サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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決闘告白

「ふぅ」

 

絶花は、決闘の前に息を吸う。

 

一瞬の緩みが敗北に繋がる。

 

それを理解しているからこそ、絶花は決して油断しない。

 

彼女の相手となるリルベットの意識はもうほとんど見えない。

 

彼女の左目に宿っている邪龍によって意識をほとんど奪われている。

 

それでも絶花は負けるつもりはなかった。

 

彼女、宮本の名を受け継ぎ、その流派である二天一流を継承しているが、それだけではなく絶花には決して負けない理由がある。

 

彼女が負けない理由。

 

それは、絶花を見守ってくれている太郎が、今も後ろで自分の勝利を信じて見守っている。

 

手には自身の刀である天聖と、太郎の刀であるサングラソードを握っている。

 

握る力は、これまでよりも強く同時に湧き上がる力はこれまでのどの戦いの時よりも強い。

 

「だから、負けない。そして負けられない!」

 

そのまま二天一流の独特の構えをしながらもリルベットの方へと目を向ける。

 

「リルベットさんを助ける為にも!太郎が私を最強と言ってくれたから!!」

 

その言葉が合図となった。

 

絶花とリルベットは互いに接近すると共に、その手に持つ得物が激突する。

 

激突した衝撃だけで、崩壊しかけていた教会は壊れる。だが、それでも二人の動きはまるで止まる事はなかった。

 

絶花は両手にある刀で交互に攻撃を行い、決して止まない斬撃を行っていく。

 

それに対して、リルベットはその身を龍に変え、受け止める。

 

絶花の人間では決して出す事が出来ない速さ。

 

それに対抗する為にリルベットはその身を龍と変え、人を越える力で絶花の速さに対抗していた。

 

その光景は、まるで神話の世界の出来事のようにさえ思えた。

 

一撃でも当たれば死んでも可笑しくない。

 

その状況で、絶花が浮かべたのは、笑みであった。

 

それに気づいたリルベットは思わず問い掛ける。

 

「何故、この状況で笑っていられる」

 

絶花は、それに答えるように言う。

 

それと共に、絶花に向けて、炎を放った。

 

その炎に紛れるように、リルベットは、その身から眷属である龍を召喚した。

 

決して、油断なく。

 

確実に仕留めるように。

 

「そうだね、可笑しいね、けどね、今の私は」

 

そうして、絶花は、両手を交差させた。

 

まるで自分を抱き締めるように。

 

だが、それも一瞬であり。

 

「最強だから!」

 

その言葉と共に手を大きく開く。

 

その衝撃波だけで、炎が、龍が。

 

全てが吹き飛ばされる。

 

それと共に、絶花の姿も変わっていた。

 

彼女の頭に生えていたのは猫の耳。

 

衣装も、学生服から一変し、着崩れした着物。

 

「なにっ」

 

「猫又モード、ある意味、応用が出来るからね」

 

そう、絶花は馴染み深い黒歌の力を引き出した。

 

それにより、彼女もまた既にサングラソードを構えていた。

 

「くっ」

 

すぐに行動しようとした。

 

だが。

 

「なっ」

 

リルベットは、自分の目を疑った。

 

なぜならば、瞬く間に、その身体を分身させた。

 

それは、仙術による分身。

 

それを既に理解していた。

 

だが、その分身の数は異常であり。

 

どれが本体であるのか、一瞬では理解出来なかった。

 

そして、それは。

 

『必殺奥義!アバ·タロ·斬!!』

 

「私は!」

 

それと共にサングラソードは、虹色に輝く。

 

輝きに共鳴するように、天聖もまた輝く。

 

周囲には、仙術によって出来た絶花の分身達もまた、リルベットに迫る。

 

それらが必殺の一撃だと気づき、リルベットは防ごうとする。

 

だが。

 

「唯我太郎の事が!」

 

その必殺の名を、リルベットは聞く。

 

それが何の意味を持つのか。

 

疑問に思っている間にも、絶花の分身達は、次々とリルベットに攻撃を仕掛ける。

 

幻覚。

 

そう決めつけていた。

 

だが、それらの絶花達の斬撃は全て当たっていく。

 

「なっ」

 

質量を持った分身なのか。それとも別の何かなのか。

 

疑問に思っている間にも、リルベットは斬り裂かれていく。

 

それはまるでリルベットの呪いを。

 

悪縁を斬り裂くように。

 

そして。

 

「大好きだぁぁぁぁ!!」

 

まるでそれとは反対の、好きだという気持ち。

 

それを告白するような叫びが。

 

リルベットに聞こえる。

 

決闘を行っている最中に。

 

いや、だからこそ、自分の正直な気持ちを叫びたかったのだろう。

 

思わず笑みを浮かべながらも。

 

「あぁ、負けたのか」

 

満足げに、リルベットは自らの敗北を受け入れた。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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