サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

206 / 707
帝国の駒の王の正体

各勢力が、未だに抵抗を続ける最中。

各勢力に攻め込む機械の兵士。

それを前にしても、絶花は、未だに戦い続けていた。

 

「っ!」

 

機械の兵士。

それに紛れるように。

絶花に、迫る影。

 

「炎蹄!」

 

絶花の、その言葉に応えるように、炎蹄が現れる。

そのまま、炎蹄の背中に乗り込み、迫る影から避ける。

 

「ほぅ、こちらの気配を気づくとはさすがだね、絶花」

「っ」

 

そんな絶花の前にいる暴太郎鬼が、これまで見た事のないバイクに乗って現れる。

それは、炎蹄とは異なる姿であり、まるで機械の龍。

 

「それは」

「メルヴァゾアがいた世界に生息した生命体、名はミライドン。君達のその炎蹄が気に入ってね、私も真似て、眷属にしたのさ」

「・・・嫌がっているようだけど」

 

吐き捨てるように、絶花は睨み付けるが。

 

「だから、どうしたんだい?」

 

まるで何事もないように呟く。

 

「おやおやぁ、こんな所で、そんな仲が悪くて、どうするんですかぁ」

「っ」

 

聞こえて来た巫山戯たような言葉。

振り返れば、そこに立っていたのは、白髪の悪魔。

その容姿に関しては、事前にある程度は聞いていた。

 

「リゼヴィム」

「おやおや、ボクちゃんの名前を知って貰えるなんて、光栄だねぇ。まぁ、こちらの目的は君じゃないんだけどねぇ」

 

そうして、笑みを浮かべ、目を向けた方向。

それは、絶花ではなく、その手に持つ天聖。

 

「そう、私達の目的は、その神器。これまで、見つける事が出来なかったが故に、君が持っていると聞いた時。まさしく運命だと思った」

「そうだねぇ、だからこそ、こちらに渡してくれない?そうすれば、楽になれるからさぁ」

 

そう、彼らは近づく。

それと共に、絶花はゆっくりと息を吐く。

それは、戦闘の時の気持ちの切り替えではない。

ここで、確かめる為に。

 

「・・・太郎だったら、こう言うね」

「・・・」

 

そこで、絶花の口から出てきた単語。

太郎。

その名前が、なぜ出てくるのか。

それと共に、絶花は帝国の駒の王の方に目を向ける。

 

「お前の正体。分かったら、かなり小さいなって」

「っ」

 

それと共に、帝国の駒の王の正体。

それを知られて。

 

「何を言うかと思えば」

「思えば、太郎は、ずっと分かっていた。何よりも、その可能性が分かっていた」

「何を言って」

「神話の時代、アダムとイブは楽園から追放された。追放された原因は、知恵の木から生えている知恵の実を食べた。太郎は、これが関係していると思った」

「馬鹿な事を」

「私の持つ神器にも、他の人の神器にも意思が宿っている。それは元々、魂が込められていると言うけど、それ以外のパターンは?それを考えて、太郎は、その可能性に気づいたの」

 

そうして、帝国の駒の王は、鋭く睨み付ける。

 

「知恵を持ち、欲望を持った。けれど、アダムとイブの魂は、神器の中にある。ならば、残った身体には何が残る?それは、きっと知恵と欲望だけ」

 

絶花は、そう見つめる。

 

「アダムでも、イブでもない。知恵の実。それがあなたの正体」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。