ここまでが長かった......
「......あのぉ......」
「───何でしょうか、チトセさん?」
「アッイエナンデモナイデス......」
どうも、正座開始から一時間が経過し足が限界に近い西水チトセです。
そろそろ許してクレメンス......と言いたいとこなんですが顔を上げると涙目のナギサさんと目が合っちゃうんですね。
左からティーパーティー、ティーパーティー、七囚人。
三人はどういう集まりなんだっけ......?(ガチ困惑)
「い、一旦休まない?ほら、ナギちゃんも色々バタバタして最近よく眠れてなかったみたいだし......」
「......誰のせいだと───」
「うっ......」
「───スン」
あーもう男子ィ!!ナギサちゃんまた泣いちゃったぢゃん!!
「......セイアさんが、ヘイローを壊されたと聞いて。次は私だって......」
「ナギちゃん......」
「───とても、怖かったんです。でも、その
「......」
「それだけは駄目だ......って───」
原作と比べれば、補習授業部への直接的な加害はほぼゼロ。第三次試験前の対話がありませんでしたが、その代わり(?)に面談がありました。
ある程度ナギサさんの現状も把握しているのであちら......主にハナコさんも許してくれるのではないでしょうか。
原因お前らだしマッチポンプだろって?それは言わないお約束ということでな......
「......チトセ?」
「ああ、何でもないですよ。とりあえず日を改めませんか?」
「......そうだね。私とチトセちゃんはほら、見ての通りだし───」
「......」
私とミカさんはまあ......アレです。負けることは無いとはいえ、二人であれだけの人数を相手にしたら色々汚れるじゃないですか。
汗とか土埃とか、硝煙とか......あとは返り血とか。
花の女子高生が匂わせる香りじゃないので、さっさとシャワー浴びたいという本音がミカさんの目から伝わってきます。
「......スンスン」
「ちょ、ちょっとナギちゃん!?今はその───ッ!!」
「......ミカ、もう少し......」
「もー!!」
......じゃ、後は若い三人でゆっくりとな。
おじさんはクールに去るぜ───
「......チトセさんには、後日こちらから伺いますので」
「アッ、スゥー......ハイ」
めっちゃ目据わってて漏らすかと思ったンゴ......
◇
「というわけで皆お疲れ様!!最後だし腕によりをかけて作ったよ!!」
"───え、普通にスゴくないこれ......?"
「て、手作りなんですか!?これ全部!?」
「な、なんか雑誌とかで見るレベルの料理じゃない!?」
「......昨日の夜に姿が見えなかった理由はこれでしたか」
「......!!」
祝いの席ということでね、ローストポークを用意してみました。
下準備にアホほど時間が掛かりますが、最後の焼く工程は割と短時間で済みます。
ちなみに、こういった場合はローストチキンの方が一般的なんですけどトリニティなのでね。
昔にゲヘナのトップがトリニティのお偉いさんを呼んだ式で、挑発の意図を込めてチキンを提供したという話がありまして。
こういう文化的対立と皮肉の応酬、欧米の悪いとこを完璧に再現しなくても......
「デザートにはチーズケーキも用意してありますからね、別腹は空けておいてくださいよ。特に先生」
"これすっごい美味しいんだけど!?もう店開きなよ通うから!!"
「あっ駄目だこの人全然聞いてねえ」
「あ、あはは......」
ローストポークって食べる場面少なすぎてめっちゃ高い印象あったんですけど、買ってみたらそこまででもないんですよね。
今回みたいに適した調理設備が無いと面倒な食品ではありますが。
機会があればハルナさんにご馳走して感想を聞いてみたいものです。
"美味い!美味い!美味い!"
「せ、先生......?」
「あらあら、肉欲に負けちゃったみたいですね♡」
「!?エッチなのは駄目!!死刑!!」
「......?」
......なんだかんだ言って、この別館での生活も最後まで健やかに───そして賑やかに過ごすことが出来ました。
補習授業部の正式な解散はまだ先の事ですし、解散した後もまた会うことはできます。
それはそれとして、この共同生活は本日をもって終わりです。
(寂しい、だなんて言ったら不謹慎ですが。実際トンデモ試験で退学の危機に陥った彼女達は大変な状況だったわけですし......それでもまあ)
「......」
「ちょっと寂しいって顔してますね、コハルちゃん♡」
「は、はぁ!?別に寂しくなんか......これからも何度だって会えるし、別に......」
「......ええ、その通りですね。
「───牢屋の外で、よね?」
「......(明後日の方向を向く)」
私みたいにフラフラして行方を眩ませたり独房にブチ込まれたりしなければ何時でも会えますからね!!いやーよかったよかった!!
......いや今更ですけどほんとホシノさんのブチギレが当然すぎて呑気にアビドス行ったのアホすぎやろと(今更)
ここまでの出来事は基本的にチャート通り、一番のチャート崩壊危機がアビドスでの一件でしたからね。
あの状況では、今の私でも逃げ切れるかどうかは運次第。ガバチャーの恐ろしさを身を以て体験しましたよほんと。
(ひとまず今日は飯食って休んで......明日以降のことは、明日以降の私にお願いしましょう)
"......ここに白ワインがあればなぁ"
「カスの大人すぎるだろ......」
◇
「クククッ、あなたほどの存在に興味を持っていただけるとは恐縮です」
【謙遜は不要だ。彼の者の成長に対し、お前の存在は必要不可欠であっただろう】
異形と無形。正反対のようでどこか似通った探求の化身たちは、誰にも悟られることなく言葉を交わす。
「......チトセ嬢の成長に対し、私が主張できる成果など微々たるものです。
云わば、添えられただけの左手のような存在ですので」
【だが片手で成し得られる偉業ではなかった。誇るべきだ、その名はキヴォトスの歴史に刻まれるであろう】
「歴史、ですか」
歴史に名を刻む。研究者にとってそれは時に自らの命すら容易く捧げられるほどの甘美な響きだ。
学問の礎となり、知の殉教者となり、後進の橋頭保となる。
たとえ全てを解き明かすのが己の手でなくとも構わない。歴史の一頁に、偉業の片隅にふと名が残されるような者でありたい。
知的好奇心と探求心に狂わされた、愛すべき愚か者の末路としては最上級のものだろう。
だが───それらが土台不可能な話であったとしたら?
「証明者よ、あなたに問いたい。私の───いえ、
【......ほう】
「その答えを紐解く鍵は......きっとチトセ嬢にある。彼女そのものが鍵なのだと、そう推測しているのです。
本人ですら知り得ないその本質に───」
【───我は、その問いに対する答えを持っている。だが、今のお前は答えを知る段階でない。
故に
「───!!お聞かせ願いましょう」
答えと呼ぶには迂遠が過ぎる抽象的なものであり。
ヒントと呼ぶには的確で直截的が過ぎる。
それは名も無き
【彼の者は〔
であれば、その在り方に敬意を払い異名を与えるのが礼儀であろう。そうだな───】
〈喪われし声を継ぐ無冠の王〉
【───これこそ、彼の者に相応しい名だろう。
訣別の日は近い。せいぜい無為に過ごさぬことだ】
掲示板回やって、二章の続きをちょっと書いてから本格的に第三章が始動します
お楽しみに!!
次に書くかもしれないもの
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アビドス編
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アビドス(過去)編
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エデン条約編の後