サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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試合前に

急な決闘を行う事になった。

 

それと共に、絶花は、既に防具を身に纏っており、手には竹刀を持つ。

 

「それで、聞くがゼノヴィア先輩の事は聞くか?」

 

「うぅん、聞かない。それはフェアじゃないから」

 

「そうか、ならば、元より必要はなさそうだな」

 

そうしながらも、既に絶花は、勝負に対して集中している。

 

それは、十分に分かる。

 

だが。

 

「それを言うならば、せめて俺の後ろから出てきてから言えよな」

 

そう、俺の後ろに隠れている状態の絶花に向けて言う。

 

試合が行われる事になり、会場へと向かった。

 

先程まで、堂々と喋っているように聞こえたのは、俺の後ろという安全圏にいる為である。

 

「・・・本当に大丈夫なのかなぁ、あの調子で」

 

「うぅん、とにかく、絶花ちゃんを信じるしかないのかなぁ」

 

そうしながらも、アヴィ先輩とシュベルトが、そのまま告げる。

 

「はぁ仕方ないな、すいません。先輩達、少しだけ待って下さいね」

 

「えっと」

 

「こういう時、かなり時間がかかるので、たく」

 

そうしながら、俺は絶花を連れて、物陰に連れて行く。

 

そのまま、周囲に誰もいない事を確認すると。

 

そう言いながらも、俺は絶花の方を向く。

 

するとそこには、未だに縮こまったままでいる。

 

「そんなに心配なら、来いよ」

 

「・・・うん」

 

そしてそのまま、俺の腕の中に収まる絶花。

 

「ちょっとだけこうさせて貰うから」

 

「はいはい」

 

そうしながら、絶花は、そのまま顔を埋める。

 

絶花は、極限の緊張状態になると、周囲の視線が気になる。

 

それもこうした勝負の時は特に。

 

だからこそ、周囲の視線を遮り、安心出来る場所。

 

幼馴染みである俺の腕の中にいれば、どうにかなるだろうと思っての事だ。

 

勿論、これは昔から変わっていない。

 

昔は良く、こうして抱きしめてやっていたものだ。

 

だからこそ、今回は絶花にとって必要な行為なのだ。

 

「・・・ふぅ、やっぱり、太郎がいてくれれば何とかなりそうな気がしてきた」

 

「お前の事は分かっているつもりだからな」

 

しかしそれでもまだ足りないのか、そのまま甘えるように擦り寄ってくる。

 

「おいおい、これ以上は何もしないぞ」

 

「むぅーー、そこは察してよぉ」

 

その言葉を聞いてか、ゆっくりと離す絶花。

 

そうして暫くすると、落ち着きを取り戻す。

 

「よしっ!落ち着いた」

 

「そうかい、それは良かった」

 

「でも、どうしようかなぁ、もう始まるし」

 

そう言いながら、絶花は、その手に竹刀を持ち、試合会場へと向かって行く。

 

だが絶花はそれに負ける事なく、いつも通りに振る舞う。

 

「じゃあ行ってくるね」

 

「ああ行ってこい」

 

そう言って送り出す。

 

尚、その際の光景は、見られていたのに、気づかなかった。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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