攻撃に雪ノ下が困惑している。

と、その時だ。頭を裂くような高音が俺を襲った。

そして、奉仕部の窓からモンスターが飛び出してきて、雪ノ下を襲った。

「ゆきのんあぶない!」

由比ケ浜が雪ノ下を突き飛ばす。

攻撃をかわされたモンスターは、鏡の世界に戻っていく。

「大丈夫!?ゆきのん!……待っててね、すぐ戻るから。」

そう言って由比ケ浜は、ポケットから赤いバックルを取り出す。

こいつ、まさか!

「ゆきのんを危険な目に合わせるなんて、絶対許さないんだから!」

そう言ってバックルを前に突き出す。

「変身!」

由比ケ浜の姿が変わっていく。それは、昨日雪ノ下と交戦したライダーだった。

由比ケ浜が、鏡の世界に入っていく。

「驚いたわね……。こうしている、場合でもないわね。変身!」

雪ノ下が、仮面ライダーナイトに変身する。

こいつ、まさかまた戦うなんていわねぇよな?

とにかく、俺も黙って見てるわけにはいかないか。

「変身!」

俺達も、鏡の世界へと向かう。

由比ケ浜と戦っているのは、猿のモンスター。少し押されているようだった。

「Sword Vent」

雪ノ下が槍を持ち、走っていく。

そしてそのまま、モンスターを切りつける。

「あ!昨日の!あたしは戦う気なんてっ!」

「わかっているわ。由比ケ浜さん。」

「ほえ?どうして私のこと……。」

「仮面ライダーナイト。雪ノ下雪乃よ。」

「ゆ、ゆきのん!?あ、昨日はごめんね。」

「いいわ。私の方から攻撃したのだし。とにかく今は、こいつを倒しましょう。」

どうやら、雪ノ下に争うつもりはないらしい。よかった。なら俺も、思いっきり戦える!

「Strike Vent」

龍の頭の形をした、火器を右手に装着する。

「お前ら!どいてろ!」

「あれは、昨日ゆきのんと一緒にいた……。もしかして、ヒッキー!?」

「そう、仮面ライダー龍騎。比企谷八幡。」

「そうだったんだ……。」

「おい!さっさとどけって!」

「あ、ごめんごめん。」

二人はさっと左右に飛ぶ。

「デヤアアァァァッッッ!」

全力の一撃。巨大な炎がサルを飲み込む。

「ぐぎゃぁぁっっ!」

猿が爆発し、光の球が生まれる。モンスターのエネルギーだ。

俺の契約モンスタードラグレッダーが球を飲み込もうと向かっていく。

「待ちなさい!」

雪ノ下が、手にしていた剣をドラグレッダーに投げつける。回避のために横にどいたすきに、雪ノ下の契約モンスターダークウイングがエネルギーを吸収した。

「この野郎……なんのつもりだよ!」

「あなたが余計なことをしていなくても倒せていたわ。横どりはさせないわ。」

「それを言うならあれは由比ケ浜の物だろうが……。」

雪ノ下雪乃。案外ちゃっかりした奴だった。

「ま、まぁまぁまぁ。とりあえず、戻ろうよ。」

由比ケ浜の言葉に従い、俺達は部室へと戻る。

 

 

「しかし、驚いたな。由比ケ浜がライダーなんて……。」

「そうね。基本的にライダーは、どうしてもかなえたいと思う人間がなるはずだけど……。あなたにも、願いがあるの?」

「ううん、これはもともとあたしのじゃなかったの。あたしの、いとこの物だよ。その子はね、こんな戦い馬鹿げてるって言って、モンスターと契約しなかったの。そうしているうちにモンスターに襲われて……死んじゃった。」

「……そう。」

「うん、だから私がこれを受け継いでね、ライダーバトルを止めるんだ!」

「でも、他のライダーはあなたたちのようには考えていないと思うわ。」

「うん、そうだと思う。それでも、止めたい。って……え?達って?」

「そこにいる比企谷君も、ライダーバトルを止めようとしてる。あなたたち、わかってる?他のライダーは、あなたたちを殺す気で来るのよ?」

「わかってるさ。最後になったら、お前も俺と戦おうとするんだろう。それでも、止めたい。そうだな、それが正しいとかじゃなくて。それが、ライダーとしての俺の望みなんだ。」

「……フフ、なら、私には止められないわね。」

「そういうこった。」

「えへへ、これからよろしくね!ゆきのん!」

そう言って由比ケ浜は雪ノ下に抱きついた。

「ねぇ、ちょっと、暑苦しいのだけど……。」

んじゃ、俺は帰るとするか。ドアに手をかけた、その時。何かが飛んできた。

「ヒッキーもありがとね!お礼の気持ち!」

それは、黒々としたクッキーだった。ま、くれるっつーンならもらってやるか。

俺は廊下でクッキーを口にした。

「……にが。でもまぁ……ちったぁましになったんじゃねーの。」

俺はひとりごちた。

 

 

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