ACVD 繋がれた獣と黒い鳥   作:StainHeart

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今回も山場がほとんどないです。申し訳ありません
未だに執筆は慣れません。特に会話文などが苦手で大分不自然な感じになっているかもしれません。あと独自設定や私自身の勝手な解釈なども入っています。そのようなろくでもない駄文でよければ引き続き続きご覧ください


Gravity

運び屋と傭兵はタワーから少し離れたエリアを輸送ヘリで進んでいた。そこはマグノリアと最後に対峙した機械でできた施設と少し似ていた。施設は、まるで客人を招き入れる為の絨毯のようにタワー真下まで続いていた。

『タワーまでそろそろだな』

「あぁ、すまないなファットマン。今思えばこれまでの中でもかなりヤバい依頼を受けてしまったのかもしれない。」

傭兵と運び屋が受けた依頼は最近発見された新たな8つめのタワーの調査だった。タワーが発見された当初三大勢力は新たなタワーを手に入れようとタワーに侵入を試みたがこのタワーは他より警備が厳重らしく、この施設を占領するだけでもかなりの犠牲が出たらしい。

目下のタワー下まで続く施設は破壊されたAC、自衛装置の砲台の残骸、鉄屑と化した自立兵器が点々と転がっていた。それでも施設とタワーの内部の中枢エリア以外はヴェニデが占領したようだった。ただタワーの中枢エリアだけはいまだに立ち入ることすら出来ていないらしい。中枢エリアはそこだけ外部から遮断され、通信状況も悪く立ち入ったヴェニデの調査部隊の生還者も無く、情報は掴めていないらしい。依頼の詳細はそこに立ち入り侵入の邪魔をする要因を排除する、そして情報を持ち帰るというものだった。ヴェニデはこれ以上戦力を割くことができないと感じどの勢力にも属していない傭兵と運び屋に依頼をした。

 

『ハッハハ!勢力からタワー内部に入ってこいなんて依頼が来るなんてお前も有名になったもんだ!』

運び屋は傭兵とは対照的に快活に笑いながら言う

「だがタワー内部に入るなんてまともな傭兵に許可されることじゃない」

『確かにこの時代はそうだな。だが今は勢力のものとなっているタワーも数世紀まえは遺跡みたいなものだったんだ最後にデカイ宝探しが待ってたと思えば良いじゃないか。それにお前はこれまでだってそれなりにヤバい依頼を達成してきたんだ今更タワー内部調査なんて簡単だろうさ』

傭兵は呆れつつも運び屋ファットマンの言葉に心強さを感じた。

 

タワー内部の中枢エリア、そこは他のエリアとは隔絶された空間でかつてのスピリット級の特殊兵器が一つ収まるぐらいの広さがあった。一定の間隔でオブジェのような柱が立ち並んでおり最奥には外殻に覆われた巨大なエネルギー炉があり、その少し前方に開けた簡易ガレージのような空間があった。そこには血のような暗い赤と純白で彩られた人型の特殊兵器が鎮座していた。複数のコードで繋がれ、たたずむその姿はまるで首輪をされた獣か鎖でつながれた罪人のようだった。あたりには撃破されたACやUNACの残骸がいくつも転がっておりかろうじてACから脱出しようとしたパイロットも一人残らず血のシミや燃え滓にされていた。その惨状を作り出したのは他でもない繋がれた特殊兵器だった。特殊兵器の中の機械化された魂は殺意と憎悪を人為的に増幅・強調させるプログラミングを受けていた。

ファンタズマビーイング。驚異的な戦闘力を持つ人間の意識を電子化し制御可能な状態にする事により安定した強力な戦力を得るための計画。

この計画は元々クローニング・洗脳・選別という過程を経た個体を電子化するものであったが太古の研究者たちの中には、それでは個体それぞれの特異性が損なわれ著しい戦闘力の低下があるという考えもあり試験的に直接個体の意識を電子化し兵器に組み込むという試みをした。

それがこの中枢に設置された特殊兵器である。今は電子内に幽かに残る彼の意識はこの中枢エリアに侵入者が入るたびに殺意・憎悪とともに呼び覚まされ無防備入った者をかつての強力な戦闘力で虐殺するようになっていた。彼の意識は正に今、タワーの内部に侵入する者を感知し機械の身体に再び起動の準備を促していた。

 

傭兵はタワーの下層を進み上層を目指していた。螺旋状になったACが複数通れそうな広い通路をある程度進むと巨大なエレベーターのような部屋を見つけた。

「これは動くのか?」

『あぁ、どうやらヴェニデの連中がどうにかハッキングして使えるようにしたらしい。それに乗っていけば目的の最上階までたどり着く』

エレベーターに乗り装置を操作し上層向かう彼はおかしな感覚に陥った。何百何千年経ってもこのタワーや兵器は稼働し続けている。タワーに至ってはその保存のための仕組みは聴いたことがある、原理は解らないが建物の各部に老朽・破損を相互に修復するための装置があるらしい。自己修復を行い外敵に対しては自動で攻撃を行う、まるで生物よりも生物らしい振る舞いを機械がしているのだ。このタワーなどを創造した過去の人類は神の領域に足を踏み入れていたのではないだろうか。「その末がこの荒廃した世界か。皮肉...ってやつなのか」

『どうした?』

「なんでもない。ただの独り言だ」

『そうか。そろそろ最上層に着くももう少ししたらこのノイズが強くなって通信もできなくなる』

「もし...何か異常があったら構わずヘリでタワーから離れてくれ」

『手の平を返すようだが、死に急ぐことはするなよ。もうそろそろこの仕事もやめどきだと思ってる。お前さんが最後の仕事仲間かもしれん。最後の仲間ぐらい生かして連れ帰りたいからな』

「勝手な運び屋だな」傭兵は苦笑しながら言った

「まぁどうにか善処してみるさ」『頼んだぞ』

「あぁ、了解!」

そしてタワーの最上階に着き通信はノイズに埋もれた。

 

あらかじめ渡されたマップによると問題の中枢エリアの入り口はエレベーターの反対側にあった、ACが通るには少し狭い通路をスキャンモードで省ENにしながらグラインドブーストで滑るように進む、通路の左右には旧世代の長方形の建物のようなものがところせましと立ち並んでいた。そして前方に十字路が見え右側に機械の扉があった、ここが入り口だろう。この部屋でどの部隊も消息を絶っていた。傭兵は緊張した面持ちで装置を操作し入り口を開錠する。扉は何重にもなっており下から上に次々と開いていった。傭兵は開いてゆく扉の枚数を数えてみたところ9枚はあった。他のタワーの中枢もここまで厳重なロックが掛けられているのだろうか、などと緊張を紛らわす為に無意味な事を考えつつ扉を抜けて部屋のなかに進んだ。だがその考え事は意味を為さなかった。

 

部屋のなかは死屍累々といった光景であった、そこらじゅうに破壊されたACの残骸が大量に転がり原型を留めているモノはほとんど無かった。傭兵は一気に戦場の思考に頭を切り替えたそして部屋の中心部、この惨状を作り出したであろう者に眼を向ける。血の色と純白が絡み合うようなカラーリング、色合いは全く違うが、かつて傭兵が倒した死神部隊隊長・Jの機体と同型の人型特殊兵器であろう。しなやかなフォルムだった、恐らくJの機体より更に細身でありながらも肉食獣のような力強く尖った印象があった。

特殊兵器は淡く光る粒子の膜を身体に展開させ侵入してきた自分より一回り小さなACを見据える、そして咆哮のような駆動音をあげつつ獲物を前にした獣のように傭兵の乗るACに襲いかかる。




傭兵(主人公)の機体
右腕武器 ガトリング(威力型)
左腕武器 バトルライフル
右ハンガー ヒートパイル(威力型)
左ハンガー シールド
TE防御高めの中量二脚
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