Pilot in WARFRAME 戦器の英雄 作:Maitz.
一応、全構想だと3部くらいネタ出ししてるので、ぼちぼちやります。
感想とか後追いがいれば嬉しい、いっぱいモチベ上がる。
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目覚めた部屋を出て、船内を当て所なく探索する。
周囲の景色はいかにも宇宙船といった様相で、青白い鋼色の素材で作られている。今まで見慣れた、フロンティアで見知ったデザインとはやや異なる見た目だ。それなのに、どこか見覚えのあるような気がしていた。
もっとも、周囲の構造はところどころ崩れており、赤黒い肉塊のような組織に侵食されている。不定期に胞子のような物を漂わせ、うねうねと脈打ち、ときおり黄色く光る器官が現れる。襲ってきた敵も肉塊と同様の気配をまとっており、なにかの実験生物――さながらゾンビのような風体をしている。
《船内をスキャン中。緊急行動目標なし、脱出経路を捜索中》
《パイロット、現在あなたのWARFRAMEは大きく弱体化しています。注意してください》
相棒は移動先を探してくれているらしい。この船内は安全とは言い難い、どこかにある船外への脱出手段を探さなくては。
そして、俺はまだ万全の状態ではない。何しろ医療ポッド?コールドスリープ?から起き抜けで、記憶も曖昧なままだ。興奮剤や活性剤の薬剤反動から回復したなら別かもしれないが、今の自分はいつも通りの動きと言うには不安が残る。余裕があるうちに試して置く必要があるか。
それはそうと『うぉーふれいむ』とは一体なんだろうか?聞き覚えのない単語に頭を捻る。話し方からすると、それを装備しているようだが、そんな物を装備した覚えは……
?
何か おかしい?
背筋を這い回るような違和感。何かとてつもなく大切なことを見落としている。忘れて、記憶からこぼれ落ちている。
どこからか現れた確信と、そこから湧き出る不快感に、思わず足を止めてしまう。
何だ、何がおかしい。自分は何を見落としている。見落としているといったって、目が覚めてからここまでに見たものといえば。蝕まれた四足の獣と、見慣れた銃火器と、見覚えのない宇宙船の内装と、それから、それから、、、
視界がチカチカする。袋小路に落ちたような、益体もない思考が頭を埋め尽くす。その時。
「Gaァァ!グuルuoーッ!」
「ッ!あの敵か!」
意識が切り替わる。ちょうど立ち止まっていたのは広い部屋の入口。室内には机椅子や用途不明の設置物・巨大な支柱などがあるが、部屋を見渡すことに支障はない。隙を晒すにはあまりに迂闊な場所だった。
レーダーに映る敵は3体。目視では先程と同じタイプ。おそらく遠距離攻撃は持ってないだろうが、格闘能力と数の有利は侮るべきではない。
敵がこちらを切り裂こうと突進してくる。途中で部屋の設置物を迂回するため、2体と1体に分かれた。広いといってもここは室内、どちらも射程圏内に踏み込んでいる。まずは確実に数を減らし、数的優位を破る。
向かってくる獣の1体の方を狙う。メイン武器のCARを構え、照準を覗き込む。そのまま静止射撃。CARは近距離での機動射撃に優れた性能を発揮するが、それは静止射撃において劣るなんてことは無い。
軽快に撃ち出された弾丸が四足獣の体を穿ち、絶命させる。残り2体。先程より近づいた距離は、殴られる前に仕留めるには足りす、拳足の間合いには少し遠いほど。
素早くリロードを済ませつつ、獣に向かって踏み込む。体に染み付いた動作で行うのは、パイロットの基本にして真髄とも言える基本戦法。走り出して数歩でスピードにのり、獣の正面ではなくその横の壁に向かって跳躍する。
壁面を足場にして駆け回り、敵の頭上を、背後を、時には巨人の死角を射抜く機動技術"ウォールラン"。2体が相手でも、銃火器を持つ軍団でも翻弄するパイロットの本領。
予想外の動きに慌てて方向転換を試みる獣たち。この隙に片方を落としてしまえば負けはほぼ無い。
勢いのままパイロットは壁へと一歩踏み込み。
その足が ギャリリと壁を削りながら滑り落ちる。
「なっ!?」
――エラー:『ジャンプキット』システム->オフライン
想定外の事態。三角飛びとは違う狙いの壁蹴りでは推進力を得られず、空中で体勢を崩して落下した。
客観的に見るなら、不調からくるケアレスミスだった。装備の不調。精神の不調。知識・地の利の不足。すべての不調が鍛え上げた技術の発現を阻んだ。
転倒したパイロットに向かって、勢いのまま獣2体が迫る。獣の本能には混乱などない。敵が奇抜な動きをしたとしても、ただ突進するのみ。爪牙を叩き込むまでの猶予が伸びただけだ。
精神的衝撃を押し込めつつパイロットが立ち上がったときには、眼前まで敵が迫っていた。
「っ、何か……クローク!」
とっさに口をついたコマンド。漏れた弱音に等しいそれに装備は反応し、パイロットの全身が透明化する。
慌てて床を転がって避けると、寸前まで自分がいた場所を爪が叩き潰す。なんとか助かった。
攻撃が外れた後。こちらを見失ったのか、獣は周囲を見回している。どうやら、クロークを見破れるほどの索敵能力は無いらしい。
落ち着いてCARを構え直し、クロークと機動射撃を織り交ぜて獣を撃ち倒す。四足獣は耐久任せの突進が脅威だが、動き出しは遅い。冷静に本来の実力を出せれば、3体程度はパイロットの敵ではなかった。
《パイロット、ご無事ですか?》
「なんとか生きてる。……って、聞こえてないんだったか」
獣の死体から弾薬を回収しつつ答える。といっても、これは独り言のようなもの。だが、相棒と会話しているという状況そのものが、ぐらついた精神を少しだけ鎮めてくれるようだった。
獣のスキャン結果から、もう剥ぎ取れるものはないらしい。回収した弾薬を再装填し、体勢を整える。
《船内スキャンの結果、友軍の反応を検知しました。合流可能ルートをHUDにマークします》
「流石だ相棒。よし、希望への一歩といきますか」
インターフェースのミニマップに情報が追加され、視界にガイドアイコンがいくつか表示される。予想距離は……なかなか遠い。先程の敵が打ち止めでなければ、遭遇戦を覚悟すべきだろう。
なかなかの不調ではあるが、まずは生き延びる。気分はライフルマン。そうして気合を入れ直し、パイロットである男は船内を進みだした。
(壁走りしようとしてすっこける場面が書きたかった。そんなミスをするほどパイロットは弱くないので、初見殺しを大量にぶつけた)
WARFRAMEは表記ぶれが多いですが、原作名としてはどれが自然に感じますか?
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WARFRAME
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WarFrame
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warframe
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Warframe
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ウォーフレーム