サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
堕天使からの襲撃を無事に乗り越える事が出来た。
だけど、その1件の後から、絶花の顔は暗かった。
「絶花」
「なんで、あんなに簡単に、仲間の、人の命を」
そう、絶花は、あの時の堕天使の行動が信じられなかった。
信じていた仲間を不意打ちで消すような真似。
沢山の友達が欲しがっていた彼女にとって、その行動は信じられなかった。
「それは俺にも分からない。だが、奴らにとって、堕天使は神器と呼ばれる物を集める事が目的だろう」
「神器って」
そう、彼女はその手に持つ刀に目を向ける。
「俺の持つ駒や絶花の持つ刀の事か?」
滅に対して、そう問いかけると。
「俺もまた、元々は宮本絶花の中にある神器が後に脅威になると判断され、こちらの世界に送り込まれた。
それに関する情報は、既に俺の中から消去されてしまったがな」
「それじゃ、これからも、これを狙って、狙われる」
その言葉に対して、絶花の表情は暗い。
「神器は、その力故に、多くの種族に狙われる。悪魔からも、天使からも、堕天使からも。その力が発覚すればな。それこそが、この世界の常識だ」
「そんな常識があるなんて、私は」
絶花は、そう呟く。
けど。
「それじゃ、次は京都に行ってみるか」
「えっ、全然気にしていない感じ!?」
俺の態度に対して、絶花は思わず叫ぶ。
「ねぇ、聞いていたの!さっきまで!私達、命を狙われているんだよ!」
「そうだな、だったら、俺達の方でも仲間を探さないといけない」
「仲間って」
そう、絶花は。
「無理だよ、平気で仲間の命を盾にするような堕天使がいるような世界で、普通は」
「そんな普通は知らん」
俺は、そう言った。
「俺は言ったはずだ。絶花が普通の友達を作れるようになるって」
「けど」
「何よりもな、普通なんていうのは、簡単に切り替われるんだよ」
「身も蓋もないよ」
そう、俺は言う。
「昭和の頃から見たら、今の時代なんて信じられないのが沢山ある。だったら、俺は俺が目指す王国にする」
「・・・太郎の王国って、何なの」
絶花は、そう呟く。
「くだらない国境を取り払い、世界をひとつに結び、疑いやいがみ合いや傷つけ合うことなく、格差を無くし、誰の子供も自分の子供の様に愛する世界」
「えっ」
「絶花の胸が大きいのやら、剣の腕が強いのだって、世界中の人の個性が合わされば、全然普通だろ、何よりも。世界中の人達と友達になるのって、面白いだろ」
そう、俺は言った。
「そんなの、普通じゃないし、常識じゃないよ」
「あぁ、今はな」
俺の言葉。
それに対して、絶花は。
「けど、それが普通になるんだったら、うん、良いかも」
「だろ」
そして、絶花もまた頷く。
「本当に、色々と変わった人間だ。それで、なぜ京都だと思ったんだ?」
「いや、なんか京都だったら妖怪がいそうだと思って」
「京都に?まぁ確かに」
「もしくは鳥取県」
「それは、あの漫画を見て、思いついたの」
「まぁね、恐山で幽霊とかどう?」
「うぅ、それは」
そうしながら、少しは元気になった絶花を見ながら、俺達は帰り道を歩いて行く。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王