魔神ちゃん止まって!/錬金の魔女と魔神ちゃん:第一章は「1滴の泥を落とされた楽園の中であっても」   作:電子サキュバス

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キスアの本棚(設定):変性動物 アカラ・ルラクルタ

 

魅了する怒り。猜疑の獣。

疑うことを強いる。 

 

 その姿は四足の獣、草食の獣に良く似ていて、しかし頭部には無数の刃が突き出ていた。否、頭部にあたる首から上が全て刃でできていたというべきだろうか。

 

 体表は毛皮に覆われていて、一部剥がれている箇所がある。そこからは血が流れ出し、肉と金属が露出していた。金属は蒼く発光し、血はやや黒い赤であった。

 

 その場を動くことはなく、突然現れる。自ら攻撃を仕掛けることはないものの、その血は人の心を掻き乱し、狂わせた。

 

 蒸発した血を浴びる。呼吸により取り込む等、体にその成分を取り込むとその者に、全てに対する疑心を噴出させる。

 

 何も信じられるものが無くなり、自身さえ、記憶さえ。もはやどうしようもないくらいに、許せなくなってしまう。揺るぎないはずの地面は沈むように感じ、唐突に崩れ落ちるかのようにその心を不安定な物にしてしまう。

 

 狂乱に陥ったものがさらに肉体を傷付けることを目的とし、血を撒き散らさせ、狂奔した者を使い血の効果を拡大させる。

 

 自身の知覚するものが全て疑心の渦に呑まれた時、空間全てを飲み込む。

 

 飲み込まれたものは広大な異空間で疑心による殺し合いを行い始める。疲弊し最後の一人となったものも狂気によって自害し、全て死に絶えたとき、異空間は閉じ、異の中へ消えていく。

 

アカラ・ルラクルタは製作者によって「遠くを見て想う」の意味として名付けられた。実態と挙動の相違はなにを意味するのだろうか。

 

ロアーズの一体であり、製作者不明。キスアの本棚にて眠るお伽話にて記載のある存在。

 

ロアーズ……ロアーは以下の意味を持っている。

ほえる,うなる;轟く,ごうごうと鳴る;(乗り物が)轟音を立てる,大きな音を立てて動くなどの意。

名づけ=製作者だが、その存在を知る者は今のところいない。

 

自然進化ではなく、外的要因により変化させられた生物群。

 

ロアーズの特徴として、斬撃、物理的な打撃、といったものは硬い金属のような骨格により効果が薄いことにある。そして、効果範囲は、半径50メートル程度。しかし、歩いたり走ったりしない代わりに異空間移動によって瞬間的かつゲリラ的に現れる特徴がある。

 

キスアたちの世界のモノが材料として使われている。感情はなく、生物として必要な物を限りなくそぎ落とされた生物であり、非生物な存在。

心臓があれば生き物なのか?血が出れば生き物か?細胞群でできていれば生き物なのか?代謝すれば生き物か?繁殖すれば生き物か?

 

機能だけを見れば生き物と定義できてしまうそれは……それでも製作者が居て、意図をもって作られ、その意図通りにしか挙動しない。

 

アカラ・ルラクルタは、夢を見るが。その夢は実態を伴い、異空間に現れる。

その夢に、体液を付着させたものを転移させて、殺し合いを強制させる。あくまで人間たちを対象にして、人間たちの意志で行わせる。

精神を穢し、心と文化と、尊厳を崩壊させる。記憶はそのまま、相手を、敵として認識させることに使われ、肉体は他者を傷つけるために行使させる。

制作者の名づけの意味と、活動理念の相違に、別人を思わせるが、本人はきっと、至って真面目だろう。

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