サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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情報がないのと、分からない事の違い

京都からの連絡を受けた俺達はすぐに向かった。

既に分かっている限りでも、かなり緊迫している状況なのは分かっている。

そうして、俺達が京都へと辿り着く。

 

「おらぁぁ!!」

 

そのまま、裏京都へと飛び込んだ俺達は、そのまま、横滑りしながら斜めに停車させる。

 

「うわぁ、なんじゃ!」

「あっ、九重じゃないか」

 

そう、俺達が到着すると共に、こちらに驚いた様子で見ていたのは、九重だった。

以前の八坂さんとの会談を行った時に知り合ったのだが。

 

「太郎!来てくれたのか!」

「当たり前だろ、同盟を結んでいる国の主が誘拐されたのだと聞いたからな。すぐに駆けつけたぜ」

「勿論、ヒーローの出番だと聞いて、私も来ました!」

「二人共!そう言えば、そのバイクは一体何なんじゃ?」

「あぁ、そう言えば、もう元に戻って良いぞ、炎蹄」

 

それと共に、炎蹄も元の姿へと戻った。

 

「えっ炎蹄殿!?というよりも、その姿は一体」

「まぁ、それは置いておいて、とりあえず、どのような状況なのか、説明してくれないか?」

「うっうむ、そうじゃな」

 

炎蹄がバイクになっていた事に、驚きを隠せなかった九重は、すぐに事件の情報を教えてくれた。

 

「何時、どのようにして誘拐されたのか、分からない程に瞬く間に行われた。そうとしか言えない程に」

「そんなにあっさりと誘拐を許されるような警備という訳ではないよな」

 

さすがに京都のボスと言える八坂さんの警備を、そんな簡単に突破出来るとは思えない。

警備の状況に関しても、詳しい事を聞いた。

 

「それで、何か」

「あぁ、分かった事はある。分からない事が多すぎるという事がな」

「そんな」

 

そう、九重は軽く絶望している様子だった。

 

「太郎さん!そう言わずになんとか出来ないんですか!」

「出来ないというよりも、事実だろ。まぁ最も、この分からないというのも情報としては重要だけどな」

「分からない事が?」

「あぁ、情報がないと分からない事では大きな違いがある」

 

そう、俺は改めて、誘拐の状況を確認する。

 

「誘拐されている状況を見る限りだと、周囲にいた警備を行っている者達は、探知に長けている者達が多い。

それは、護衛をしているのならば当たり前だ。ならば、そんな探知を行っている者達を掻い潜り、しかも警備の妖怪達を殺さずに侵入出来るのなんて、手段はかなり限られている」

「それは、まぁ、けど、未だに未知な部分は多いですよ!」

「あぁ、だからこそ、俺としては、どのように誘拐したのかも、重要な所だと思う」

「どのように?」

 

そう、続ける。

 

「京都の妖怪で分かりやすいのならば、例えばぬらりひょん。何時の間にか家に上がり込む事で有名であり、それらは言い換えれば気配を消す事に長けている。

だけど、気配を消したとしても、誘拐する際に、抵抗する可能性がある。だけど、これらの誘拐を行った時に、抵抗した後がない事を考えれば、気配を消しての誘拐はあり得ないだろう」

「うっうむ」

「次に、転移系統だが、これもかなり難しいと考えている。転移の魔術というのは少なくとも魔力が多く使用される。実際に俺の知り合いに悪魔がいるのだけど、その転移を行う際には少なくとも魔力は使用される。そんな魔力が使用する状況ならば、探知に引っかかる可能性がある」

「おっおぅ、なるほど」

「故に、それらを行うとしたら、神話級になるのだが、そんな存在が京都に来れば、すぐに騒ぎになる。故に、それを実行出来るとしたら、神器に限る」

「神器が?」

「そう、人間ならば、多少の魔力があっても怪しまれにくい。なんだって、人間の中には潜在的に高い魔力を持っている人物もいる。裏京都は、それらにも警戒はするが、他の種族に比べたら、警戒は低いだろう。そして、神器の能力次第では、その誘拐も可能となる」

 

そうして、俺はザイアスペックで、データベースにアクセスする。

それは、アザゼル先生から貰った神器に関するデータの一覧。

そして。

 

「その可能性があるとしたら、神器、絶霧。空間転移能力と結界能力の最高峰であり、見た目は霧だから、怪しまれない。そして、抵抗する前に転移する事も可能となっている」

「おっおぉ!まさか、分からないという事で、ここまで!」

「言っただろ、情報がないのと分からない事はまるで違うって。最も」

 

俺は頭を掻く。

 

「その情報がないので、絶霧の持ち主が誰なのか、さっぱり分からないのが現状だけどな」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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