サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
アジュカからの勧誘を受けて、既に一年の歳月が経った。
あれから、季節は多く巡っていった。
春から夏へ。
夏から秋へ。
秋から、冬へ。
そして、再び春に。
そんな春が訪れる新学期の少し前。
「いやぁ、まさか引っ越しする事になるとはなぁ」
「えぇ」
俺の呆気ない一言に対して、絶花は思わず俺の方に目を向ける。
「ひっひっ引っ越しって、どういう事なのぉ!?」
「いやぁ、親の都合としか言えないよ」
そうしながらも、俺は現在、引っ越しを行っている。
何やら、取引先の都合もあり、駒王街へと引っ越しを行う事になった。
様々な出会いがあり、想い出は多くあった。
だが、その最中で、絶花の人見知りは、あまり治っていない。
「うぅ、太郎がいなくなるの、想像していなかったのに、滅さんは」
「滅さんは、俺の所で家政婦しているから、一緒に来るぞ」
「やっぱり」
そうしながら、絶花は、その事で落ち込んでいた。
それと共に、俺達は別れた。
その後、絶花の身に起きた出来事を。
「まぁまぁ、今は、そんな事、良いじゃないの」
「っ」
絶花は油断していなかった。
俺がいなくなる事を知って、それでも決して、油断しないように動いていた。
はずだった。
「まったく、ショックなのは分かるけど、いつもの絶花ちゃんじゃないわよぉ」
まるで、自分の事を知っているような様子で、黒い着物を身に纏った猫耳が特徴的な女性。
猫又の女性は、絶花に接近し、そのまま座らせる。
「これって、仙術っ」
「そう、まぁ、絶花のように、戦いだけに集中は出来ないけどねぇ、こうやってやるのは意外といけるのよぉ」
猫又の女性は、そのまま絶花の動きを止める。
彼女が一体何の目的で近づいたのか、
分からないが、それでも一年間の経験で、絶花は油断はしない。
「というよりも、お姉ちゃんは結構心配なのよねぇ」
「心配?一体、どういう意味」
なぜ、心配されるのか。本当に心当たりのない絶花は思わず見つめる。
「あのねぇ、今じゃ太郎はかなり有名人よ。それは一緒に駆け巡ったあなただったら知っているよねぇ」
「それはっ」
そう、言われて、否定は出来なかった。
破天荒で、困っている人がいたら助ける。
それは、国内だけではなく国外まで行った。
雪山で出会ったオオカミ事件。
北欧旅行でのまさかの事件。
数多くの事件を解決しながらも、そのまま家臣を増やしてきた太郎。
「そんな太郎を狙わない女がいるとでも?というよりも、狙っているの、分かっているよね」
「それは」
否定は出来なかった。
「そりゃ、今までだったら、絶花が近くにいたら、大丈夫だったと思うけどさぁ、引っ越したらねぇ」
「っ」
その言葉に、僅かに揺れ動く。
「けど」
「だから、今のうちに、少しだけ印をつけないと」
「印」
「そう」
それと共に、彼女は言う。
「後悔しない為にもねぇ」
そう言われ、絶花は虚ろでありながらも、その脚を進める。
女性に導かれるように。
そして、翌日。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ」
絶花は、痙攣していた。
絶花、中学生にて、初体験が終えた初めての朝だった。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王