投稿時間ミスって1回あげちゃった☆
月日は流れ、僕は今12歳。今日から中学生になる。学校は特に希望はなかったから家から近い所にしたけど、高校はきちんと選びたいな、とは思う
校門から学園内に入り、歩きながら今日やることを思い出していく
(一先ず、入学式か。嫌なんだよなぁ。座って人の話を聞くだけとか。退屈すぎる。まあ行くしかないんだけど……はあ、憂鬱だ。っと。忘れてた。入学式の前に自分のクラスを確認しないと。えーっと、1-Bか。……友達、できるかなぁ)
そんなことを考えながら、校舎内に入り、教室へと向かうが……すれ違った人達から、チラチラとこちらを見られる。まあ、なんとなく理由は分かるが
(まあ、ヘイローだろうね)
そう、ヘイローだ。ここキヴォトスに生きる生徒には、皆等しく頭の上にヘイローという光輪が付いている。何人も例外無く……だった筈なんだけど、僕にはそのヘイローが無い。親に聞いても知らないと言われる。まあそうだろう。ただ、僕は別に困ってはいない
(けど、やっぱり目立つか。仕方のないことではあるけどね)
そこまで考えた所で、教室に着いた。そのままの流れで中に入れば……中に居た全員がこちらを向き、全員がそれぞれ驚きを顔に表した。特段気にすることでもないため、そのまま自分の席を確認し、その場所へ腰掛ける。その間にも、チラチラとこちらを見てはコソコソ話をする者や、ガッツリこちらを見てくる者も居る
(うーん、過ごし辛いなぁ)
こんな調子でこの先やって行けるのか不安になってくるなぁ
悲報、やっぱり問題が起きた
いやまあ予想できなかった訳じゃないんだけどね。本当にやるとは思わなかったけど。今、僕の目の前にあるのは、考えつく限りの暴言を書き殴ったであろう机と、ビリビリに破かれたノート。因みにどちらも僕のものだ
(虐め……か)
まあ分からなくはない。僕は生徒として入学してきた。それなのに、普通の生徒が持っている筈のヘイローは無く、加えて男である。彼女達には、僕が自分たちとは違う異質なモノに見えたのだろう。自分たちと違うものを排斥しようとするのは、理解はできる
因みに、僕は特に何も思っていない。別に机に落書きされても机としての機能は果たせるし、ノートに至ってはなんとなく持ってきてただけで特に使っていなかったものだ。だから別に良いんだけど……面倒臭いよね。うん
(うーん……これが続くとなると……何か手を打たないといけないなぁ)
……ま、なんとかしようか
その日も、いつものやつをやろうと、仲間内で話していた
私たちと一緒の時期に入学してきたあいつ……乙骨ユウタ。生徒の癖にヘイローも持ってないなり損ない。最近はあいつを弄って遊んでいる。……あんまり反応は面白くないが、あいつで遊んでるだけで楽しいというものだ
だから、今日もいつも通りあいつで遊ぼうとした時、仲間の一人が
「なんかあいつの反応つまんねぇし、一発、こいつで撃ってやろうぜ」
と言いながら、どこにでも売ってるハンドガンを取り出した。正直、ヘイローがないあいつにそんなことをして大丈夫なのか。という考えが過ぎったが、そっちの方が良い反応を見れそうなのも事実
「……良いじゃん」
私たちは、その提案を受けることにした
教室に着くと、数人の生徒が既に登校しており、その中にはあいつも居た
「なあ」
私たちの中の一人が、そいつに声をかける。すると、こちらを向きながら
「何かな?」
と笑顔で返してきた。この顔がどうなるのか、楽しみだ
「いや何。ちょっと用があってよ」
「?」
「オラ!」
話しかけたやつが、先程のハンドガンを取り出し、そのままあいつに向けて発砲する。一度の轟音。それが、正しく銃弾が発射されたことを表していた。私たちなら、特に傷もできない一発。ただし、ヘイローのないあいつにとってはどうなのだろうか
……そう思っていたのに、銃弾があいつの身体に傷を付けることはなかった
「……っは?」
あいつは、銃弾が自分に当たる前に、手で銃弾を掴みとったのだ。……だが、ありえない。普通に考えて、そんなの出来るわけが……
「……はぁ」
『っ!』
口から吐き出されるため息。なんてことのない動作の筈なのに、私にはそれが酷く恐ろしく感じられた
「流石にやりすぎじゃないかな?」
「……っ」
奴の発する一言を聞くだけで息がつまり、汗が止まらない
「正直、このまま放っておいても良かったんだけど、ここまでやられたら黙ってはいられないかな。少し、痛い目を見た方がいい」
そんな言葉と共に……奴に銃弾を放った一人が吹き飛んだ……?
「はっ?」
「……」
先程までそいつが居た所には、奴が居た。
いつもと違う雰囲気を漂わせながらこちらを見てくる奴、乙骨ユウタ。そんな奴の姿に、私は内側から何かが湧き上がってくるのを感じた。
これは、恐怖だ。
「がっ!」
……
「うぐっ!」
……ああ
「うごぁっ!」
ああ……
「さて……最後は君かな」
「っ!」
こちらを見下してくる乙骨ユウタ。その顔には、私たちへの怒りなど全く感じられず、あったのはただの気だるさ。
「じゃあね」
「がっ……ぁ」
奴の手刀が私の首を的確に捉える。一瞬の衝撃の後、私の意識は闇に落ちていった。
「申し訳ありませんが、暫くここに居て頂きます」
「分かりました。…………はぁ、どうなるのかなぁ」
あの後、周りに居た生徒達がヴァルキューレ───警察みたいなもの───を呼んでいた様で、すぐにヴァルキューレの生徒達が現場へとやってきた。まあそこから捜査だの事情聴取だのをして、なんか分からないけど僕も本部へ一緒に行くことになった。……何故に?
まあ多分僕に非は……ちょっとはあるかもしれないけど、事を起こしてしまったのは彼女たちだ。どうなっても僕は知らない。……いや、もしかしたら少しやり過ぎたかも……? なんか彼女たち震えてたし……
と、そんなことを考えていた時、僕が居た部屋のドアが勢い良く開け放たれた
「ん?」
「やあやあ! 君が乙骨ユウタ君かな?」
そこに居たのは、青空を編み込んだような綺麗な空色の髪をしている女性。……なんかどこかで見た様な
「はい……まあ、そうですけど」
「いやー、聞いたよ? 同級生五人、一瞬で伸したんだって?」
「……えぇまあ」
なんだこの人……勢いが凄いな
「おっと、自己紹介がまだだったね。私は"青野 マドカ"! 一応、連邦生徒会の会長だね!」
「……マジ?」
「マジマジ!」
連邦生徒会って言ったら、キヴォトス全体の行政を行う、この都市の中枢を担う機関だ。そして連邦生徒会長って言ったらそこのトップ。ああ、だから見た気がしたのか。
……そんな人が、ね
「……それで、そんな人が何故僕に?」
「あ、そうだった。単刀直入に聞くけど、君さ、何か不思議なチカラ持ってない?」
「────」
「今回の件だけど、ヘイローを持ってない子がヘイロー持ち五人を伸したってことが、ちょっと不思議でね。事が起こった現場に私も足を運んだんだよね。そしたらさ、私が見たことのないチカラが使われた痕跡があったんだ。……キミでしょ?」
……驚いた。まさかバレるなんて
「よく分かりましたね」
「あ、やっぱり? いやー! これで違ってたら恥ずかしかったよ!」
「はは、いや本当に。まさか分からないだろうと思って処理しなかった残穢を見破られるとは」
爪が甘かった。いや、まさか見破られるなんて夢にも思ってなかった
「残穢?」
「僕が持ってる力を使う時に残る、まあ痕みたいなものですよ」
「ふーん……。因みに、詳細とかって教えてくれる?」
「あーまあ、ある程度なら」
「やった! じゃあ早速教えてくれない?」
「僕が使う力っていうのは、呪力というものです。人の負の感情から生まれる負のエネルギー。それを捻出し、自身を強化する事ができます。強化できる量には個人差がありますが」
「……なるほどね。つまり君はそれを使って彼女たちを伸したと」
「まあそうなります」
あの記憶で得た知識。それを利用して得た、僕がこの世界で生きていく術。まさかこんなに早くバレるとは
「うーん……よし分かった! ユウタ君さ、連邦生徒会来ない?」
「────。は?」
何言ってるんだこの人。思わず間抜けな反応したぞ
「え、いや。本気ですか?」
「本気と書いてマジ。だって、あんなこと起こっちゃったし、あの学園には居づらいでしょ?」
「それはまあ、確かに」
「それに、成績も優秀らしいじゃん?」
「い、いやいやいや。まず僕はまだ中学生、それも一年生ですよ? 無理でしょ。普通に考えて」
「あっ、そうか。ユウタ君まだ中学生か」
この人忘れてたな?
「うーん。あ、じゃあ高校生になったら入ってよ! それなら良いでしょ!」
「いや、えぇ」
「お願いだよー! 多分次の生徒会長は私の妹だし、補佐が欲しいのー!」
「くっ……。わ、分かりました、分かりましたよ!」
「やったー!」
「はぁ……」
勢いに負けて引き受けてしまった。昔から押しに弱いんだよなぁ
「じゃ、改めて宜しくね! ユウタ君!」
手? ……ああ、そういうことか
「……宜しくお願いします。先輩」
そう言いながら、僕は彼女の手を握った
「なんとかこっち側に引き抜けた……良かった良かった。あんな力、あいつらが何もしない訳ないからね。……まったく、厄介だよ。ゲマトリアは」
───青野 マドカ
・勝手に生やしたオリキャラ。みんな大好き某連邦生徒会長の前任であり姉である。結構強い
───乙骨 ユウタ
・ヘイローを持っておらず、通常であれば普通の人間と同じくらいの耐久性しかない。ただし、自身を強化できる呪力を使用することで、ヘイロー持ちをも上回るスペックを持っている