「なるほど。コンパスも持たずに砂漠に……。遭難からは現在一週間経っていると」
「はい。おそらくすぐに帰ってくる予定だったと思いますが……」
「ふむ……なぜ、そんな事をしたのか心当たり等はありますか?」
「それ、は……」
「……。いえ、大丈夫です。理由は見つけてから聞いた方が良いでしょう」
「……はい」
アビドス生徒会の小鳥遊さんから話を聞いたが、会長の梔子さんはコンパスを持たずに砂漠に行ったらしい。水等は持っていったらしく、恐らくは近場の探索をしてすぐに帰ってくる予定だったのだろう。……だが
「少し不自然……か」
「やっぱりそう思う?」
「うん」
「不自然……ですか?」
小鳥遊さんが不思議そうだが……普通に考えて、砂漠の脅威をよく知っている者が、近場の探索だからと言ってコンパスを持たないなんてことがあり得るのだろうか。小鳥遊さんの話を聞けば、梔子会長は少し抜けている所があるらしいが、流石にコンパスという命綱を忘れるのか?僕からすれば、少し不自然だ
……と言うのを、小鳥遊さんに伝える
「……なる、ほど。確かに……?いや、ユメ先輩なら……」
「……まあ、一先ずは彼女を見つけることが先決です。地図等はありますか?」
「あっ、はい。丁度今……」
ここまで話したが、これはあくまで僕の感じたことでしかない。決めつけは良くないだろう。それに、彼女の失踪から一週間が経っているという。普通の人間が水無しで生きられるのは四~五日程。ある程度の水を持って行っているから何日かは猶予が増えるだろうが、そろそろ危ない。一刻も早く彼女を見つけなくては
「これです。印が着いている所が既に探した所です」
「……ふむ」
小鳥遊さんが出してくれた地図を確認する。既にかなりの範囲を探している。ただ、それでもアビドスの砂漠は広大だ。まだ探していない所は多くある。間に合うか……?
「んー……ホシノちゃん」
「は、はい?」
「ああ、ごめんね。ホシノちゃんって呼んでも大丈夫?」
「構いませんが……」
「ありがと。最近、砂嵐ってあった?」
「最近……いえ、ここ一週間は。だから毎日探しに行けたんです」
「ふむふむ」
「そんな事を知ってどうするんだい?」
「ん?いやさ、ユウタってなんか私たちの力の……残り香?だっけ。そんな感じのやつ探せなかったっけ?」
「……ああ!」
すっかり忘れてた。そういえばそうだった!僕ですら忘れてたのによく覚えてたな!
「小鳥遊さん」
「はい?」
「なんとかなるかもしれませんよ」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ。早速探しに行きましょう。準備を」
「は、はいっ!」
そう返事をして、ドタバタと教室から出ていく小鳥遊さん
「……にしても、よく覚えてたね?」
「うん?……ああ。ユウタの事は大体覚えてるよ?」
「えぇ……」
えっ、なんか。えぇ……?
「ちょ、なんで少し引いてるの!?」
「いやだって、ちょっと……」
「た、対策用だから!変な意図とかないから!」
「準備できました!」
「よし、行こう小鳥遊さん。あっちの奴は置いていって良い」
「え、えぇ!?」
「ちょ、ちょっと〜!待ってよ〜!!」
久しぶりの投稿が繋ぎでスマン……