パヴァーヌ編も終わりが見えてきましたし、できる範囲で更新頑張る所存です
「状況は?」
「最強の助っ人がやってきたので非致死性の制圧を試みます。多少傷つけちゃっても直るのでちょい手荒でも構いません」
「なるほどねぇ......」
そんな感じで情報共有中にも死角へ絶え間なくよく分かんない兵器の類が生成され続けていますが、完全な機能を有する状態に至る前の段階でノールック射撃の餌食になっています。ネルパイセンといい最強格の皆さんは勘もよろしいようで(白目)
「相手方の手札は......まあ、見ての通りかな」
「そっすね(諦め)」
『......データベース照合。アビドス高等学校3年、小鳥遊ホシノと一致───警戒度を極大に設定』
どうやらKeyも事態を把握したようですね......今、相対している存在が何者であるか。
「こちらキヴォトス最強と名高い、私の友人でもある小鳥遊ホシノさんです。
「うへぇ......逃亡中に三下ムーブにも磨きがかかったみたいだね」
"チトセがすっごい良い笑顔してる!!"
『───本当に、この人は......』
おや、なぜ頭を抱えるんですか?私は真剣ですよ。
「さてと......約束を果たす時が来ましたよ、Key」
『......』
「私はね、呼吸をするように嘘を吐きますが───約束は守ると決めているんですよ。
その相手が誰であれ、どんな状況であってもね」
『───私を止めるつもりですか、チトセ』
「それが私の果たすべき役割で、負うべき責任ですから」
『ふん......』
Keyと交わした「事が終われば私が片を付ける」という約束。
先生と交わした「誰も悲しまない結果になる」という約束。
その両方を叶えるため、今日までコツコツと準備を進めてきました。
「今からごめんなさいの準備をしておくことですね。
───私も、一緒に頭を下げてあげますから」
◇
「───1番併せ」
「りょーかいっ!!」
『......っ』
一瞬の交錯。
中距離から牽制射撃を行い、至近距離で強力な攻撃を同時に叩き込みつつ離脱。
弾丸は情報値の書き換えにより着弾することはありませんが......
(生成はやっぱり
「......防御している間は生成が止まる感じかな?」
「現状だとそんな感じの認識でおkです」
例えば盾のようなものを生成してガードすれば、或いは情報値を僅かに書き換えて受けるダメージを軽減させ余剰演算領域で攻撃に転ずれば......みたいな感じの事もおそらく可能ではあるでしょう。
前者は私たちが逆に利用するので、そして後者は一部被弾するのでどちらもKeyにとってハイリスクですが一応想定しておくべきでしょう。
「拳は通る?」
「出たよ初手脳筋......」
これだからアビドスは......みたいに言われるんですよ()
まあ多分通るんですけどね。
「諸事情あって長期戦は避けたいので───」
「
「───一発キツイの喰らわせてやって下さい」
「りょーかい」
「あと先生はホシノさんの援護オナシャス。私にはシッテムの箱の演算領域を少し貸してもらえると助かります」
"おっけ!!"
ちな現在もこの箱舟絶賛移動中です。目的地はおそらくミレニアムサイエンススクールの中心部ですかね。
もし到達されるとリソースバイキング状態でパワーアップされる可能性がね......
なんかこう、某120m級巨人さんを相手にしている気分です()
「そちらに合わせるので、
「そっかそっか......なんだか、一年前に戻ったみたいだねぇ......」
握り込まれた指貫グローブの合成繊維が僅かに軋む音。織り込まれた宇宙戦艦の装甲板は獣の眼光のように、その黒い生地の下から陽光を反射しその存在を主張します。
まさか、製作から2年経ってようやくその本来のスペックを活かせる日が訪れることになるとは思いませんでしたが。
「じゃあ行くよ───ッ!!」
「いいよ、こいよ───!!」
『......いつでもどうぞ』
◇
これまで私は数えきれないほど喧嘩を売ったり買ったり仲介したり転売したりしてきましたが、そのどれも楽しんでいました。
今回もまた楽しむことが1つの目的として存在するのですが───残念ながら、舐めプもできませんしゆっくり楽しむ時間的余裕はありません。
という訳でね、最初からフルスロットルで行きます。
「Imitational-Protocol:ATRAHASIS......」
『───させな』
「君の相手はおじさんだよ~」
『くっ......』
Keyは壁を生成することで演算領域の消費を抑えながら防御しこちらに妨害を行おうとしますが、突撃してくるホシノさんを前に否応なく迎撃を強いられます。
対してホシノさんはというと背丈ほどの高さになる壁を拳でブチ破り、盾を用いて破片を散弾銃のように撃ち出します。やっぱ1人だけ戦い方おかしいって()
「ほい準備完了、アロナちゃんもありがとね」
生成したのは、酷く不格好な"砲"。
過剰にも思えるほど肉厚な砲身と、後端から数割ほどの長さだけ一回り太くなったパイプのような外見。
大型化した
「
『───マズいッ!!』
何がまずい?言ってみろ()
「
『くっ......』
「あっ、ホシノさんは避けてくださいね。適当に炸薬は1kgくらいで......どわ────!?!?!?!?(大横転)」
『───ッ!!!!』
なんだこのクソデカ反動!?!?!?!?神秘とか恐怖とか一切込めてないのにバカみてえな反動で吹っ飛びましたが!?!?!?!?
あっ、Keyも壁で防ごうとしたけど全然強度足りてなくてしっかり被弾してら。まあなんか当たったしヨシ!!
「ちょっと、大丈夫!?」
「ご心配なく~」
いやぁこれ威力パネェっすわ。たぶん小型版でもホシノさんのバフ込みパンチくらいの破壊力ありますわコレ。
『......なるほど、自身の行動をトリガーとした現象であれば"不運"の効果範囲は拡大可能なのですね』
「そゆこと。これまでは携行性の面で実戦投入してなかったけど、Imitational-Protocol:ATRAHASIS───長いからプロジェクトの時に使ってたI.P.Aって名前で呼ぶわ。これのお陰で一気に実用的になったんだよね」
『その割に反動でひっくり返っていましたが』
「うっせ!!実戦で使うの初めてなんだから仕方ないだろ!!」
さて、一応ライトガスガンについて説明しておきましょうか。
めっちゃ簡単に言えばクソデカ空気銃。パイプの両端に弾詰めて棒で押し込むアレです。
異なる点は大量の炸薬でピストンを動かす点と、中に詰まっている気体が空気ではなく水素であるという点です。
実は通常の銃弾にはどんなに炸薬を増やして銃身を長くしても弾速に限界が存在します。まあ幾つか理由は存在するんですけど主な原因は炸薬の燃焼ガスにも音速、つまり圧力伝播速度に限界が存在するという点なんですね。
銃身内で一瞬この速度を超えても加速度効率が一気に落ちてしまい、他の点を色々と工夫しても秒速2500mくらいで頭打ちになってしまいます。
ここで昔の頭のいい人はひらめきました。
───ほな、圧力伝播速度の高い気体をめっっっちゃ圧縮して一気に開放したらすげえ加速するんじゃね?と。
軽い気体ほど音速は速く、最も軽い水素を用いた場合の初速理論値は11km/s。今回だと弾体重量100gで炸薬量1kg、水素ガスをまあ......なんか適当に詰めた感じで。
以前同じ実験した時は9km/sくらいに達していましたね。
とはいえ、そんな超絶圧力が加わっている状態で「n(任意の定数)MPaぴったりで破断して圧力開放しまっせ!!」なんて便利で話の通じる構造の物体なんて現実には存在しません。
故に破断弁くんの気分次第で初速から射程までコロコロかわってしまう気まぐれ兵器に過ぎず、キチンと初速を計算で導き出せるレールガンと異なり実用性どころか発展性すらなかったんですね。
───だが、今は違う!!"不運"により初速を安定させ超長距離狙撃を行い、I.P.Aにより低レートではあるものの連射すら可能にしたのだ!!
「ほいもう一発───ッ!!どわぁ!!!!!!(大横転)」
「よし、じゃあおじさんも張り切っちゃうぞ~!!」
『このッ!!』
回避を選ばず全周に分厚い壁を生成。まあ中途半端に避けようとしてうっかり直撃もらえば負けちゃうし選択肢としてはアリかな。
立ち止まって演算領域全てを情報値の書き換えに利用するつもりでしょうが───
(今回に限っては悪手だよ、Key。なにせここには───)
「神秘開放───ちょっと痛くしちゃうよ」
『───あ』
───ここには、
戦車の正面装甲レベルの分厚さを誇るその障壁を第一の拳が打ち砕き。
───第二の、そして最大の威力を有する右レバーブローが容赦なく突き刺さった。
ライトガスガンというか空気銃は簡易的な物でも予想外の破壊力を発揮することがあるのでよい子の皆さんは作っちゃだめだぞ!!
ゴム栓を詰めて発射して戸棚のガラスを破壊したお兄さんとの約束だぞ!!
あと感想お待ちしております(定期)
次に書くかもしれないもの
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アビドス編
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アビドス(過去)編
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エデン条約編の後