でもまだひと月経ってないから許してくれる訳ないですよねごめんなさい。
今回は過去編になります。
でも安心してください、ちゃんとあずエル要素入れてます。
そして私、なんとも愚かなことに「活動報告に対するコメントには返信できない」ということを知らず…結局別の場所に解答欄を用意することになりました。
詳しくは下記リンクから。
リクエスト、ご意見等もお待ちしております。
リクエスト募集・ご意見投函箱
【返信用】リクエスト・ご意見返答場所【月曜更新】
◎月○日 文化祭・2日目
「…おぉ」
「どうしたの?」
「あーいや。こうやって見ると、なんかすごいな〜、って」
どうやらウチの文化祭は相当規模が大きいものだったらしい。マジで「漫画でよく見るアレ」なのだ。すっごいね。
なに? 昨日もやってただろって?
…昨日は丸一日メイド喫茶で忙しかったんよ。やからあんまし、というかまったく回れてないの!
文化祭2日目、今日は心ゆくまでごはn、文化祭を満喫するんや…!
「焼きそばたこ焼き、綿飴焼き鳥チョコバナナ〜♪」
「ほんとに全部食べる気なんだ…ねぇ、今日は大丈夫なの?」
「ん? …あぁ、大丈夫よ。父にお薬もろたし」
「ふーん…無理しちゃダメだからね」
「わかっとるよ」
そう、そうなのだ。流石と言うのかどうなのか、父は現在の私の体調不良を抑える薬を開発してくれていた。
さすが父! 私たちにできない事を平然とやってのけるッ、そこにシビれる! あこがれるゥ!
ちなみに割とマジでさらっと開発した。ほんとにどんな頭してんだか。
まあそれはさておいて。早速いきましょか。
「あずきちゃんはどこ行きたい?」
「え…屋台に行かなくていいの?」
「ええよええよ。特に食べたいもんがあるわけとちゃうし…回っとる最中にふらっと寄るわ。全制覇ってのも言うてみただけやし」
「…じゃあ…ここ、かな」
…ここだけの話やけど、全制覇したいんは本音。
でもできひんのよな。
ほら、私の内臓ボロボロになってもたから。今までよりも食べれる量というか、許容上限がだいぶ減っとるんよ。
これはまだあずきちゃんに話とらん…これ以上、心配かける訳にもいかんからさ。
side.あずき
「おいひい」モグモグ
「ほんと? 1個貰ってもいい?」
「ん、ええよ」
「ん…ほんとだ」
たこ焼きを頬張るエルちゃん…かわいい。
ハムスターみたいに膨らんだほっぺたをつつくと、ちょっとだけ嫌そうに身じろぎしてこれまたかわいいジト目でこっちを見てくる。
「なに?」
「んー、なんでもない」
「なんよ、それ」
そう言って、エルちゃんは少しだけ目を細めてふわりと微笑む。その笑顔は小さい頃から、あの時に見た笑顔と変わらない。
いつも通りちょっとぶっきらぼうだけど、嫌だと思ってるようには見えない。こういうの、『ツンデレ』って言うんだよね。みんなエルちゃんのこういうところに惹かれちゃうんだろうな…
「エルちゃん、次はどうする?」
「せやねぇ…次は甘いのかな〜……りんご飴とか?」
「じゃあ3組の方だね」
「…ついでに、ここ、行っちゃう?」
「ここ……あー」
「嫌?」
「あーいや、全然」
「よーし、行こっか♪」
エルちゃんと『お化け屋敷』…エルちゃん、どんな反応するのかな。
side.エル
「ふぅ…満足…」
「ほんとにいっぱい食べたね〜…」
「うん…流石に制覇は無理やったわ」
焼きそば綿飴かき氷、焼き鳥にチョコバナナにりんご飴…全部美味しかった、最高。てかほんとに規模でかいな。
あ、ちゃんと食べる以外にも楽しんだぜ?
さすがに
お化け屋敷に関してはあずきちゃんから誘われたんやけど……なんかあずきちゃんの方が怖がっとった。苦手やったんかい。てっきりこういうのが好きなんかと思たんやが…あれか、怖がるけど好きなタイプ?
お化け屋敷自体結構ガチやったしなぁ…とても学生のクオリティとは思えん。ま、それはウチもなんですけどね(自画自賛)
「まだなにか食べる?」
「さすがにもうええよ…もうちょいで始まるんやし、待っとこ」
そう、始まるのだ。
…ラブコメ及び陽キャ御用達イベント、『後夜祭』が!!
ま、前世から今世まで私には縁のない話だったんやけどね。ははっ。
ちなみにこの高校の後夜祭はなんか色々クラスの出し物に賞とか付けて、キャンプファイヤーでフォークダンスである。規模といい出し物といいコッテコテすぎひんか? ほんとにどこのラブコメやねん。
…んじゃ、そろそろやね。
「あずきちゃーん」
「?」
「こんなとこおらんでさ。後夜祭、行かんでええの?」
「……え?」
「え?」
…なんやその反応は。
いやほら、マジで、行かんでええの?
私も…まあそりゃ楽しかったし、あずきちゃんと離れるのはちょーっと名残惜しいよ。ちょっとね。でもあずきちゃんかわいいんやし、彼氏くらいおるやろ(偏見)
こういう時は恋人と過ごすのが普通なんやろし、私なんかと油売らせてる場合じゃない。
「…なんで?」
「え、いや。あずきちゃんかわええんやし、彼氏の1人や2人…」
「かわっ、って、いないよ!?」
「え? …あー、せやな。浮気する人とちゃうし1人やんな。ごめんごめん」
「1人もいないよ!!」
「えっ(驚愕)」
うせやん……おらんの!?
おいおい…これはテンペンチー、じゃない*1。天変地異の前触れだったりせんよな…割とマジでこの世界イカれとるんとちゃいます?
「いないの!?!?!?」
「いないよ…?」
「…うせやん……」
「…いなきゃ、ダメなの?」
「あぁいや、そういう訳やないんよ…マジかー…」
「…エルちゃん」
「?」
「…スー、ハー…よしっ……フォークダンス…一緒に、踊らない?」
「…そういうのって、普通男女カレカノがやるもんとちゃいます?」
「い、いいでしょ? とも、友だちと踊ったって…」
「……まあ、ええですけど」
「ほんと!?」
「私…ぜんぜん踊れへんよ」
「大丈夫。私が教えてあげる」
「…そりゃ心強い」
「じゃあ、いこっか!」
「あっちょっ…!」
あずきちゃんに手を引かれて走り出す。
日が落ちかけて暗い中で、あずきちゃんの顔が赤くなっているように見えた。
握られた手もほのかに熱を持っていて、まるで…
…いや、気のせいやろ。
あずきちゃんがドキドキしとるとか、そんなはずがない。『友だち1人誘うだけ』なんやから…別に、なんも恥ずかしがることなんて、あらんのやし。
……やから…やから、これも気のせいなんや。
私の顔が熱いんも、気のせいに決まってる。
ドキドキするんも、走っとるから。
そのはずなんや。
◎月□日
「…」
まだ、あの時の感触が手に残っているような……いやちょっと気持ち悪いな。なんだよ
なしてそんな思春期男子みたいなことを…いや身体は思春期真っ盛りではあるんやけどな?
文化祭から2日、まだあの時のドキドキが忘れられない。別になんでもないはずなのに…むむむ…
「むむむ…」
「どうしたの?」
「っ!?!?!?」ビクゥ!
「…あぁ、あずきちゃん」
「ほんとにどうしたの? 唸ってたし…悩み事とか…」
「あーいや…なんでもあらへんよ」
ダメやね、また心配をかけてもた…ほんまに。あずきちゃんにこれ以上心配かけてどうすんねん。
はぁ…そうやんな。私も、いつまでも一緒にいられる訳やないんやし…そろそろあずきちゃん離れもしてかなあかんよなぁ……
……なんか、嫌やな…
「エルちゃん?」
「…ん、どしました」
「…ほんとに大丈夫? もしかして、また身体が…」
「あーあー、ほんまに大丈夫やって」
「ほんとに?」
「ん、ほんとほんと…心配しすぎやと思うんやけど…」
「…それだけ大事なの…」
「今、なに言うたん?」
「…なんでもない」
んー……なーんか一瞬あずきちゃんの雰囲気変わったような気がしたんやけど…気のせいか?
まあ別にやばそうな雰囲気じゃなかったんやからええんやけど…せやな、別にええわ。気のせい気のせい。
「…エルちゃん」
「?」
「本当に…困ったことがあったら、なんでも言ってね」
「なんよいきなり…」
「…私じゃ、ダメ?」
「ッ!?」
「…エルちゃん?」
「…あぁ、あー…うん。その時は、頼らせてもらうわ」
うん、綺麗な笑顔ですわ。ほんまに純度100%の善意で言ってくれとんやろなぁ…
…いきなり手ェ握られたんはびびったよ。
なんか……うん、あかん。めっっっちゃ恥ずいし顔あっつい。絶対これあれやんな…
…私って、こんなチョロかったんか。
◎月▽日
「エルちゃん、起きて〜」ユスリユスリ
「んぅ…」
…やばい、また寝てた。
「…大丈夫?」
「らいじょぶ…くぁ…」
悪魔を降ろしたあの日からだいぶ時間が経った。
それとともに、眠気だとか諸々の体調不良も悪化している。これでも父特性のお薬で和らげている方なんだから、ほんと、怖くなるよね。
あずきちゃんに触れられるのは…まあうん、慣れたよ。別になんでもないことやし、今までも普通にやっとったことなんやし…毎度毎度ドキドk、違う、毎度毎度気にする訳にはいかんのよ。
「ん〜っ……あ、日直の仕事」
「今日エルちゃんだったっけ。手伝うよ」
「あぁ…ありがと」
今日もあずきちゃんが優しい。
まあ私がこんな状態やから残当ではあるんやが……それはそれでなんか、なんやこの感覚。別に嬉しいでええやろ…ええやんな?
でも、ほんとに申し訳ないんよね。
いつもノート見せてもらったり起こしてもらったり…あずきちゃんの優しさに漬け込んどる感じがして、なんというか居心地が悪い。
「…あずきちゃん」
「?」
「……毎日、ごめんね」
「…大丈夫。エルちゃんも大変なんだから」
…ほんま、優しすぎますわ。
「…そうだ。ねえ、エルちゃん」
「なんですか〜ぃ…」
「“ホロライブ”って、知ってる?」
……ん???
「……( ゚д゚)」
「すっごい顔してるよ!?」
「……あっごめん、もっかい言ってもらえます?」
「…その、“ホロライブ”って聞いたことある?」
「……(゚ω゚)」
「ほんとにどういう顔!?」
ん? えぁ、んんん???
ほろら、ホロライブ!?!?
「…知ってるの?」
「えぅっ!? ぁあぅ、まあ、知ってるけど…!?」ガタガタ
「…」
「…えっあっそれっで、なんで急にぃ…!?」ガクブル
「えっと……まず、落ち着こっか」
スーーー…フーーー……ふぅ。
…なんで急にホロライブの名前が。
小さい時に一回調べて見つかんなくて……まさか見つからんかったんって、まだなかったからってこと!?
「……ふぅ」
「落ち着いた?」
「ん…おちついた……それで、なんで急に?」
「…私ね」
緊張した心のまま、あずきちゃんをまっすぐに見据え………あれ?
私、あずきちゃんの顔…見たことあったか?
前世からずっと治らなかった悪い癖。
私は人と話しているときに、相手の顔をまともに見ていない。
表情の変化、声色の変化、雰囲気の変化…それは分かれど顔が分からない。
不安気に伏せられた目は、引き込まれそうなほどに深い紫色。
ふわりとなびく黒髪。そこに一筋だけ混じった赤紫色と白色が存在を主張する。
そして、左目の泣きぼくろ。
髪飾りとか雰囲気とかちょっとした違いはまだある。でも、前世であれだけ見てきたんやから間違える訳がない。
…なんや……すぐ近くにおったんか。
それがあずきちゃんでもAZKiさんでも…私の答えは
胸の奥がドキリと動く。今までに感じたことのない、高まりというか昂りというか……変な、感じがした。
…うん、やっぱりそうやわ。
この気持ちには蓋をしよう。
しなくちゃ、ダメなやつだ。
あずきちゃん
エルの隣りに住む幼馴染。
エルの(今世での)初めての友達であり、エルが家族を除き一番いっしょにいる相手。なんなら家族より過ごす時間は多いかもしれない。
エルのせいでもう既にけっこう脳が焼かれてたりする。
過去エルの脳焼きポイント
・自分のかわいさ、魅力を理解しない
・あずきかそれ以外かで雰囲気の柔らかさが違いすぎる(なお本人は一切自覚がない)
・距離感が近い
・まわりが思春期な時期でも態度、ふるまいが一切変わらず、色々無防備
・大人な雰囲気を出しておいて、好きな人(あずき)の手が触れるだけで恥ずかしがる
・恥ずかしいときにめっっっっちゃ顔に出る