サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
「アダムって」
出てきた名前に対して、俺は驚きを隠せずにいた。
それは、隣にいた絶花も同じだった。
これまで、戦ってきた帝国の駒の持ち主が、アダムというあまりにも有名過ぎる名前だから。
「そう思える確信はあるのか?」
だがらこそ、俺は確認の為にハーデスの爺さんに問いかける。
ハーデスの爺さんが嘘をついているとは思えないが、何かの勘違いをしている可能性もある。
「確かに信じられない気持ちは分かる。実際にこの目で見ても、信じられなかったからな。だが、アダムの奴が冥界に来た際の出来事で確信してしまった」
「出来事って」
それと共にハーデスの爺さんは語り始めた。
「あれは少し前の事だった。冥界にて、封印されていたサマエルの場所に襲撃があった」
「っ」
サマエル。
その名前もまた聞いた事がある。
「サマエルを狙ったのが禍の団だというのはすぐに分かった。正直に言えば、三大勢力を相手に使うならば放っておく事も考えたが、お前の方に被害が出る事を考慮して、それを阻止しようと動いた」
それと共にぼそっと呟いたハーデスの爺さんらしい本音を聞きながらも、そのまま話は続いた。
「その場所へと向かった際、冥界にいた勢力を相手にも一切怯まない軍勢。その真ん中にいた奴を確かに見た」
「それが、アダムという事なのか?」
「あぁ、おそらくは」
そう呟いたハーデスの爺さんは、どこか歯切れが悪かった。
先程までアダムが帝国の駒の持ち主である事を説明したはずだが。
「何か、疑問があったのか」
「・・・雰囲気があまりにも違い過ぎた。かつて聞いた事のあるアダムとはあまりにも。何よりも奴からは人間らしさがまるで無かった」
「まるでなかったって」
そう呟きながらも、ハーデスの爺さんは頷く。
「アダムと、その配下達が進む最中で、サマエルの封印が解かれた。その際に、サマエルがアダムを見た瞬間。奴は確かに怯えていた」
「怯えていたって」
「本能で分かったんだろう。自分が唆した相手である事を。同時に、それに屈服しなければならないと。そうして、サマエルは奴らに奪われてしまった」
「・・・ただでさえアダムというビックネームも聞いただけじゃなくて、サマエルまで敵にか、だけど」
確かにそこまでの話を聞くと、本当にアダムなのかどうか疑いたくなる気持ちもある。
「少なくとも、そいつの見た目は、聞いていたアダムと間違いなかったんだな」
「・・・あぁ」
未だに情報が少なすぎて、どう戦えば良いのか分からない。
どうやら、アダムという名を知っているだけじゃ、この戦いは終わりそうにない。
次回の王は
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