魔神ちゃん止まって!/錬金の魔女と魔神ちゃん:第一章は「1滴の泥を落とされた楽園の中であっても」   作:電子サキュバス

23 / 48
ep18:デハルタの思考:チャネライトについて

 ボっクが依頼を出した協会、「魔女の集会(ヘクセンナハト)

 ボっクの「チャネライトを取ってきてほしい」という依頼が受理されていたから、ついでにミタル・ウィフオンス山の6合16番坑道、『力源(りょくげん)(いわや)』に来たけど、どうやらボっクは『依頼を受けた者に会う』目的は果たせなかったと考えるべきだな。

 

 姿は見えなかったが、依頼を受けた者は恐らくハッピーレッドの愛玩生物に喰われていた。そいつの姿を見ることが出来なかったのは幸運か、不運か。

 どちらにせよ、あの咀嚼(そしゃく)音らしきものはレッドのロアーから発せられたものと見ていいだろう。ロアーズの悪辣(あくらつ)な性質は多種多様だからな、見ただけで発狂させられる個体だっていたし、見ただけではなんともない個体でも、油断はできないからな。今回あいつが使ったロアーズの情報を得られないのは痛いところだが、ボっクの時間を無駄にさせられなかっただけ良い。

 

 ハイドラが何の目的でレッドにそいつを殺させたのかは不明だが、ボっクの邪魔をしないでもらいたいものだ。それとも、ボっクがあまりに役に立たないからそろそろ始末しておこうだとか考えているのか? 無駄だと言うのに……。

 あるいは、ボっクの目的に感づいてしまったというのなら相当に厄介、だがそれでもボっクは、目的を遂げるためならこの立場をすべて捨ててでも動き続けるだけだ。

 

 なんにせよ、種をさらに撒くことを視野に入れなければならないか。打てる手は打つ、付け入る隙はあらゆる方面から探り、作っていくしかない。頼れる者なんか居なくても、利用できる者がいればそれでいい。この世界で唯一友人になれる者がいるとしたら、エレムリアスしかいないだろうが、彼女はもういない。代わりにキスアならとも思うが、頼りない。それを何とかするのもボっクの種だな。『手』という意味でも、『悩み』という意味でも。

 

 チャネライトは仕掛けたままにしても良いだろうが、できればキスアに取って来させることが次の理想だな。彼女が持つことに意味があるからな。あれにはボっクの記憶と思考を写してある。手に取ってもらえばそれでいい。

 

 ボっクの行動は監視されていると考えなければならない。悟られるわけにはいかない。直接の交流はなるべく避けるべきだ。目的を伝えるのも危険行為。遠回りだが、警戒されてはお終いだ。一度きりだと思わなければ……。

 

チャネライトは、この世界には無い鉱物だ。

ボっクの世界から持ってきた。ただ、それを知る者は誰もいない。誰にも話すことはない……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。