転生した結構やべぇやつ   作:ただのコマチ

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どうも。
なんか上半期終わり際の激動感が凄まじい。

Justiceさん、いらっしゃい。
ミオしゃ、おかえりなさい。
Aさん、お疲れ様でした。本当にありがとう。

※1/22 誤字報告ありがとうございます!
 4/30 誤字報告ありがとうございます



幼馴染枠の襲来

 

 

 

んぅはふ……」

 

……すっごく眠い。今日が休みでほんとによかった。

昨日夜更かししすぎたね。ハコスさんが帰ったあと、コーヒー飲んじゃったから目が覚めちゃって……だいぶ長いことアーカイブ見ちゃってたわ。

反省はします、後悔はしません。いい夜でした。

昨日の私、ちゃんと着替えてたところは褒めてあげよう。ただソファで寝落ちしちゃったのは減点かな。どうせなら布団で寝たかったよ。スマホも充電しないとだね。

 

「んーっ…」

 

いつもやってる背伸びをひとつ。今日もいい天気。過ごしやすくてとてもいい。

さて、朝ごはんにしますか。その後襲来に備えますかねぇ…

今日の朝ごはんはなににしよう…つってもそんなに凝ったものを作れる訳じゃないし、いつもけっこう軽く済ませてるから悩むほどのことでもないんだけどね。

来るといっても、さすがに朝ごはんを食べる前には来ないはず。そこらへんの常識とか良識とか、そういうのはちゃんと持ち合わせてると思うし…着替えるのも後でいいでしょ。

 

 

え、今どんな格好してるのかって?

Tシャツ1枚に下着。

 

そう、ズボラファッションである。

このTシャツ、楽だしデザインもけっこう気に入ってる。某ヒーロー漫画の主人公が着てるような文字Tなのだ。

前世から私って服とか部屋とかのセンスは悪くないと思うんだよね。友だちからも『まあまあいいセンス』って言われてたし。そんな私はこのTシャツを『世間的に見てダサい』とは思う、でもどこか気に入ってしまう。

「推し活第一」とか「あくまてき」とか…ある程度の数は持ってて全部オーバーサイズ。

ちなみに今日のは「ふぁびゅらす」ってユルい文字で書いてある。かわいいでしょ。

 

こんなことを考えつつも朝ごはんの準備を進める。マルチタスクがスムーズになったのも後世からだね。

前世でも一応できたといえばできた。でもここまでスムーズにはできなかったよね。いやー、この身体すごい。ハイスペックすぎる。運動、頭脳、魔法…なにをとっても高水準。なかなかにすごいよね、これ。

 

 

そんなことよりも…はい、上手にできました〜。

今日のメニューはフレンチトーストとサラダです。

食パンと卵を早めに使っちゃいたかったんだよね。あと先日ホロメンから野菜をもらった。出所は聞いてないけど…まあ安全ではあると思う。たぶんホロぐら的な感じで手に入れたんじゃないかな。

こういう時に探知魔法が便利。雑に探知かけときゃ安全って分かる。できるようにしててよかった魔法第3位。

 

「いただきます」

 

うん、やっぱり朝は糖分補給からだよね。今日も我ながら上手にできてる。うめうめ。

仕事の時はメロンパンにコーヒー牛乳な朝も多いけど…できるだけ自炊したい。メロンパンにコーヒー牛乳とかいう幸せ爆弾は大好きだけど、そればっかりじゃ健康体では居られないからね。

ホロメンの健康だとか幸せとかが一番大事。でもみんな優しいから私なんかのことも心配してくれるのだ。だから無意味に心配させないように健康体でいることも大事。健康だと仕事も捗るしね。

 

 

「……」モグモグ

「…ジュルリ」

 

「…いやどっから入った???

「玄関開いてたよ?」

 

 

いつの間にやら地理に異様に詳しい歌姫、AZKiさんがいました。

 

まさかほんとに朝ごはんを食べ終える前に来るとは……てか私戸締り忘れてたんかい。しっかり伏線回収しちゃってるじゃんか。いや伏線張ったつもりはないんだけど。 *1

…ほとんど不法侵入なんですけどねぇ。一応気心のしれて…るはずの様な仲だとは思ってるし、そもそも鍵を閉め忘れた私が悪いからいいんだけどさ。

ただ気配を消してくるのはやめてほしい。せめて一声かけてほしかった。

 

まあそんな気持ちもフレンチトーストを頬張るAZKiさんを見てれば吹き飛んでしまう。

はーっ、ほんっとにかわいい。

やっぱりホロメンって見てるだけで癒される。しっかりいただきますって言ってくれてるところも可愛らしい。食べてる様子を見てるとなんというか、ニコニコ愛でたくなる衝動に駆られる。ホロメンの笑顔からしか得られない栄養があるのはこれではっきりした。これだけ距離が近いと過剰摂取確定である。

朝イチでまだ頭がボケっとしてる方だから尊死しかけるまではいかない。だから命の危険を感じずにかわいさと幸せだけが感じられる。素晴らしい。

これが朝イチじゃなかったら耐えられなかった…朝イチで来られてびっくりしたけどこれはこれでよかったのかもね。

 

…私も食べちゃわないと。AZKiさんに全部食べられちゃいそうな勢いだし。

 

「…」モグモグ

「…」ジーッ

「…足りなかったですか?」

「あーいや、そういう訳じゃないよ」

 

足りなかった訳ではないらしい。

あまりにも凝視してくるものだから、てっきりまだ食べ足りないのかと。けっこう早いペースで食べてくれてたし、作った身としてはすごく嬉しい。自分がしたなにかで誰かを喜ばせられるってすごいことだよね。前世はそんなことできてる自信なかったし、そもそもここまでできるスペックもなかったし。

 

「…」モグモグ

「…」ジーッ

「…なんでそんな見るんです?」

「あれ、ダメだった?」

「いえ……流石にここまで見られると気になります」

「だってエルちゃんかわいいんだもん」

ゴッフ…」

 

 

……かわいい。私が?

やべぇ、ホロメンに言われる一般人の身からすると嫌味にしか聞こえない。

かわいいのはあんたらだよ。

 

確かに私の容姿は整っていないっていう訳じゃない。1〜10で言えば7くらいだと思う。

ただそれは『一般的に見れば』の話だ。近くにいる比較対象としてホロメンが上がれば勝ち目はない。ホロメンたちの容姿が良すぎる。1〜10で言うと20、なんてもんじゃない。アイドルをやれてるだけはある。

見た目だけで人気が出る訳じゃない。トークスキルやら特出した特技や歌、他にはない特徴だとか、その他色々な要素が絡み合っている。それでもこれだけ容姿が整っていれば印象に残りやすい、そして中身は容姿と違って見ようとしなければ分からない。人目を引けばその分中身を見てもらえる機会も増えていく。つまり容姿は人気になる理由として大きな割合を占めている。

『これだけ人気が出ているのも見た目がいいから』って言われてもこの見目麗しさならば納得せざるを得ない。うんうん。

 

それはそれとして、不意打ちすぎて咽せてしまった。止まんない。

 

「ゲホッ、ゲホッ…」

「大丈夫?」サスサス

「……おそらく…」

「私がかわいいって言ったから?」

「わかってるなら言わないでくださいよ…」

 

自分が原因な自覚あったんかい。

たとえかわいいと思ったとしても言わずに胸の内で留めていてほしかった。心臓に悪い。

お世辞だとしても推しから褒められるのはオタクにとってクリティカルなのだ。それが自分の努力の結果でなくとも嬉しいと思えてしまうのだ。そう考えるとオタクは悲しくもコスパのいい生き物に思えてくる。

 

「…ケホッ……おぇ…」

「…ほんとに大丈夫なの?」

「いえ、大丈夫です…ちょっと咽せすぎました」

「…ほんと?」

「はい、ほんとです」

「……よかったぁ…」

 

咽せすぎて吐きそうになっちゃった。どんだけ咽せてんだよ…なにホロメンに心配かけさせてんですか…こればっかりはほんとに申し訳ない。

前世からもそうだけど、私ってほんとに咽せやすいんだよね。

ただ水を飲んだだけなのに咽せたり、なんなら唾で咽せたこともあったね。なにもしてないのに咽せたこともあったような……なぜここだけは変わってくれなかったのか。

 

「もう…心配したんだからね」ムニー

「むぇ」

 

AZKiさん、確かに私が悪いですけどほっぺ引っ張る理由なくないですか?あ、こらムニムニするな…

 

「…にゃんへわはひほっふぇふにふにひゃれへるんれふかなんで私ほっぺムニムニされてるんですか

「心配かけた仕返しだもんね」ムニムニ

しゃいへふか(さいですか)…」

「エルちゃんのほっぺが柔らかいのが悪いんだよ?」ムニムニ

 

…これは喜ぶべきなのだろうか。

推しから褒められたという点では喜ばしいことなんだけど、女性として“柔らかい”って言われるのは…なんか太ってる感じがしてしまうのは私だけなのか。

前世からではあるけど、私は別に太ってる訳でも痩せてる訳でもない…どちらかと言えば痩せ方かもしれない。だから少し太った方が健康的なのだろうか、と思いつつも太るのはなんかイヤだ。我儘なのはわかってる。まあダイエットとかをする訳でもないし、体質的に太りにくいみたいだから結局現状維持といった感じになるんだけどね。

 

「…」ムニムニ

「そろそろやめてくれません?」

「…もうちょっとだけ」ムニムニ

 

いや本気でこれいつ終わるんだ。このままだと風真さんとおんなじ感じになりそうなんだけど…

誰か助けてヘルプミー。地味に精神面のダメージも辛くなってきた。ホロメンに至近距離でほっぺムニムニされるとかオタクの耐久性度外視してません?このままだと私の心がすり減り続けてなくなりそうなんですけど?

しかも目が覚めてきちゃって頭が状況を飲み込み始めました。この状況私にとって劇物なんですが。

 

「…(スンスン)」

「おいサラッと匂い嗅ぐな」

「バレちゃったか…匂い嗅いでいい?」

「さすがにバレます。というか真正面から来ないでください、ダメに決まってんじゃないですか」

「えー…いろはちゃんにはさせたのに?」

「…なんで知ってるんです」

「いろはちゃんから自慢された」

 

おい何してくれてんねん。

ござる…今度からは絶対吸わせてやらんからな。つってもまあ完全に私の行動が招いた結果なんですけどね…

 

てか、けっこうまずい。

意識が覚醒してきたところでホロメンに匂いを嗅がせてくれと言われる……中々おかしな状況ですわ。

始まると長くなりそうなんだよね…まぁ、AZKiさんにゆるふわサイコだとかちょっぴりSっ気があるとかいっても、耳と尻尾の付け根を捏ねくり回すような真似はしないはず。もしそれをされるなら私は全力で抵抗しなくちゃならない。AZKiさんも前々から知ってはいるし、流石にしてこない。多分。おそらく。

だとしても嫌なことには変わりないんですけどね。というかさせたら確実に尊死が近づいてくるからさせるわけにはいかない。

 

「お願い!」

「いやです」

「えー」

「風真さんのときは事情がありました。でも今はする必要性もありません」

「…」

「…なので、ダメです」

「…」

 

…罪悪感が凄まじい。

AZKiさんが捨てられた子犬の様な目が私を見ている。そして段々とAZKiさんの頭に垂れ下がっていく犬耳が見え始めた……重症でしかない。

 

でもここは断らなければならない。

私はたとえ相手が推しだったとしても、そう易々とケモ吸いをさせるほど安い女じゃない……そこ、元々女じゃないだろとか言わない。

ここでまたケモ吸いを許してしまえば、次、そのまた次となしくずし的にどんどん回数が増えていく。それだけは回避したい。

だから私、ホロメンからの頼みを断る覚悟を

 

 

「…だめ?」

 

 

…覚悟を……

 

 

「…おねがい…」

 

 

………スーーーーーッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜♪」

「……」

 

はい、無理でした。

上目遣いはあかんて。わざわざ私より低い位置からくるのはズルい。ホロリスが耐え切れると思うか?いや、無理(反語)

 

まぁ……AZKiさんご機嫌やし………ええか。

 

 

「スンスン…スーーーーーッ…」ナデナデ

 

なんか一定数のホロメンにセラピーアニマルだと思われてそう。『癒しになる』という点では別に間違ってる訳じゃないのがなんだかねぇ。こういう『癒し』じゃないんだけどなぁ……ホロメンの役に立ててるならいいや。

 

 

ただまずいことがひとつ。

AZKiさん撫でるのが絶妙に上手い。

 

なんというか…ネコ科としての側面を引き出されるような、続けられることを望んでしまうような、とにかく絶妙なのだ。

これはまずい。少しどころじゃなくとてもまずい。さっきまでケモ吸い避けようとしていたのにその考えが曲げられそうになる…それだけはダメだ、だめでしかない。

このままだと私は自分の心の中では嫌だ嫌だと本心を否定しつつも態度でケモ吸い、いやケモ吸われを求めてしまう…なんかどこかの二次創作にありそうな堕とされる寸前どころか堕ちてしまった後のくっころ女騎士味のありつつもそうではないようなそんな感じになってしまう。

別に自分の立ち位置に特にこれといった拘りがある訳じゃない。でもなんか嫌だ。認めたくな…違う、そんな考えを持ちたくない……!!

 

「…いい匂い……スーーーーーッ…」ナデナデ

「……ッ!?」ビクッ

 

まって、まってまってまって!?AZKiさん!?

今少し際どい、てか付け根!?付け根!!

尻尾じゃなくて耳だからまだマシだけど、付け根はだめ!!ほんとに!!今のは掠っただけだから声出なかったけど……

 

私なんでこんな付け根敏感なの…?

猫だから?猫じゃねえよ、厳密にはだけど。

 

ほんとにこれ以上はまずい、ガチで付け根を弄られ始めたら戻れなくなる……頼んでやめてもらわないと…

 

 

「スーーーーーッ……ふふっ♪」

 

あっ…めっさ清い笑顔してらっしゃる……

こんなん邪魔できねぇ……

 

 

 

 

あっまた付け根…ッ!?

 

 

 

⌛︎✴︎⌛︎✴︎⌛︎

 

 

 

 

 side.AZKi

 

 

久しぶりにしっかりとエルちゃんを吸えた。ハグもしたしナデナデもしたし、チャージ満タンだね♪

 

「ごめんね、だいぶ長く吸っちゃって…」

いや……大丈夫…」

 

エルちゃんの顔は真っ赤に染まって、息も少し荒い。

ふふっ、エルちゃんって普段から無表情だけど、こういうのはけっこうわかりやすいんだよね。付け根を擦ったときに声が出そうで頑張って我慢してたのバレバレだよ。でも私がわざと擦ってるのには気づいてないんじゃないかな。いつも冷静で勘がいいのに、こういう時はやっぱり混乱しちゃうんだね。

しかも、いつの間にかタメ口に、前の口調になってる。寂しかったんだよ?私が活動を始める少し前からかな…エルちゃんが急によそよそしくなっちゃって、私びっくりしちゃった。理由もわかんなくて、嫌われちゃったのかと勘違いした。

 

 

 

 

今のエルちゃんの頭は私のことでいっぱいかな?

そうじゃなくてもみんなのことを考える余裕はないんじゃないかな。

 

 

少しの間でもエルちゃんを独占した。

 

その事実が、どうしようもなく嬉しかった。

 

 

エルちゃん、ごめんね?

 

 

 

 

*1
第2話「帰宅前の一幕」より





獅乃部エル
ネコ科の獣人(厳密には異なる)
なぜか耳と尻尾の付け根がすごく敏感。
咽せやすい。
部屋着は文字Tシャツ1枚。


AZKi
地理に異様に詳しい歌姫。
本小説の友人(幼馴染?)枠。
定期的にエルを愛でて充電している。

___________________________

謝罪
元々AZKiさんを友人?枠として採用する予定でしたが…愚かな私はなぜかアンケートにAZKiさんを入れてました。

0期生アンケートではみこちが人気でした。別の話をひとつ挟んで書きたいと考えています。こんな小説のアンケートに、投票ありがとうございました。
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