サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
ボンドルドと相対している言峰は、その手に持つ銃をゆっくりと構えていた。
周囲で、ジャアク・フロストと鎧の巨人。
二つの巨大な存在が戦っている。
一歩、間違えれば、踏み潰され、死んでしまう。
そのような状況でありながらも。
「さて、楽しむとしようか、ボンドルド郷」
「えぇ、始めましょうか、言峰さん」
互いに、まるで旧知の仲のように。
和やかに会話を行うように。
戦いが始まった。
「──」
ボンドルドの仮面。
その紫色の仮面から放たれた光。
それらは、言峰に向かって行く。
その軌道は、様々な方向から。
時には曲がりながら、確実に言峰に向かって。
それに対して、言峰は両手に持つ拳銃の銃口を、光に向けながら、引き金を放つ。
「ふっ」
引き金を弾く。
その度に聞こえる音と共に地面に落ちる薬莢。
薬莢が地面に落ちる度に、ボンドルドの光が消えていく。
まるで、花火のように。
それと共に、言峰は、拳銃を両手に持ちながら、走り出す。ボンドルドとの距離を詰めるために。
だが、それを阻むかのように、手から出てきたのは、黒い布。
そう、一瞬思った言峰だが、その布は、無数の触手によって、形成されていた。
黒い触手は、そのまま言峰に掴みにかかる。
「────!」
言峰に対して、無数の手は、掴みかかる。
だが、その瞬間、言峰は空へと跳ぶ。
宙返りするように、足を動かし、空を舞う。
そして、そのまま、拳銃を構え直し、引き金を引く。
「ふん」
空中で、動き続ける言峰に対し、ボンドルドは、拍手をする。
「さすがは言峰さんですね。ここまでの攻撃、避けたのは、本当に少ない」
「お褒めに預かり、光栄だ、ボンドルド郷」
言峰は、宙返りしながら、地上に降り立つ。
「だからこそ、聞きたい。あなたは、一体、なぜこのような下らない争いに参加されたのですか? 私としては、あなたがここで実験する意味はないと思うが」
「そうですね、確かにここにいる彼らのほとんどは過去の文献やデータからある程度知る事が出来る。だが、その中で、私はとある事に興味を持っていてね、それを見たくてここに来たのですよ」
「ほぅ」
それを聞いた言峰は興味深そうに笑みを浮かべる。
「私達の目的に関して、疑問には思わなかったのかい?」
「何?」
それは、まさしく太郎に向けてだった。
「私達の目的、それはとある現象が実際に起きるのか、確かめる為に。これまでにない現象が起きると期待した故の行動」
「これまでにない現象」
そう、思わず聞き返す太郎。
同時に、彼は、考える。
これまでにない事。
それは一体何なのか。
そして、太郎は、ここにいる面々で、一番の可能性がある人物。
「……まさか、相反する二つの龍の力を持っている兵藤先輩」
「正解です」
その言葉と同時に、何かがボンドルドの首を飛ばした。
より正確に言うと、首から下が無くなって、首が空に飛んだ。
「おやおや、これはまた」
それと共に、見つめた先。
そこには、暴走した龍が、そこに立っていた。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王