サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
放課後、校舎裏。
その場所において、俺と絶花は、この場所を指定した人物であるリルベットを待ち構えていた。
「あぁ、やっぱり、そのやるんだよな」
「当たり前だろ、絶花、あいつは決闘を申し込んだからな」
「いや、太郎、確かにその申し込まれたけど、たぶん決闘じゃなくて、その、告白っていうか、なんというか」
それと共に、絶花は恥ずかしそうに、そのまま指をちょんちょんとさせていた。
「何を言っているんだ?あいつは明らかに決闘を申し込んだろ、それで何が違うんだ?」
「いや、太郎も、何を言っているの!あれは、その決闘じゃなくて、愛の告白だよぉ、その太郎は嫌じゃなかったの」
「…何を言っているんだ、絶花?女が女に告白するのか?あいつは明らかに最強を証明する為にお前に決闘を申し込んだだろ」
「いや、違うよ、その、太郎は私が告白されて、その、嫌だと思わないの?」
「絶花は俺の幼馴染だ!俺が認めた奴以外は認めん!」
「えっっと、それじゃ、私がリルベットさんと付き合ったら、良いの」
「…ふむ、うぅむ」
それに対して、太郎は頭を抱えた。普段の彼ならば速攻で出しそうだが、その言葉に対して、なぜか頭を抱えた。
それを見た絶花は、少しだが嬉しい気持ちになった。
そうしていると、目的の人物であるリルベットが姿を現す。
それと共に俺達は、そのまま腰に携えられた得物を見たからだ。
「剣を持っている、ってことは……」「あぁ、やっぱりな」
俺の予感が的中するように、目前の騎士はレイピアを勢いよく抜いた。
「私は英雄ダルタニャンが末裔リルベット!」
剣を構え、青い瞳を大きく開く。
「私の剣に見覚えがあるはず! ようやく貴公と正々堂々の勝負ができる!」
ハキハキと語り始める彼女へ、絶花は戸惑いながらもやっと言葉を返す。
「み、見覚えなんか、ないですけど?」
瞬間、まるで空気が凍ったようになった。
リルベットは固まってしまうが、すぐさま余裕の表情に切り替える。
「っふ、面白い冗談だ。顔はともかくとして私の剣を忘れたとでも?」
「はじめまして、だと思いますよ」
再び少女の饒舌が止まる。口元をひきつらせて確かめるように問う。
「本気で、言っているのか?」
「どこかでお会いしたこと、ありましたっけ?」
本当に覚えなどない、それが相手にも伝わる。
それが決定打だったのか、リルベットの剣先がすっと地面に落ちた。
「──わたしのことなど、覚えるにも値しないというわけか」
彼女は視線を伏せて、何事か小さく呟いている。
「当たり前だ、英雄の子孫など、この宮本絶花は飽きる程斬り捨てた!中には神をもな!そんな絶花に、英雄の子孫程度がいきがるんじゃない!」
「太郎!!!」
そう、俺の言葉に対して、絶花がなぜか俺の首を掴んだ。
「なんで、そう喧嘩になりそうな事を言うの!!」
「だから言っただろ、決闘だって、俺、正しかった!はい、俺が正解!という事で、さっさと決闘して、さっさと帰るぞ!」
「えぇ」
それに対して、絶花は微妙な顔をしていた。
「第一、こんな所で本気で戦う馬鹿がどこにいる」
「むっ、それはどういう事だ?」
そのままリルベットがこちらを見る。
「ここは人間界の学校の校舎だ。こんな所で、本気で決闘すれば、どうなるのか分かるだろ。何よりも」
それと共に、俺はリルベットの眼帯の奥にあるだろう目を睨む。
「それを込みでの決闘ならば、相応しい所でやらないとな」
「…なるほど、確かにな」
それで納得するように立つ。
「という事で、それまで暇だったら、手伝いをしろ!決闘はそれからだ!」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王