Pilot in WARFRAME 戦器の英雄   作:Maitz.

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ぼちぼち書いてます。



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1_ 覚醒

 宇宙の片隅に浮かぶ、忘れ去られた宇宙船。

 青白い鋼材は永い時を経てなお見た目を保っている。しかし船のあちこちには砲撃されたような穴、なにかに灼かれたような痕が残り、紛れもなく使い物にならないことを示している。

 

 

《……スリープ状態の解除を試行》

《パイロット、危機が迫っています》

 どこからか、通信がつながった。誰かを呼ぶ声がする。

 

 船の一室に安置された、金属質の棺が開く。溢れ出す煙とともに現れたのは、鎧のような人型。

「う、ぐ。……ここは?」

 

 鎧が頭を振りながら呻く。目覚めかけではっきりしない意識。ふらつきながらも手を伸ばし、なんとか棺から這い出る。

 

 ここはどこだ?周りを見回す。見覚えのない金属の部屋、宇宙船だろうか?

 自分は誰だ?記憶をたぐる。自分の名前は……

 

「俺は、ブレイド。ミリシアのパイロット」

 そうだ、ミリシア軍のパイロット。俺達の故郷であるフロンティアを守る、対IMCの抵抗軍。その中でも、機械の巨人"タイタン"を操るエリート兵。両軍のパイロット同士の戦果が、そのまま戦闘の勝敗となることも少なくない。

 

《パイロットのバイタル情報を確認。覚醒成功と判断。パイロット、聞こえますか》

 ノイズ混じりの声が聞こえる。"相棒"だと、感覚的に理解する。パイロットと相棒のタイタンはリンクしており、単独任務などではこうして通信支援を受けることもある。

 

 

「聞こえてる。一体、今はどんな状況なんだ?」

 呼びかけるも、返答はない。通信が不調なのか?なにか情報を取り入れようと、視界に映る情報を確認する。

 

 

 視界に浮かぶ枠にはSOUND ONLYの表示。その隣にある簡易マップには自分以外の反応が1つ。

 ……自分以外の反応?

《近距離レーダーに反応。敵が接近中》

 レーダーに映る光点は識別不能の白から、敵を示す赤マークへ変わる。

 

 

 部屋に入ってきたのは、触手をはやした四足歩行の獣。とっさのことに反応できず、飛びかかってきた獣に押し倒される。

 

「ガアアァッ!」

「ぐっ、コイツ!離れろっ!」

 マウントを取ったまま攻撃してくる獣。噛みついてくる頭をなんとけ押しのけ致命傷を避け、胸部に爪が叩きつけられる鈍痛を耐える。胸部装甲は耳障りな音を上げ、それでも貫通を防いだ。

 一瞬の隙をついて、蹴りを叩き込む。敵を壁まで吹き飛ばし、その隙に体勢を整える。が、獣はすぐに起き上がってきた。格闘でなぎ倒せるような相手ではない。

 

《装備状態を取得、パイロットはハンドガンを装備中。右大腿部にマウント、使用を推奨》

 再び突撃してくる獣。とっさに伸ばした手が、ひどく慣れ親しんだ手応えを感じる。同時にインターフェースが更新され、"B3ウィングマン 残弾:6"の文字が踊る。銃口を獣の鼻先へ突きつけ、発砲。

 

 轟音ともに、獣がのけぞる。肉がえぐれた顔面に向かって、2発、3発と叩き込む。4発目を撃ち込んだところで、獣は断末魔を上げ動かなくなる。レーダー表示からも消失した。

 ひとまず危機は脱した。改めて視界に映る死骸を見るが、見覚えのない生物だった。

 

《敵性体の排除を確認。パイロット、無事で何よりです》

「ああ、それより相棒。なんでもいい、今の状況を教えてくれ!」

 通信に向かって呼びかけるも、返事は無い。そもそもタイタンとの通信において、"音声のみ"なんて表示がなされるのも全く想定外の自体だ。

 現状にめまいを覚える。ここはどこなのか、どんな任務なのか、未知の敵は何なのか、記憶喪失といっていいほど何も思い出せない。

 

《……パイロットに提案。室内に使用可能な銃を検知。回収して戦闘準備を》

 そう言われて、目線を室内に彷徨わせる。目についたのは棺のそば、壁際のガンラック。収められた銃のいくつかは傷つき、風化し、とても実用に耐えない状態だった。使えそうなのはたった1丁、それを手に取る。機動戦に長けたサブマシンガン、CARを握り込み、射撃体勢をとる。照準システム問題なし。

 

《行動ログから、通信不調による返答不能と判断》

《プロトコル3により、パイロット支援を続行。行動案を提示します》

 周囲の探査データが簡易マップに浮かび上がる。とりあえず、ここから脱出しなくてはならない。記憶も装備も穴抜けの状態だが、ここが危険な場所だというのは間違いない。

 

 ふと、タイタンプロトコルを思い浮かべる。3つのプロトコル、今はこれらを逆順にこなさなくてはならない。

プロトコル1:パイロットへリンクせよ

プロトコル2:任務を遂行せよ

プロトコル3:パイロットを保護せよ

 まずは自分の安全と体勢を確保する。記憶を取り戻し、任務とやるべきことを再定義する。そして、相棒を取り戻す。

 

 まあ、記憶がないからとそこまで気負うことはない。これはなにかの実験で、ここはアウトランズの実験施設なんてこともある。相棒も案外近くで見守ってて、試験の結果がどうこうとからかってきたりするかもしれない。

 

 気持ちをなんとか奮い立たせながら、パイロットは未知へと一歩を踏み出した。

WARFRAMEは表記ぶれが多いですが、原作名としてはどれが自然に感じますか?

  • WARFRAME
  • WarFrame
  • warframe
  • Warframe
  • ウォーフレーム
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