Pilot in WARFRAME 戦器の英雄   作:Maitz.

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今回は良い感じのサブタイトルが思いつかなかったので仮のをいれてます。
サブタイトルはとある法則に沿ってつけてるので、良いのがあるぜ!という方はDMあたりで提案してもらえると助かります。


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1_3 異形の調査報告

《スキャン情報を更新。合流対象はこちらへ移動中、想定合流地点まで距離500》

 通信を聞きつつ足を進める。ここまでの道のりを移動する中で幾度か、獣との戦闘を切り抜けた。2度目の戦闘以降、意識を切り替えてからは苦戦もなかった。

 身体や装備の不調はともかく、戦闘技術や心構えなんかは錆落としが済んだ……と思いたい。銃撃戦には弾薬の消耗を要求されているが、敵の死体から弾薬を回収できているので問題なし。格闘戦は大事を取って控えている。

 

 また道中遭遇したのは四足の獣だけではなく、人型二足歩行の敵も存在した。……だが、あれは人型と認識してもいいのだろうか。ドロドロに溶け膨れたナマモノが、上半身をまとわりつき被っているヒトガタ。わずかに残る頭部から虚ろな視線を向け、おぼつかない足取りで迫ってくる様は、ゾンビや生物兵器といった単語から連想できる姿そのものだった。

 

 あの時感じた違和感は、なんとか頭の片隅に押し込めていられた。自分は、何かを忘れている。

 敵と対峙する時、銃を発砲する時、通路を歩く時、ずっと嫌な感覚に苛まれている。

 

 

 

 船内を目標地点へと進んでいく。マークされた地点を辿り、長い廊下を通過しようとして出口で足を止める。HUDのレーダーに映る敵反応は、この先の部屋に敵がいることを示している。

 部屋を覗き込む。進行経路マーカーが示しているのは、閉じられた扉の先。その手前に4体ほどの二足歩行、いやヒトガタの敵がたむろしている。更にその足元には、溶け崩れた肉団子のようなものが転がっている。

 レーダー上の敵反応は6体。肉団子型の物体はれっきとした敵であり、侵食が進んだ生物兵器の末路にも見える。かろうじて残った四肢と思しきパーツで床を這いずり、こちらを捕まえ殴打しようとしてくる。小型ゆえの奇襲性とあまりにも痛ましい外見により、初見の時はなかなかに肝を冷やした。それこそ、感じていた不快感を一瞬忘れ去るほどに。

 

 ともあれ、油断しなければ負けるような相手ではない。軽く呼吸を整えてから、制圧を行う。

 先手を打って手前の1体に向かって発砲。中距離を駆け抜けた弾丸が、頭部を打ち抜き沈黙させる。同時に、他の敵が雄叫びを上げて突進してくる。残り5体。

 

 後退しながら先頭の敵を撃ち抜き、3体目に何発か命中したところでCARのマガジンが空になる。狂える人型はそんな弾丸では効かないとでも言うように足を止めない。

 素早くウィングマンに持ち替え、狙いをつけて引き金を引く。心地いい反動とともにヒトガタの頭部が弾け飛び、もつれて転んだ死骸が後続の敵に蹴り飛ばされる。残り3体。

 

 眼前まで迫った敵が腕を振り上げる。メイン武器のCARは弾切れ、サブ武器のウィングマンでは倒しきれない、だが戦術装備のクローク(特殊迷彩)はクールダウンを終えている。

 人型が殴殺しようとしたその瞬間、パイロットの姿が掻き消える。勢いのままに腕を振り回すも、手応えはない。あえなく仕切り直された残兵は、先程の蹂躙を焼き直すように殲滅された。

 

 

 

 扉を潜ろうとしたら開かなかった。ここまでの道程では"施錠されている扉"が無かったため、少し驚いた。ここまでに見かけた扉といえば、近づくと自動開閉する扉か、そもそも壊れており開きかけの隙間をくぐる残骸だった。

 どうしたものかと周囲を見回す。現状はともかく、現役時代に利用者が困るような構造をしていないだろう、と当たりをつける。大量生産の工業製品ならなおさらだ。

 

 目に止まったのは、扉の脇に据え付けられたコンソール。赤いディスプレイが点灯している、タブレットのような外見のそれに触れる。……操作を受け付けない。

 操作そのものには反応しているが、権限やらエラーやら目障りな文字列・ピクトグラムを返すだけで扉が開きそうな気配はない。当然、自分の現状の記憶すら怪しいやつがパスワードなぞ知っているはずもなし。確かこういう時のやり方は……

 

《データナイフによるハッキングを推奨。データナイフは左腕部に格納、関連システムに異常なし》

 持ち上げた左腕に視線を向けると、装甲が展開してナイフグリップが飛び出した。右手で引き抜くと、慣れ親しんだ手応えが返ってくる。データナイフはハッキング機能を有しており、様々な機材に強制アクセスできる。

 コンソールの根本にあるデータ端子へとナイフを突き立てる。データナイフのミニディスプレイに接続状況が浮かび上がり、パイロット視界のHUDにデータリンクされた端末情報が表示された。程なく"Auto Breach"の表示とともにクラッキングが完了し、コンソールが青色に切り替わる。

 

 ナイフを左腕に差し込み、格納しつつ扉へと歩み寄る。今度は接近センサーが働き、問題なく扉が開く。

 そのままガイドに従って、パイロットは目標地点へと移動   できなかった。

 

 

 

 今、何をした?

 

 道を拓くため、データナイフでハッキングをした。

 

 データナイフを体内に格納した。 ? ? ?

 

 『人体は、ナイフを体内にしまえるようにできていない』

 

 つまり、

 私は人体ではない <矛盾> 自分は人体改造などした覚えはない

 

 

「は、あ、え?な、ああ?あ、ああああぁぁaaaAAAA!?」

 

 自覚した瞬間、足元がぐらつく。周囲が揺れているのか、自分が揺らいでいるのか、判断がつかない、できない。

 

 思わず床へと倒れ込み、体を支えるために伸ばした手が視界に入る。

 

 人間の手ではない、つるつるとした外装。目覚めてから、視界に映っていた手。鎧を着せられたのかと思うが『何かを着ている感覚が無い』『自分の地肌の感覚が存在しない』『鎧に当たる床の感覚がはっきりと感じ取れる』

 

 動悸が止まらない。身体が、精神が酸素を求めるように震える。がしかし、『呼吸の感覚が見つからない』『胸の鼓動が見つからない』『生物としてあるべき感覚と食い違っている』

 

 床に転がっていた鏡面が目に入る。鏡に映り込む頭部は平べったいヘルメット、そこから頭の横にツノのような突起が伸びている。高い襟のような装甲は、黒い顔部分の装甲と完全に一体化し、白いヘルメット・装甲とのコントラストが際立っている。『見たこと無い鎧兜だ』『こんなもの、パイロットではありえない』『こんなものが、自分であるはず無い』

 

 アイデンティティを粉砕された思考には平静など存在せず、それでも壊れそうな感情と、行き場のない理性が暴れ狂う。

 何かすがりつける答えはないのか?幸か不幸か、フロンティアに存在する一つの単語が浮かび上がる。

 

「ぁ、シミュ、ラクラム?」

 

 自分を人間だと思い込むロボット。それはシミュラクラムの最大の特徴であり、正しく今の彼だった。

 

「そうだ、シミュラクラム。これは、これがシミュラクラム?いつ?なんで?どうして?」

 体を機械化することにより、優秀な人格の保存や人体強度を超える兵器への適合を行うシミュラクラム技術。だがその施術に反感や嫌悪感を持つものがいるのも事実であり、再生を経てなお肉体を維持して戦場に赴くパイロットも多い。

 そも自分で機械化を望んだ者さえ、機械の身体と人間の精神の摩擦に耐えきれず精神崩壊していった。そのため、シミュラクラムには『自分を人間と認識する』プロテクトが組み込まれる。

 

 ならば、それを破ってしまった者は?そもそも搭載されていない者は?

 

「俺は、いったい、誰なんだ?」

 

 




今明かされる衝撃の真実(その1)
なんで私はうちの主人公くんをこんなにいじめてるんだろうか?

WARFRAMEは表記ぶれが多いですが、原作名としてはどれが自然に感じますか?

  • WARFRAME
  • WarFrame
  • warframe
  • Warframe
  • ウォーフレーム
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