学園都市キヴォトス ネアポリス自治区   作:MORIARTY

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本日(6月6日)が誕生日なので初投稿です。

Discordで怪文書を投げたことは何回かあるけど、マトモな小説を書いたのは初めて。手探りなので、穴があるかも。


私の名前は反戸ハナ

 

 

 

 学園都市、キヴォトス。

 

『へイロー』と呼ばれる輪を頭上に浮かべた『生徒』が住民のほぼ全てを占めており、近未来的な街とそれに似合わない銃撃戦が常に繰り広げられている、『神秘』に満ち溢れた世界である。

 

 そんなキヴォトスにおいて、国家のような扱いを受けている数ある学園の内の1つ、ゲへナ学園。『自由と混沌』を校風とし、キヴォトスでも一二を争う生徒数を誇るこの学園は、校風をそのまま体現したかのような無秩序ぶりであり、教育機関としての機能は無いに等しい。

 

 そんなゲへナ学園の郊外の街中を、1人の生徒が歩いていた。

 

 

 

 

「か〜みの〜さだめに〜さ〜え〜、は〜んき〜をひるが〜え〜す〜、ぎゃあんぐすたぁ〜〜♪」

 

 ピンク色の髪を肩口で揃え、前髪を一房だけ伸ばした少女は、胸の辺りに切れ込みの入った改造制服を着込み、膨らんだ買い物袋を胸に抱えながらスキップで歩いている。

 散歩ついでに食材の買い出しをするために住処を出立し、いつも何かしら不運に襲われる彼女にしては珍しく、今回は何事も無く店まで行って食材を買うことが出来た。

 トラブル無く買い物を終えたという事実に自然と頬が緩み、最近何処かで聞いた歌を口ずさみながら来た道を戻る少女は……

 

 

 

 

ドグオォォン!!! 

 

 

 

 

「へあっ?!」

 

 近くの路地裏から響いてきた爆弾の音に驚いて躓き、顔から地面に突っ込んだ。

 数秒程フリーズした後、跳ねるように立ち上がった少女は顔の痛みと流れる鼻血も気にせず、抱えていた買い物袋の中身を確認する。転んだ時に体の下敷きにしたせいで食パンは潰れ、卵と板チョコは粉砕されていた。

 

「〜〜〜ッ! あぁもうッ! なんで私はいつもこうなのよッ! 何やってもドジばっかり! うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 折角買った商品が台無しになったと理解した途端、虚脱感と気にしていなかった顔の痛みがやってきて、そのまま地面に座り込んで泣きだしてしまった。

 周囲の人々が遠巻きに気の毒そうな目を向けるか、そもそも興味を示さないかという状況の中、ひとしきり泣いた彼女の前にハンカチが差し出される。

 

「……んぇ?」

「“泣いてるけど、大丈夫? 何があったの? ”」

 

 少女はハンカチの持ち主をゆっくりと見上げる。上質そうなスーツを着こなしていて、ヘイローを持っていない……キヴォトスでは珍しい『大人』の人間である。そこまで考えてからハンカチを受け取り、涙を拭う。涙だけのつもりだったが、乾きかけていた鼻血も巻き込まれ、ハンカチに赤いシミがついてしまった。

 

「あぁっ、すみません! 貸して貰ったのに血が……!」

「“気にしなくていいよ。洗えばいいし、君の方が大事だからね”」

「はへっ?! わわわ私の方が?!」

「“うん、君も大切な私の生徒だからね”」

「『私の』? …………もしかして、あなたが『シャーレの先生』ですか?」

 

 少女も『キヴォトスの外から大人が連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの先生としてやって来て、キヴォトスの色々な問題を解決してくれている』ということは知っていた。尤も、噂で知っていただけで実際に会ったのは今回が初めてだが。

 

「“そうだよ、私が『先生』さ。ゲへナで依頼があったから来てたんだけど、何があったのか教えてくれないかな? ”」

 

 先生から尋ねられた少女は、買い物に来たこと、いつもドジを踏んでばかりだが今回は特にトラブルは無かったこと、帰り道に後ろから聞こえた爆発音に驚いて転び、買ったものが滅茶苦茶になってしまったことを話した。

 

「“……それはまた、随分と運が悪かったね……。良かったら、新しい商品を買ってあげようか? ”」

「いやいやいや! そんなの申し訳無いです! 私がダメにしちゃっただけなんですし!」

「“でも、困ってる生徒は放っておけないからさ……ね? ”」

「う〜〜〜……。じゃ、じゃあ卵だけ! 卵だけどうしようもないので、買って下さい!」

「“了解、分かったよ”」

 

 その後、卵を新しく買って貰った少女はさあ帰ろうとした時

 

「“そういえば、君の名前を聞いて無かったね”」

 

 と呼び止められた。

 

「あっ、そういえば自己紹介してませんでしたね……」

「“制服的に、ゲへナの子かな? ”」

「はい……まあ最近は通わずに、ボスの所にいますけどね」

 

 自由が売りのゲへナだ、マトモに学校に通っている生徒の方が珍しいだろう。一時期ゲへナにいたこともあって、先生は通っていないということにはすんなり納得がいったが、それよりも『ボス』という単語に興味が湧いた。

 

「“ボス? そのボスっていうのは、部長ってことなのかな? ”」

「ボスは……そうですね、私達のリーダーですし、部活動の部長みたいな人ですね。恥ずかしがり屋で姿も見せてくれないし、名前を教えてくれないのでボスって呼んでるんですけど、とても凄い人なんですよ! 沢山の部下がいて、私がその中でトップなんです! 普段は近所の人の手伝いとかを皆でしてるんですよ!」

 

 恐らくは、某便利屋のような活動を彼女達はしているのだろう。そしてそのリーダーが『ボス』と呼ばれている生徒らしい。彼女のような生徒達が『ボス』を慕って集まっている様子を思い浮かべると中々微笑ましい。しかし、部長なのに姿どころか名前すら教えないとは、余程の人見知りなのだろう。

 

「“そうなんだ。人の手伝いなんて、立派な活動をしてるんだね。また何か困ったことがあれば、シャーレに依頼してよ。必ず力になるから”」

「はい! ……それで、遅れましたけど、私はゲへナ学園2年生の反戸(そりど)ハナです! 今日は助けて頂いてありがとうございました!」

「“ハナか……ありがとう、覚えておくよ”」

 

 そう言って先生はシャーレへと帰って行った。

 

 

 

 

「なんで『先生』ともう会っちゃうのさ……早過ぎじゃあないか……?」

 

 

 

 

 後ろから自分を見つめるハナの気配が、話していた時と変わっていることに気づかないまま。

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

【反戸(そりど) ハナ】

 

 ゲへナ学園の2年生。ゲへナ生なので学校には通っていないが、学園に入学してから数ヶ月は普通に寮生活で登校していた。寮を出てからは、ブラックマーケットでとある部活動のNo.2をやっているらしい。

 おっとりした性格だがやたらとドジを踏む体質で、散歩や買い物で頻繁に転んだり、銃撃戦に巻き込まれたりする。

 

 

【先生】

 

 言わずと知れたシャーレの先生。たまたま用事でゲへナに来たら、大通りで食材をぶち撒けて大泣きしてる生徒を見かけたので声を掛けた。

 近い未来、砂漠で遭難することとなる。

 

 

【ボス】

 

 ハナが所属する部活動の部長的な存在。名前や姿をNo.2であるハナですら知らない為、恐らく極度の人見知りと思われる。




思ったよりも短くなってしまった…。

次はオリ主の転生の経緯とか書きます、多分。

掲示板回って書いた方が良いですかね?(向こうの世界の先生視点。ただし、ジョジョの存在しない世界)

  • (投票結果は)関係ない、書け
  • (書いても)無駄無駄ァ!
  • 掲示板回など……どうでもよいのだァーーッ
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