サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
東京ネズミーランド。
本来ならば、絶花にとっては、憧れの地だろう。
だが、彼女自身、そこに来てみれば、少しだけ拍子抜けという印象が多くあった。
それでも、俺は。
「楽しかったな、絶花」
この一言が自然と出てきた。
既に東京ネズミーランドの閉園まで、俺達はネズミーランドを歩き回った。
確かにアトラクションだけではなかった。
園内には、見て回るだけでも楽しかった。
それは、普段の世界中を飛び回る俺達の旅ではない。
ただの学生のように、遊園地を楽しむ。
そんな雰囲気で、俺達は歩いていた。
「うん、そうだね」
それと共に、最初に見た雰囲気は、どこか柔らかくなっていた。
最初こそ、人混みの中で混乱していた絶花。
だけど、昼の食事を終えた頃から、少しずつだが緊張は解れていった。
これは、俺と一緒に行動しているからこそだろう。その証拠に、今は絶花の表情も笑顔だ。
「ねえ、太郎」
「ん?」
俺達は、すぐに夜道を歩いている。
明日には、絶花は念の為に実家の方に帰る。
幸い、転移の術はあるので、それ程時間は掛からずに早朝に東京に戻る事も可能だった。
だから、今夜だけは、ゆっくりと休もうと決めたのだ。
まあ、その前に、ちょっとした用事があるのだが。
そして、絶花はこう言った。
ゆっくりと歩きながら、東京ネズミーランドの近くにある港を眺める。
俺達の故郷にもある港だが、その田舎の港とは違い、東京の港は光輝くように綺麗だ。
その光景を見ながら、俺と絶花は一緒に海を眺める。
都会のビルの輝きや、車の流れなどを見ると、やはり違うものだ。
そう思っていると、ふいに絶花が言う。
「今日はありがとう」
「えっ? 何だよ、急に……」
「ううん、ただ、本当に嬉しくて」
絶花は、また笑った。
「私にとって、東京ネズミーランドに行く事は夢だったんだ」
「そうなのか?」
「うん、だって、東京ネズミーランドは、私にとっては憧れだったから」
「その割には、最初の方は楽しんでいないように見えたけど?」
「それは、まぁ、拍子抜けという感じはあった。だけど」
そう、絶花は、俺の方に見る。
「あなたと一緒にいたら、とっても楽しいから」
絶花は、はっきりとそう言ってきた。
「……俺も」
そう、絶花を見つめる。
互いに見つめる最中。
「ほぅ、まさかこんな所にいるとはなぁ」
突然、聞こえて来た声。
それに俺と絶花は同時に振り返る。
そっこには、見覚えのない奴らがそこにいた。
「宮本絶花、まさか、あの大剣豪の子孫がこんな所にいるなんてな」
見渡せば、こんな都会で派手な格好をしている奴らがいた。
その瞬間、俺達の表情は消えたと思う。
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