どうも。まーた遅くなりました。
唐突な過去編、突入です。
本編の方で色々とエルさんが訳わかんないことを口走っていましたが、それの回収をしていきます。
そんなに長くは続けないつもりです……今のところは。
最近あずいろがすっごくいい。
毎度毎度こんな小説書いてていいのか疑問になるんですよね…
やっぱり公式が最大手なのか。
あ、また新しくアンケートを設置してます。
子獅子の目覚め
…………ピッ……………ピッ……………
規則的な電子音が響く。
命あることを示すソレが、どうしても死にゆく我が身のカウントダウンに思えて。
高校生活の終わりが近づく、ある冬の日。
およそ特別とは言えない日々を振り返り、ひとりの18歳はただ自重気味に笑う。
「……そろそろかな」
誰に聞かせるともなく独りごちる。
掠れた声は、想像よりもずっと小さかった。
………ピッ…………ピッ…………
ふと、この身体に熱が灯ったあの時を思い出す。
画面の向こうで笑う声に。
画面の向こうで響く歌に。
画面の向こうで踊る姿に。
どうしようもなく惹かれたあの時の感覚が、忘れようにも忘れられない。
今際の際に思い出すのが、家族のことではなくコレとは…とんだ親不孝ものである。
抗いがたい眠気に襲われる。
心の何処かから、恐怖が顔を覗かせた。
どうやらまだ『死への恐怖』は生きていたらしい。
「……とっくに…諦めてたのにね…」
この病室で過ごすようになって、どれくらい経ったのか。
最初の頃はまだ受け入れられなかった。
徐々に受け入れていけば、どこか心が冷めていくような感覚があった。
その間に、この熱も一緒に消えたはずだった。
…なのに、まだ熱があった。
残り少ない火種を使い切るように、煌々と輝きだす。
燃えカスが少しづつ、かつての熱を取り戻す。
意識が冷めていくなかで、その熱だけが醒めていく。
…ピッ…ピッ…ピッ…
…なんでもっと早くに出会わなかったのか。
もっと早く出会えていれば。
「………もっと、推したかったな」
ピーーーーーーー
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○月○日
死んだと思ったらなんか転生してた。
しかも赤子から意識有りで
飴色の髪に獅子耳…はい、獣人ですねー。
どうやら漫画の世界…じゃあないっぽい。
『知識に一致する世界ではない』ってだけで、確定できないのが辛いところである。
そんで、今できることはほとんどない。
せいぜい前世で作った『ちっちゃい頃にやっといた方がよかったんじゃねーかリスト』を思い出してやっていくくらい…か。
一応検索しておこう。
『ホロライブ』……無いか。
○月△日
今世ではじめてのお友達ができた。
隣の家のあずきちゃん。
お淑やかで好奇心旺盛な女の子。
前世は享年高校生…精神年齢はとっくに大人寄りだと思ってたけど、あずきちゃんと話しているのはなかなか楽しかった。
『精神が肉体に引っ張られる』というのは案外本当のことらしい。
余談やが…あずきちゃんといる所を見た両親が泣いてた、特に母。
『エルちゃん、とっても静かな子だから…!』って…いくら前世が陰キャでも流石に喋れるわ。
おい父、つられて感極まりかけてんじゃねぇよ。
そのあと母がメロンパンを作ってくれた。
うめうめ。
□月X日
引っ越してからの小学校3年目
今年もあずきちゃんが同じクラスにいて一安心である。
女子特有の空気やらノリやらにはまだまだ慣れそうにない…なぜ一緒にトイレに行きたがるんよ。
そういや前世の男子が似たようなこと
クラスに馴染めてはいるはず、徐々に頑張るしかない。
学力も怪しまれない程度にやろう。うん。
…こんなこと言ってるけど、あずきちゃん以外とはあんま喋ってないんよな。
なんか遠巻きにされるというか遠慮されてるというか……なぜ。
私なんかしたか…?
失礼だなー、こんなにも純粋()なライオンさんなのにー?
…私って、話しかけづらいのかな…
△月◎日
父がなんかお偉いさんだったことが判明した。
今世の私と同じく獅子の獣人である父…あ、母はホワイトな獅子さんだぞ。
そんで、父は『魔学研究者』というやつらしい。
なんか眼鏡かけてて賢そうだなーとは思っとったけど…ほんまに賢かった。
父、なんかごめん。
しかもしかも、魔学研究における権威扱いされてるらしい。
賢いどころじゃないですやん。
父、ほんまごめん。
…で、魔学ってなに?
▽月△日
今日から中学生。
なに、時間が飛びすぎ…?
気のせい気のせい。
気にすんな(命令形)
そんでもちろん…もちろん?
とにかくあずきちゃんも一緒である。
クラスも一緒とか、ここまでくるとなにか作為的なもんを感じるよね。
そして、今日も父母は仲がいい。
なんなら2人目こさえそうな勢いである。
…正直やめてほしい。
いい年した大人、しかも子持ちの親がだ、今年から中学生の子どもがいる親がだぜ?
なーんで堂々と子どもの前でイチャイチャできんねん…あーほらまたやってる。
せめてご飯のときくらいさぁ……いやまあ、仲良いことは良きことなんやけどさ。
…はぁ……あずきちゃんに、うちの親はどう思われてんですかねぇ…
◎月□日
中学2年の夏、なんか告白された。
相手は同じクラスの男子。
名前は知らん、覚えてない。
贔屓目無しでイケメン…なはず、多分。
自分の美的感覚があんまり信じられんけど、女子から人気らしき男子だし…うん、多分イケメン。
男子の中だとちょっと大人びてる…というか、ませてるって感じな印象。
返事?
もちろん断りましたけど。
そりゃそうよ〜、今世が女とはいえ男と恋愛する気はないし…そもそも誰と付き合うつもりもない。
…というか、なんで私?
もしかしてあれか、大人っぽい子が好きなタイプ?
もしくは静か、寡黙な子…ケモナーってことはあるまい。
まあ私の精神年齢、卒業間近の高校生ですし…小学生に比べりゃ大人よな。
すまんな、名も知らぬ男子。
君ならもっといい相手が見つかるよ…たぶん。
おそらく、きっと、そのはず、maybe、probably。
◇月X日
なんかクラスの女子から遠巻きにされてる件。
どうやらカースト上位のリーダー格…所謂あれだ、一軍陽キャ女子がお気に召していないらしい。
うーむ…私なんかやったかな…?
マジでその一軍さんとは接点クラスメイトってこと以外にゼロだし喋ったことないし、そもそも名前も覚えてないし…どういうことだってばよ。
直接理由を聞くわけにはいかないよねぇ……うーむ、どうしようもない。
中学女子の気持ちなんて分かんないンゴねぇ…
…ん? どしたー、あずきちゃん。
…『エルちゃんの良さがわかってない』…?
あー、あの人らのこと言ってんのね。
いいよいいよ、気にしなくて。
私ぜーんぜん気にしてないし、そもそも気になってないし。
嫌われてるってことは私がなんかしちゃったんでしょ? あの人たちはなんも悪くないよ。
あ、あずきちゃんもあの人らと絡んでていいんだよ?
あずきちゃんは嫌われてるわけじゃないやろし、日陰もんのとこよりあっちの方が……
…なにその顔、怒ってます?
『怒ってない』…?
いや絶対なんか思とりますやん……私なんかやったんですか〜? もしもーし?
□月◎日
なんか一軍さんたちに呼び出されまして。
そんでなんか色々言われたンゴ。
どうやら私に告白してきた名も知らぬ男子…告白くんでいいや。
リーダーさんは告白くんのことが好きなんだとか。
…ん、なに?
『あいつとは幼稚園からの仲』…『なに勝手にとってるの』…?
…いや知らんて。
告白くんが勝手に言ってきたんですけども…私なーんも知らない、身に覚えがない。
そもそも男の子とか興味ないし、恋愛願望とかも一切ゼロですし…
…『調子乗るな』?
えぇ…(困惑)
…というか、あなた告白くんが好きなんだよね?
じゃあこんなことせず直接言ったら…
…え、なに、『別に好きじゃない』?
『あんたがウザかっただけ』…『アイツなんか全然』…?
………わっかりやすぅ…絶対好きじゃん。
いやいや、そんな顔しながら言われても。
ほら、告っちゃえよ〜^ ^
私なんぞよりずーっとお似合いやろし、私詰めてるより直接気持ち伝えた方がいいよ。
YOU、やっちゃいなYO!!
…うんうん、絶対その方がいいよ。
応援してるよ、心からね。
X月◇日
なんか一軍さんに懐かれた。
どうやら無事告白くんと結ばれたらしい。
おめでとうだね。
それに伴って私の扱いも軟化。
腫れ物扱いから『ちょっと話しかけづらい人』にグレードアップ、やっ……たぜ?
これ喜んでいいのか…?
なんかあずきちゃんが近い。
明らかに距離感近うなっとりますってぇ…どうしたよ、マジで。
なんだー、寂しいのかー?
うりうり〜…あれ、ほんとにそうなの?
ほーん…大丈夫よ、私は誰とも付き合うつもりはないんやで。
…え、『私とは…』?
そりゃもう、ずっとずーっと仲良しよ。
B.F.F、ズッ友ってやつですわ!
あれ、一軍さん。どしました?
……おい、ちょー待て。
なにが『そういう事だったのね…!』や、なにが。
『男の子に興味ないのも納得ね!!』?
いや何処に納得する要素あったん…
…まあ、あずきちゃんとも仲良さそうですし…万事解決、ってことで。
ヨシ!!(思考放棄)
○月□日
あずきちゃんと高校の話をした。
高校ねぇ…どこにしよう。
ぶっちゃけケアレスミスにさえ気をつけてりゃ何処でも行けるんよな。
これでも前世で東大AよりのB判定ぞ、舐めんな。
…あずきちゃんと一緒がいい、かな。
ほんとにどこでもいいんだよね。
まあ叶えたいことは……あるっちゃあるけど、今から急ぐことでもないやろし。
ん、どうしました?
なんかボソボソ言うとりますけど…なんでもない?
ならええけど…おいこら撫でんな。
正直なこと言うと…もう少し、一緒にいたいんよね。
□月▽日
母が死んだ。
通り魔…快楽殺人犯に斬られて死亡、だとさ。
すごく悲しかったわけでもなかった。
まあ…ちょっとは寂しいよ、うん。
一緒にメロンパン食べるの、けっこう好きだったんやけどな。
今は父の方が心配である。
私が生まれた後もあんだけイチャコラしとったし…文字通り『最愛の妻』やったんよな。
遺体抱えてボロ泣きして…今はずーっと静か。
そりゃ放心するのも無理ないわな。
当面家事は私がやることになる。
ぶっちゃけ父は放置しとっても問題はないんやろうけど……さすがにこれまでお世話になった訳やし、少しくらいはお世話してやりますか。
お偉いさんやから死なせるわけにもいかんしね。
□月◎日
最近父が怖い。
ぶつぶつ母の名前を呟いて…ずっとなんかの計算式をガリガリ書いてる。
ご飯は食べてくれるし、お風呂にも…シャワーだけやけど、入ってはくれてる。
ふらっと出て行っては戻ってきて、なにかを考えて試して、それの繰り返し。
たまに寝てるところも見るし……研究が行き詰まってるだけ…なら、ええんやけどね。
まるで幽鬼よ、マジで。
小説とかで『幽鬼のような…』とかよく見るけどさ…まさか親がこんなことになるとは。
よっぽど母が死んだのがこたえてるらしいね…
…まあ、私ができることといえば毎日ご飯を作ったり家事をしたりしてあげるくらいである。
父、がんばれ。
なんとか立ち直ってくれ。
そして、私が母の火葬をしていないことに気づいたのはそれから3日後のことだった。
獅乃部エル
魔学研究者の父と専業主婦の母をもつ獅子人の女の子。
大体のことはできてしまう、いわゆる天才型。
かなりの美形(自覚薄め)
表情が変わりづらく、近寄り難い雰囲気。
だが、一度話してみると関西弁混じりでかなりフレンドリーに接してくれ、なおかつ誰にでも優しくする勘違い製造機。
分け隔てない態度は、興味の無さと聖人寄りの性根からくるもの。
過去編が始まる前に、エルさんの過去に予想がついていたり…
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もう完全に分かってたぜ
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わがんない!
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まあ、なんとなくなら…