サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
その戦いに、周囲の彼らは介入する事は出来なかった。
暴走しているイッセーに対して、太郎は、それを正面から受け止めていた。
だが、それは、イッセーの身体を傷つけている。
「互いに暴走している状態、このままじゃ」
「どちらが死んでしまう」
その最悪の事態が頭に過った。
だが、それを止める為の力が、今の彼女達にはない。
「なぜ、止める必要がある」
「っ」
そんな彼女達に遮った声。
その人物が、なぜここにいるのか。
疑問と共に、振り向くと、そこにはヴァーリがいた。
「ヴァーリ、なぜここに」
「なに、少し見学のつもりで来たのだがな。それにしても、あれが太郎が戦う姿か。なかなかに面白いじゃないか」
「暴走している赤龍帝を正面からぶつかるなんて、普通、上級悪魔でも出来ないのによぉ」
そうしながら、彼らは、その戦いの感想を正直に言う。
だが、リアス達には、その言葉は今はどうでも良かった。
「悪いのだけど、今は、あの戦いをどうにか止めなければならないの、邪魔をするならば」
「俺達を止めるって? ふむ、それも悪くないが、君達はあの戦いを見て、何も分からないのか」
「何かって」
そうしていると、少しだが、太郎の声が聞こえる。
「さぁさぁ、どんどんぶつかって来い、兵藤一誠!」
「アァァァア」
同時にイッセーの胸元が大きく開く。
それに合わせるように『BOOST』という音声が幾度も重なる。
それは、魔力が急速に上がっている。
だが、太郎は、その手にあるドンブラスターに、新たなメダルを既に装填していた。
「アバターチェンジ!」『キングオージャー!』
そして、太郎の姿は、強竜の戦士から一変、ゴーグルや口元を含めた顔面がクワガタムシを象っているのが特徴的な戦士となる。
その手には剣を持っており。
「王鎧武装・凌牙一閃!」『You are the KING, You are the You are the KING!』
鳴り響く音声に合わせるように、その手から巨大なクワガタの角を、その手に持つ剣に纏って、斬り裂く。
そのまま、ゆっくりとイッセーに近づく。
「お前の悲しみも、怒りも、憎しみも、この王が全て受け止めてやろう! だから、兵藤一誠! 全力で、全てを解放しろ! その先で、進めぇぇ!」
「あの言葉って」
そんな、太郎の言葉に、リアス達は目を見開く。
「太郎さんは受け止めてくれているんだと思います」
「アーシアっ」
「無事だったの!」
「はい、ヴァーリさんに助けられて」
そうして、アーシアの言葉に安堵する。
「けど、さっきのは」
「私も、ただ言葉に出しただけで、未だに。けど、自分の中で溜め込んでいたこれまでのを全て、吐き出しているんだと思います。戦いを通して」
「戦いというのは、こういう語り合いも出来るからな」
「……あの子は、暴走していると言っても、どこまでも王なのね」
そうして、その戦いは、徐々に変わっていく。
最初の頃こそ、その戦いはただの暴走。
アーシアを失った悲しみで暴走していた。
無尽蔵で、どこに吐き出したら良いのか分からない怒り。
だが、太郎が正面からそれを受け止め、言葉を投げかける。
やがて、その戦いの最中、元のドンモモタロウの姿へと変わる。
「さぁ、これで締めにしようぜぇ!」『必殺奥義!』
それと共に太郎は構える。
それに対して、イッセーもまた、その拳を構える。
「モモタロ斬!」「ガァァァ!」
互いに、その武器が激突する。
斬撃と拳。
互いの必殺の一撃がぶつかり合う。
その衝撃は、凄まじく、そして。
「「ふぅぅぅ」」
2人は、その変身を解除する。
それが、戦いが終わりを意味する。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王