サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
絶花は駒王学園に転校して、しばらくが経った。
教室には馴染めず、俺の隣で過ごす毎日である。
「──今日は転校生を紹介します」
朝のホームルーム、担任からの言葉を聞くと、絶花はなぜか希望が満ちたようにガバッと起き上がる。
「「「「「て、転校生!?」」」」」
しかしクラスメイトたちの反応は絶花と真逆である。
まずは窓側に座っていた人たちが一斉に窓を閉めた。
「地上からの突入経路遮断!」
「ガラスに補強テープ設置完了!」
以前の、絶花の華麗な登場から、なぜか警戒している様子だった。
というよりも、相変わらず統率力は高いな。
「みんな! 落ち着いて行動しましょう!」
慌ただしい教室に、クラス委員長が号令をかける。
「幸いこのクラスは武術系の部員ばかり! 総力戦でなら今度こそ対処できるわ!」
転校生がやってくるというだけなのに、なにやら物々しい発言が飛び交っている。
「ところで宮本さんの状態は!?」
「現在は活動停止中! エネルギー反応も落ち着いています!」
「もしも、またとんでもない転校生が来たら、もう宮本さんとぶつけるしかないわ」
「目には目を、歯には歯を、しかし委員長それは……」
「問題ないわ、幸い、太郎君がいる。彼がいれば、最悪の事態はっ」」
「なんか、俺を制御装置か何かと勘違いしていないかあいつら」
「うぅ」
それらの話を聞くと、俺は呆れたようにため息を吐く。
「えぇっと、みなさん。気持ちは分かるけど転校生の方をそろそろ……」
担任が話を進めようとする。というか気持ちは分かるのか。
「では、入ってきてください」
先生が扉へと声を掛けると、クラスメイト全員が固唾を呑む。
「──失礼する!」
勢いよく開けられる扉。
鮮やかに現れたのは、月のように輝くゴールドブロンドの少女だった。
青い髪留めを結び、左目には紋章の描かれた眼帯、制服はどこか中世の貴族のようだ。
それらを観察しながら、俺はなぜか警戒してしまう。
「諸君、お初にお目に掛かる」
堂々とした佇まい、発せられる声は凜として、気高さすら感じられる。
「我が名は、リルベット・D・リュネール」
まるで騎士のような女の子だった。
「どうやらわたしに対し、戦意を持った生徒もいるようですが」
彼女は一目でそれを見破ると、その眼帯に触れながら宣戦布告する。
「決闘は望むところ。我が邪龍眼を恐れぬ者はいつでも挑んでくればいい」
まぁ、この程度だったら
「わたしは、最強となるためにこの学園に来たのだから!」
「あぁ」
その言葉に、俺は起き上がる。
「マズイっ、絶花さんの方じゃなくて、こっちの方だったか!」
そのまま、俺は真っ直ぐと転校生の方に向かって、近づく。
「おい、転校生」
「んっ、貴殿は一体?」
「俺か?俺はいずれ王となる男、唯我太郎だ」
「ほぅ、唯我太郎か、これはこれは」
互いに睨み合う形となった。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王