サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
八坂の案内と共に屋敷へと向かった。
その京都の雰囲気に圧倒される中、俺たちはある部屋へと通された。
そこには大きな襖があった。
そして、八坂がそれを開けば、中には巨大な屏風絵があった。
それは京都の街並みが描かれているものだった。
しかし、描かれているものには違和感を覚えた。
描かれていないはずの建物まで描かれていたからだ。
その部屋に案内され、そのまま俺達は座布団に促される。
「今、おぶの準備をしていますので、少々お待ちを」
そう、八坂は笑みを浮かべる。
「それにしても、なんだか結構、おもてなしをされているような気がするけど」
「んっ、まぁ、高嶋さんが受け継いでる妖怪が多分、そうとうとんでもない奴なんだろうな」
「えっ、そうなんですか?」
俺の推察に対して、絶花も高嶋も驚いた様子で聞いてくる。
「当たり前だろ、そうじゃないと、妖怪の総大将と呼ばれた八坂さんがここまで案内する訳ないだろ」
「ふふっ、その通りどすな。ほんまにこの中で確かに一番弱いかもしれませんが、この中で一番油断は出来ない相手どすね」
そう、俺の方を見つめる。
少し前の堕天使達とは違う。
言葉と目だけでも分かる。
戦ってしまえば、絶対に死ぬ。
まぁ、元々、戦う気などない。
「そないなら、まぁまずは高嶋はんが受け継いでいる妖怪の血に関してどすね」
「私の」
それと共にゆっくりと高嶋は、その受け継いでいる妖怪の名を聞く。
「高嶋はんの受け継ぐ血、そら中世の日本で恐れられた鈴鹿山の大嶽丸、あたしの九尾並んで日本三大妖怪に数えられる、稀代の大悪鬼酒呑童子どす」
「酒呑童子」
それは、神話など知らない俺でも聞いた事のある名前だ。
そしてその伝説の大妖怪の血を受け継ぐ者が目の前にいるというのだ。
俺は今まで自分の身に起きた出来事から、そういう存在がいるとは考えていたが、実際にこうして対面するとやはり驚くものだな。
「私が酒呑童子の」
「だから、ここまで丁寧に」
「えぇ血筋としても、敵対したくないので。けど、見た限りだと、大悪鬼とはいっこも違いますから。何よりも」
そのまま、俺の方へと見つめる。
「何よりもええ道を導いてくれる方がすぐねぎにいますしね」
その言葉と共に、俺は少し照れ臭さを感じた。
「まぁ、勧誘中だがな」
「ならば、あたしからも勧めますよ。彼ならば、きっとあんたを良き道に導いてくれる主となってくれると」
そう、高嶋を俺を主に促すように話す。
「えっと、その」
「まぁ、ゆっくりと考えれば良いからな」
とりあえずは、京都での旅行の目的は達成出来た。
「けど、次はどこに行こうか」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王