ポケットにあかいいと   作:奈火騎士

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カレーのふんかは威力150

 

 

 意気揚々と門を潜ったはいいものの悲しいかな、1人でお昼時を迎えていた。

 当たり前ではあるものの、ポケモンを捕まえることもトレーナー適正試験の一部だ。

 今日は施設や部屋の紹介。明日からいよいよ自分のポケモンを持つことが出来る……!

 

 あまりにもやる気なさそうに説明を聞くおれにわざわざ話しかけてくるモノ好きもおらず、ついぞ食堂でぼっち飯を決め込むことに。

 

「どれも大盛りでうまそ〜!」

 

 食券機に並ぶはオムライスからうどん、果てはマウンテンカツカレーなんてものまで。

 どれも唆られるけどここはナンバーワン人気のマウンテンカツカレーに決めた!

 

「まだかなぁ……」

 

 マウンテンカツカレーを注文してからはや10分、あたりには既にうまそうな料理の数々……朝ご飯を抜いて来たおれにはこの上ない毒だ。

 ぎゅるるるぅ、おれのお腹が何度目かのデモ活動をして始め出した頃、ついに救いの呼び鈴が鳴った。

 

「でっっっ……」

 

 それはカツカレーというにはあまりにも縦にデカく、大きすぎるカツは山を築いていた。山頂からはチーズが溢れんばかりに流れ出てトンデモなくいい匂いを辺りに充満させた。

お腹の虫が命ずるままにおれは一心不乱に山を切り崩した。途中、マグマのように口の中に溢れ出すチーズとカレーとカツの味にガツンと頭を揺さぶられた。

 

 

 

「はぁ〜うまかった〜……」

 

 噛み締めれば未だ溢れ出してくるんじゃないかと思わせるほどマウンテンカツカレーは強烈なメニューだった。

 このボリュームで無料で食べ放題なんて言うんだから太っ腹すぎておれのお腹も太くなりそうだ。

 

 幸せ気分のまま午後を過ごしていればいつの間にかおれは自分のベッドに体を投げ出していた。

 思い返せば色々紹介されていた気がするけど、ほとんど覚えていない。これも全部マウンテンカツカレーのせいだ。次も頼むことを心に決めた。

 

 

 

 

 

 

「朝だーーー!!!ポッケモン、ポッケモン……」

 

 ついに待ちに待った朝が来た!急いで着替えて外に出ると──

 

「はっや……」

 

 バスに乗ってた全員が既に集まっていた。みんな元気が溢れていて、話題はポケモンの話で持ちきりだ。

 くまを作ってる子までいた。自分と同じ……いやそれ以上にポケモンが好きで好きでたまらない人がこれだけ居ると思うと、気分も上がって来た。

 そんな熱に当てられてか、予定より30分も早いというのに先生がやってきた。

 

「ほ〜っほっほ、今年は随分と集まりが良いのぉ〜」

 

 サンタクロースと見間違えるほどにふさふさの白鬚が顔全体を覆っていた。

 このおじいちゃんが先生らしい、昨日は出会わなかったけど随分と風格がある。

 

「皆集まってることじゃし、少し早いがポケモントレーナー適正試験を始めたいと思う」

「とは言っても今日は鉛筆は使わん!皆が待ち望んでいた捕獲試験じゃ!」

 

 うおおおおお!もはや誰の声で大地が揺れているのかわからないほどにボルテージが上がっていた。

 

「今からみんなに1人5個のモンスターボールを渡す、みんなにはそのボールを使ってポケモンを捕まえて来て欲しいんじゃ」

「捕まえ方は単純明快、モンスターボールのこの丸く突き出た部分をポケモンの体に当てる。それだけじゃ」

「どこまで行っても構わんぞ!じゃが期限は夕暮れまで!自由にポケモンを探して、思う存分悩んで捕まえるんじゃぞ〜それではスタートじゃ!」

 

 捕まえ終わったらモンスターボールを提出するんじゃぞ……と忘れてたように付け足して捕獲試験は幕を開けた。

 

 合図と共に一斉に駆け出す、おれは人が少ない方向、その中でも人気のなかった森の方へ走り出した。

 

「ふふふーん、誰を捕まえようかな〜」

 

 鼻歌を歌い、スキップしながら森を進む。辺りを見れば虫ポケモンを始めとしてたくさんのポケモンがひしめいている。

 捕まえるのは誰にしようか、ここはやっぱりサトシ選手みたいにピカチュウ?それとも少し見つけるのが難しいけどキモリなんていうのもいいかもしれない!

 

 頭の中のポケモン図鑑を開いて考えてみる。

 まず1番いっぱいいる虫ポケモン……虫ポケモンは成長が早く、進化が早いことから駆け出しトレーナーにオススメ、しかし環境に左右されやすく、本来のパワーを発揮できる機会が少ない。

 

「雨や風、更地でのバトルを苦手そうにしてたっけな……とりあえずいつでも捕まえられそうだし最後でいいや」

 

 次に2足から4足の陸上を得意とするポケモン……ノーマルタイプが多くて、器用で意思疎通が取りやすいため全てのトレーナーにオススメ、トレーナーのスタイルによって大きく変わるため、トレーナーの手腕が問われる。

 

「出来ればピカチュウとか見つかればゲットしたいんだけどな〜、切磋琢磨して自分たちだけのスタイルを見つける!憧れるな〜」

 

 最後に捕まえるのが難しい鳥ポケモン……鳥ポケモンは俊敏な動きと変幻自在な空中戦が特徴のポケモン、大きくなればトレーナーを背中に乗せて飛べるのも魅力的、比較的安定はするが虫ポケモンと同様、環境の変化を受けやすいため注意が必要。

 

「うーん、ハッキリ言って飛び回るポケモンにボール当てられる気がしないんだよな〜。捕まえられなかったら最悪だし今はパス」

 

 となれば今取るべき動きはただ一つ!ピカチュウを目指してもっと奥へ!

 

「待ってろおれのピカチュウ!チャンピオンロード!」

 

 

 

 

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