陰の実力者は聖杯戦争に巻き込まれて!   作:リゼロッテ

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幕間と言う名の5次匂わせ。時間稼ぎをしようという企画です。
fate/zeroの陣営別トークセッションみたいなものです。


幕間の物語
幕間の物語・間桐と衛宮


 

聖杯戦争が終了して早くも1年が経とうとしている。

 

ウェイバー・ベルベットのこの1年はというとアルバイトに明け暮れる一般的な学生らしい日々を送っていた。その日々の中でウェイバーはある一人の少女に魔術を手解きをしていた。

 

間桐桜という少女に魔術を教えて欲しいという彼女の後見人にあたる間桐雁夜からの提案をウェイバーは承諾した。

 

本来、魔術師が魔術を教える行為は弟子または授業としての形が一般的だ。ウェイバーが魔術の授業を彼女に対して行うことはあまり通説的ではない。

 

だがウェイバーは冬木で資金を貯めた後、世界を旅するという目標があった。そのために授業料を受け取れるこの授業はある意味美味しいアルバイトだったが故に彼は1年近く彼女に魔術を教えている。

 

彼女と1年、師と弟子の関係になって気づいたことは彼女、桜の才能が飛び抜けていることだ。

 

何代も代を重ねたことが伺える優秀な魔術刻印。魔術に対する理解力と発想力の高さ。魔術を積極的に学ぼうとする意欲。

 

何よりこれまで出会った魔術師の中でも秀でていると感じる魔力保有量と魔力の質が彼女が魔術師として十分過ぎる素養を兼ね備えていることを表していた。

 

 

自分とはかけ離れた存在に最初は嫉妬を抱いたがすぐにその考えは引っ込んだ。魔術師として勝負できる箇所があったならまだしも、残念ながら自分が彼女に素養で勝てる要素はない。

 

唯一気掛かりな点は彼女の魔術には危うさと不穏さが隠せないことだが、この1年で精神的な安定を取り戻しつつあるし私もそこは重点を置いて教えた。私に出来ることなどそのくらいか

 

 

 

ウェイバーは自らの才覚の無さを自覚している。意気揚々と聖杯戦争に参加したが、強力な借り物のサーヴァントと偶然が重なっただけの生存であることは明白だった。

 

 

ウェイバーにとって幸運があるとすれば二つ

 

聖杯戦争をどんな理由にしろ生き残ったこと

 

そして魔術を教え、他者をプロデュースすることに関して超一流であったこと。その最初の教え子が稀代の才覚を持つ桜であったことだろう。

 

 

「──桜の状況はどうだ?」

 

間桐雁夜から声が掛かる。彼との付き合いも約1年になるが、彼も不思議な男だった。魔術師として出来ることは蟲の使役という単純なものなのに豊富な魔力でそれを純粋な物量暴力に変えてしまう。かと思えば魔術師としての基礎的な知識や洗脳などの初歩魔術はからっきしだ。最初は警戒したが、彼は言動も感性も限りなく一般人だと結論付け家庭教師とその教え子の保護者という奇妙な関係が続いている。

 

「万事順調だ。彼女の才能は私などでは推し量れない程だ。この1年で基礎は概ねクリアし、今は自身の属性についての理解と実戦に移っている。──私がここを旅立たないといけないので、もう少し面倒を見たかったのだが……申し訳ない」

 

「いいや元々の約束だ、気にしないで欲しい。本当に世話になった、君にはどう礼を言ったらいいのか……」

 

「それこそ気にしないでくれ。私は報酬の元に魔術を教えているに過ぎないのだから」

 

「そうか、済まない。──じゃあ達者でな」

 

「あぁ。旅から帰ったらまた連絡を入れる」

 

 

私は本日をもって冬木市を旅立ち、世界を周る。間桐家とマッケンジー夫妻に別れを告げこの1年で貯めた資金と共に約1年半に渡る旅が始まった。

 

 

 

 

───────

 

 

あの冬木の大火災から1年が経ち俺は今、衛宮士郎として暮らしている。あの大火災で死に際だった俺を救い出してくれた衛宮切嗣の養子として3人家族だ。

 

久宇舞弥さんという女性は切嗣の奥さんって訳でもないし名前も久宇のままだけど、切嗣の親父とするなら舞弥さんは母さんとなるのだろう。

 

この奇妙な家族関係も慣れれば楽しくはある。切嗣には魔術を教えてくれと頼んだが1年近く頼んでも未だに教えてはくれない。母さん曰く俺が魔術の道に進むのを懸念しているらしい。

 

切嗣が元々所有していた日本家屋が自宅だ。3人、正確にはもう一人を加えた4人で手分けして直し、雑草まみれだった庭は草を刈りどうにかして人が住める家になった。

 

やたらと広くて部屋が多いから3人で住んでも部屋が余る。大火災前よりも暮らし自体は充実してるのは皮肉な話だ。

 

切嗣がジャンクな食べ物ばかり食べるから和食を中心とした料理を俺が作るようになった。まだ30〜40くらいだと言うのに切嗣は人生に疲れ切った爺さんみたいだからジャンクは身体に良くないし、料理なんか出来る訳も無いので俺が少しずつ覚えて今に至る。

 

あと最近は母さんの要求もある。凛としていてクール、若干無表情にも映る母さんは実は甘いものに目が無い。たまに一人でスイーツバイキングに行ったりスイーツ巡りをしているくらいで家でも食べたいと言われて色々と挑戦している。

 

ドーナツ、パウンドケーキ、マカロンetc

 

 

──俺は料理人かパティシエにでもなるのか?

 

 





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