サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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雪の音の少女との出会いと戦いⅣ

「カーリー叔母さん、さっきの話は、本当なんですか」

 

雪音は、そうカーリーに問いかける。

その言葉は、これまで自分が信じていたのが崩れるように。

そんな雪音からの問いかけに対して、カーリーは笑みを浮かべた。

 

「えぇ、そうね、ふふっ」

 

そう、カーリーは笑みを浮かべた。

 

「私は悪魔と人間のハーフ。本来ならばここにいられない人間だけど、私の父親は屑だけど悪魔としての地位は高かった。だからこそ、そこに目をつけた。

最も、そんな事をしていたから、上層部には粛正されたんだけどね」

「その後、生まれたのが、雪音のお母さんなのか」

「本家としても、トリスタンの血統を途絶えさせたくなかったんでしょうね。隠蔽には必死だった様子で、本人の記憶もなかった。けど、それは、悪魔の本家も同じ」

 

狂気的な笑みを浮かべた。

 

「本当に嫌になったわ。悪魔という社会も、それに人間も。けどねぇ、私はどうしても妹を憎めなかった。血が繋がった姉妹だからかしらね。だからこそ、同じように穢されたのが許さなかった」

 

そこにいたのは、カーリーは。

 

「だからこそ、今度のあなたは、決して汚さないように、そして私の元から離れないように。トリスタンの本家にもね。そういう意味では、カリバーンを折った犯人によって殺された。その建前はとても良かったわ」

「以前から悪魔との繋がりはあったと聞いていたが、どうやらカーリー・ディゼルで間違いないようだな」

 

アーサーは、そう、カーリーに問いかけると、頷いた。

 

「むしろ、教会のように徹底的に悪魔を敵視しているような勢力は少ないわ。契約というシステムがある以上、むしろこのイギリスの地では悪魔と手を結ぶのも普通だわ。

けど、事件のきっかけなんて、何時でも良かった。けど悪魔側から起こせば、私に疑いがある。だからこそ、機会を伺っていた」

 

なるほど、つまりは。

カーリーにとって、カリバーンが折れた事など、どうでも良かった。

彼女にとっては、雪音を攫う事が出来る事件なら、なんでも。

 

「そうね、まぁあえて言えば、全ては愛の為にね。そういう意味では私達はトリスタンの末裔で間違いないでしょうね」

 

そうカーリーは、ゆっくりと近づく。

 

「さぁ、行きましょう雪音。私はあなたを愛しているわ。だって、血の繋がった家族だから」

「っ」

 

その言葉に、雪音は、震えていた。

彼女にとって、カーリーはただ一人、残された肉親だろう。

だが、そんな肉親から出る言葉の狂気に、雪音は、震えた。

そして、逆らえなかった。

そう、逆らえないように、長い間、育てられた。

だとしたら、俺は。

王として行うべきは。

 

「どういうつもりかしら」

 

俺は、雪音の前に立つ。

 

「どういうつもりか?決まっているだろ、守る為だ」

「守るですって?この中の誰よりも弱いあなたが?」

 

そう、バカにするような笑みを浮かべる。

 

「あぁ、弱いよ。確かに弱い。けどな、弱いからと言って、王が、怯えている民を守らない理由にはならない」

「民?雪音とは会って、一日もないのに?」

「時間なんて、関係ないよ。何よりもな、俺はこの地に来たのは、かつて騎士王と呼ばれた人物の、その心を知る為だ」

 

その瞬間、カリバーンは赤い輝きを発する。

 

「ならば、その愚かな心と共に死になさい」

 

その一言と共に、カーリーの、手に持った槍から放たれた炎。

それが真っ直ぐと、俺に向かって行く。

 

「太郎!」

 

それに気づいた絶花は、すぐに向かおうとした。

だが、それを止めたのは、アーサーだった。

 

「何をっ」

「カリバーンは、王を選定する為の剣。かつて、アーサー王が誓いを破った故に折れた剣でもある。だが、彼が手に持って剣が折れたのは全く異なる」

 

そう、俺に向かって、襲い掛かった炎の槍。

それは、俺は、手に持ったカリバーンを、振り上げ、その攻撃を斬り裂いた。

 

「なにっ」

 

その手に持ったカリバーンの形は、変わっていた。

その形は、既に剣ではなかった。

それをあえて、形として言えば、爪である。

 

「なんだ、それは」

 

カーリーは戸惑いを隠せなかった。

 

「カリバーンは、再び王を見つけた。そして、その力は、これまで誰よりもその素質があった。偉人の血を受け継いだ訳ではない。人外の存在に関わりがあった訳ではない。どこにでもいる普通の人間だ。

だが、その魂だけで、カリバーンが耐えきれない程の素質を持っていた」

 

アーサーは、そう、カリバーンが折れた理由を言った。

だが。

 

「ソウルを一つに」『マックスケボーン!OH~‼マーックス!!』

 

俺の身体は、鎧を身に纏う。

それは、赤い騎士の重厚な鎧。

その鎧は、まるで龍を思わせる要素がある。

 

「ほぅ、赤龍帝に関わりがあるとは聞いた事があるが、それも合わさったのか」

 

それを、アーサーは面白そうに見る。

 

「・・・くくっ、まさか、アーサー王の末裔ではない、日本人が私の前に立ち塞がるとは」

 

その言葉と共にカーリーもまた鎧を身に纏う。

それが、禁手であろう。

 

「雪音を手に入れる前に、日本人を殺せるのは、本当に幸福ねぇ!!」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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