サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
俺達は、そのままアヴィ先輩と共に、部室へと向かう。
普段、俺がサボりや、生徒会から逃れる為に、入部しているオカルト剣究部、人呼んで『オカ剣』。
「いやぁ、それにしても、まさか絶花ちゃんが、あの有名な太郎の騎士だったなんて、驚きだよぉ」
「うぅ、まさか、既に世界中にそんな事になっていたなんて」
そして、絶花は、先程からの事実で落ち込んでいるのか、地面に突っ伏している。
「あははぁ、にしても、話に聞いていたけど、まさか幼馴染みだとはね。なんというか、後輩なのに、ここまで差を感じるとね」
「アヴィ先輩は、その名前からして」
「・・・うん、まぁ私も悪魔としても、王としても、駄目駄目だからね」
「えっと」
そうすると、アヴィ先輩は、そのまま、ゆっくりと話した、
魔力はほとんどない。
それを行う為の操作もほとんどできない。
本家の出なのにアモンの特性である〈盾〉の魔力も使いこなせない。
「何よりも、太郎みたいに、頼もしい眷属、いや家臣がいないから」
「アヴィ先輩」
その言葉に、絶花は、どうするべきか迷っていた。
「・・・別に、王になる事に強さは絶対条件ではない。何よりも、俺なんて、少し前までなんて戦う力すらなかったんだぞ」
「そうだね、だから」
その悩みは、アヴィ先輩にとっては大きな悩みだろう。
だが。
「だからこそ、お母さんが剣を教えてくれたんだ」
アヴィ先輩は、一つだって悲しい顔をしなかった。
すっと立ち上がると、空いたペットボトルを剣に見立てて構える。
「魔力がなくても、特性が使えなくても、剣があれば未来を切り開ける」
アヴィ先輩は剣を振るう動きを披露してくれた。
激しい言動とは真逆の、基本に忠実な努力の剣である。
「あたしの夢はね、レーティングゲームで下克上すること」
先輩は剣先に見立てたペットボトルを天井に向けた。
「あたしだって、やればできるんだって証明するんだ!」
そう語る先輩の目はキラキラと輝いていた。
いや、燃えていたと表現する方が正しいかもしれない。
彼女は絶望しない。ひたすら前へと進み続けているんだ。
「出来ますよ、アヴィ先輩だったら」
「本当!そう言ってくれると嬉しい!!」
「当たり前ですよ、だって、私はそれを出来た王を知っていますから」
そう、俺の方を見ていた。
「だから、私も諦めずにいられたから」
「・・・そうだな、俺が王を目指せるのは、絶花のおかげだから」
そう、俺が言った時だった。
「うわぁ、マジっすか」
「んっ、シュベルトか」
ふと、誰かの声が聞こえた。
振り返ってみると、そこには、ギャルであり、生徒会庶務シュベルトライテがいた。
「何の用だ」
「いやぁ、生徒会長からの通達を知らせに来たんだけど、えぇ、なんで宮本絶花と一緒に太郎が」
「太郎?以前、何かしたの?」
「何かって、言われても」
俺は、首を傾げた。
「なんか、ごちゃごちゃと言ってくる生徒会長が五月蠅かったから、説得しただけだが」
「その説得以降、あの会長、基本関わりたくないと言っていましたけど、聞きますが、なぜ、宮本絶花と一緒に」
「あぁ、そんなの、俺の侍だからに決まっているだろ」
「うわぁ、マジかぁ」
そう、心の底から面倒くさそうに、シュベルトはため息を吐いた。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王