私としてはプロット崩壊の可能性が頭をちらついていたので気が気じゃなかったんですけど、今のところは何とかなりそうで一安心です
「......詳しく、聞かせてください」
「それじゃ順番に説明するね」
「......ミカさん?」
「チトセちゃんと先生を呼ぼうって言いだしたのは私なんだから、ちゃんと私から説明するよ」
「......分かりました」
......なるほど。
原作においても先生を呼ぶ提案をしたのはミカさんであり、始めは反対する立場であったナギサさんを説き伏せたという流れだったはずです。
もちろん状況は異なるでしょうが、今のミカさんにとって"先生と私が居る"という状況が好ましいと。
(先生から"セイアちゃんが居ない"と連絡を受けて
だって、ほら。
「......セイアちゃんは、ヘイローを壊されたの」
───ミカさんの目は、こんなにも力強く透き通っている。
(この状態の彼女を止めようとは思えませんね。私にできるのは、彼女が信じた選択が間違いとならないように支える事だけでしょう)
「チトセちゃんはエデン条約について
「おおよそは」
「一応は機密情報なのですが......」
「ま、チトセちゃんの事だから知っている可能性の方が高いと思っていたけどね。
......たぶん、セイアちゃんはエデン条約の締結を妨害しようとする勢力に襲われたんだと思う」
(
「......その容疑者、あるいはトリニティ側のスパイに類する存在である可能性を持つ生徒。
そういった生徒を補習授業部という箱に集めた、ということですか」
「その通りです。一ヵ所に集めておけば監視も容易ですし、万が一の場合はまとめて
「ナギちゃん......」
補習授業部の本質は、シャーレの先生という超法規的権限を組み込んだ例外処理場です。
仮に先生かヒフミちゃんが"トリニティの裏切り者"を見つけ出したとて「はい解散」とはなるはずもなく、いいとこエデン条約締結完了まで軟禁でしょう。
無論、見つけることが出来なければ全員退学です。ナギサさんにはそれだけの「
(以前の
「ナギサさんは、セイアちゃんを襲撃した犯人についてどの程度情報を持っていますか?」
「......現状、正義実現委員会の報告待ちと言ったところです。個人的に人員を動かしていますが芳しくなく......」
「なーるほど......」
ミカさんが一枚噛んでいるのはほぼ確定。ナギサさんは本当に何も知らないというか、原作と同様と考えても支障はないでしょう。
私の過去の行いが悪い方向に作用しない事を祈るのみですねクォレハ......
「この話、先生にはいつ伝えるんですか?ずっと隠したままって訳にはいかないでしょう?」
「補習授業部が正式に発足してからになるかなぁ......万が一、このことを知って先生が降りちゃったら計画が全部ダメになっちゃうし」
「ま、それが妥当ですかね」
ナギサさんには後で個人的にモモトークで連絡を取るとして、ミカさんは......うーん()
顔見て話さないといけない事っすよねぇ......
これ以上関わっても彼女にとって悪影響を及ぼす可能性が高いというか、悪い大人の代表例みたいな存在ということは自分でも重々承知しているので気が重いナリね......
───とはいえ、もう二度と
老骨に鞭打っていっちょ頑張りますかねぇ。
「要件は以上ですかね。この話を聞いた以上は色々と動かなきゃならんので、そろそろお暇させて頂きたいんですが」
「え、ええ。お時間をいただいてしまい、申し訳ございません」
「あっ、後で少しだけ時間もらえる?」
「おかのした!」
さーて、鬼が出るか蛇が出るか。
この時点で正直かなり不安ですが、更なる不確定要素がこの問題の裏に存在するんですよね......
───その名はアリウス分校。歴史の荒波に掻き消された被害者であり、復讐の螺旋の終端であり、悪い大人の直接的被害を現在進行形で被っている子供たち。
どうあっても騒動の渦中から逃れられない彼女たちは、今何をしているのでしょうか───
◇
「......何を見ている?」
「あっ、リーダー。
「はぁ......」
差し入れ、と呼ぶにはいささか語弊がある。これはあいつなりの"誠意"という物なのだろう。
「今となっては、"シュークリーム美味しい!!シュークリーム美味しい!!"と目の前で頬張りながら煽られたのもいい思い出、ですね......」
「あの時のお前を止めるのはかなり骨が折れたんだがな......」
「ずっと食べたかった伝説のスイーツを、目の前で見せつけるように食べ尽くされたんですよ!?」
「そ、そうか......」
ひとしきり煽った後に「なーんてね、ここに全員分あります」と宣いながら例のゲートから大量の箱を取り出さなければ、あの場は血の海と化していただろう。
無論、
「......ところでアツコを見ていないか?」
「姫ちゃんですか?さっきあっちに......あっ」
「(スッ)」
左手には分厚い装丁の本。右手には───何かを隠している。
「(スーッ)」
「......屈めばいいのか?」
「(コクリ)」
「......姫?一体何を───!?」
帽子の上から被せられたそれは確か───
「───花冠、か?」
「(フンフン)」
「シロツメグサと、他にも綺麗な花がいっぱいです~!!」
「その、こういったものは私には......それこそ、アツコが───」
「(フフン)」
「───お揃い、か。一本取られたな」
「え!?私の分もあるんですか!?」
「......全員分あるよ」
アツコの背後から現れたミサキは───どこか疲れている様子だった。
その頭に乗った花冠と、ブーツの各所に付着した土埃から推察するに......
「アツコの傍に居てくれたのか、助かった」
「......最近の姫は、放っておいたらどこでも一人で向かっちゃうから」
「(...フイ)」
今まで考えられなかったそれは、外では"日常"と呼ぶらしい。
外の生活なんて知っているだけ。学生生活なんて送りたいと思う権利すら踏み躙られた。
チトセはそんな現状を目の当たりにして、私たちが逆らおうなどと一度も考え付かなかった"彼女"を前に言い放った。
"くだらねえ"、と。
捲し立てるように、ただ相手を煽り激昂させるための話術だと後に語っていたが失言と隙を生じさせるという明確な目的があった事を私たちは知っている。
そして、彼女は───それらの言葉を受け額に青筋を浮かべながらも手を出すことはなかった。無論、私たちへ攻撃の指示も命じることなく。
......ただ、その場を立ち去ったのだ。
("戦ったら普通に負けるもんなァ!?いやー負けると分かってるからガキどもの前でおちおち煽りに乗ることもできねェ!!弱い大人ってのは大変だねェ!!何も生み出せねえおめーはどこまで行ってもゲマトリアのお荷物、所詮は敗北者じゃけえ!!"などと......よくもまあ、あそこまで口が回るものだと素直に関心したものだ)
それからチトセは頻繁にアリウス自治区へ顔を出すようになった。
ベアトリーチェの抑圧に対し音もなく背後から現れると、無駄によく回る舌でしつこく煽る。
目の前でそのやり取りを見せつけられるこちらの胃が縮こまるほど、執拗なまでに小言を突き刺すのだ。
そのうち、アリウス分校の敷地内であればベアトリーチェが私たちの行動に口出しすることは無くなった。
チトセ曰く、言われっぱなしで手駒である私たちにナメられることを避けたかったらしい。どこまでも器の小さいババアだと、どこまでも響きそうな大声で笑い飛ばした彼女の姿は鮮烈で───
───反対に、スクワッドの皆を守る事すらできなかった自分の惨めさが、照らし出されて際立つようだった。
チトセは煽り全一なのに実力も伴っているのでベアおばはピキピキよ......
血圧上がってそう(小並感)
次に書くかもしれないもの
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アビドス編
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アビドス(過去)編
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エデン条約編の後