あれは嘘だ
"くっ、逃げられたか......"
「ちょっ、先生走るの速いって......」
「お姉ちゃんが運動不足なだけでしょ」
「はあ!?最近はリングフットで鍛えてるんだけど!?」
呼吸をするように煽り合いから喧嘩に発展した2人を尻目にシッテムの箱を操作する。
......だめだ、生徒であれば誰であれ追跡できるシステムのはずなのに、彼女はすぐに追跡不可と表示されてしまう。
かと思えば今回のように探知に引っ掛かることもある。あの子の存在は謎だらけだ。
七囚人が一人『感興の瘋癲』の二つ名を持つ生徒、西水チトセ。
肩口で切り揃えた艶やかな黒髪と、洞を思わせる漆黒の瞳。
そして、毎日が楽しくて仕方がないと言いたげな屈託のない笑みが印象的な生徒だった。
元アビドス高等学校生徒会書記であり、その異質さと行為の危険性により七囚人の中で最も危険とされる生徒。
───罪状は、複数生徒の拉致監禁及び身体的苦痛を伴う人体実験。
とはいえ、私にとっては一人の可愛い生徒だ。
ヴァルキューレは取り調べに関する資料を開示してくれたが、チトセが自白した内容は罪状の確定に必要なものだけで具体的に何をしたのかを知ることは出来なかった。まるで本人がそう誘導したように。
それは今も同じで、何度か顔を見る機会こそあれ尻尾が掴めない。
......ただ一つ断言できることとして───
"今度は一体、何をしでかしてくれるのかな......?"
「......なんか先生ちょっとキレてない?」
「......私たちのせい?」
あの子は盤上の駒でもなければプレイヤーでもない。
後ろからジュース片手にニヤニヤ眺めて好き勝手にヤジを飛ばし、気に入らなければゲーム盤ごとひっくり返してさっさと帰る問題児だ。
キヴォトスに赴任した直後も、アビドスでもそうだ。彼女は散々引っ掻き回して一人で満足して帰る。
意識しているのか知らないが結果だけは割と悪くも無いのでなんかこう、もやもやする!!
......やはり彼女とは一度、大人としてしっかりと"お話"する必要がある。
"次は逃がさないからね......チトセェ!!"
「お、落ち着いて先生!!」
"寄り道しちゃってごめんね。目的地に向かおうか"
「うわぁ!!急に落ち着かないでよ!!」
◇
「っぶねえな先公がよぉ......出会う度にちょっと"消耗"させられるの腹立ってきたな。
次に顔見せたら防犯ブザー鳴らしてやろうかな変態糞教師が......」
廃墟の奥底へと足を踏み入れるゲーム開発部&先生を物陰から監視しつつ悪態をつく。
それにしても......
「なんか、早くないか?」
時計仕掛けの花のパヴァーヌは始まったとみていいだろう。
つまりアビドス編は既に終わった......ってコト!?想定の半分くらいなんだけど!!
まあでも、ユメ先輩居るし原作よりもホシノさんは強くなってるから当然かも。
今のアビドスに必要なのはキッカケと後始末だけ、先生は問題に対する起爆剤兼消火器ってこと。
今頃カイザーはアビドス本校舎と共に砂の海に沈んだに違いない。南無~
「......おっ、入り口見つけたなありゃ」
はえ~あんなところにあったんすね(驚嘆
先生たちよりも早くアリスちゃんと接触してデータ取りたかったんだけど一般人でしかない私では位置が特定できてなかったんだよね。
私も超天才清楚系病弱美少女ハッカーとの伝手が欲しいナリ......
まあそんなこんなで先生たちの後をつけまして、時々後ろからやってくるオートマタ共を蹴散らしつつ様子を窺います。
お、あれ入り口じゃね?っしゃギリギリまで近付いて滑り込むぜぇ!!
《――対象の身元を確認します。才羽モモイ、資格がありません》
《――対象の身元を確認します。才羽ミドリ、資格がありません》
《――対象の身元を『先生』と確認しました。資格があります》
ヨシっ!!(指差し確認
連邦生徒会長とも関わりがあるからなーんか問題とか起きないか内心ひやひやしてたけど、大丈夫そう!!
さてさて、アリスちゃんを一目みてから先生が帰った後にケイちゃんとお話を───
《――──対象の身元を確認します。西水チトセ、一部の資格を有しています》
───シッテムの箱の中から、笑顔で青封筒を叩きつけてくるクソガキ。
「引っ掛かってやんのーw」みたいな笑い声が聞こえた気がしましたねえ(走馬灯
"チトセェ!!!?!?!"
「アイエエエ!!!?!?!?!」
ガバ!!圧倒的ガバ!!!!
プロットないよ書き溜めないよ更新不定期だよ!!
ちなみにチトセちゃんは生粋の享楽主義者で戦闘が大好きな研究者です
このカスに善性を期待してはいけない
次に書くかもしれないもの
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アビドス編
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アビドス(過去)編
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エデン条約編の後