サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
各勢力が、未だに抵抗を続ける最中。
各勢力に攻め込む機械の兵士。
それを前にしても、絶花は、未だに戦い続けていた。
「っ!」
機械の兵士。
それに紛れるように。
絶花に、迫る影。
「炎蹄!」
絶花の、その言葉に応えるように、炎蹄が現れる。
そのまま、炎蹄の背中に乗り込み、迫る影から避ける。
「ほぅ、こちらの気配を気づくとはさすがだね、絶花」
「っ」
そんな絶花の前にいる暴太郎鬼が、これまで見た事のないバイクに乗って現れる。
それは、炎蹄とは異なる姿であり、まるで機械の龍。
「それは」
「メルヴァゾアがいた世界に生息した生命体、名はミライドン。君達のその炎蹄が気に入ってね、私も真似て、眷属にしたのさ」
「・・・嫌がっているようだけど」
吐き捨てるように、絶花は睨み付けるが。
「だから、どうしたんだい?」
まるで何事もないように呟く。
「おやおやぁ、こんな所で、そんな仲が悪くて、どうするんですかぁ」
「っ」
聞こえて来た巫山戯たような言葉。
振り返れば、そこに立っていたのは、白髪の悪魔。
その容姿に関しては、事前にある程度は聞いていた。
「リゼヴィム」
「おやおや、ボクちゃんの名前を知って貰えるなんて、光栄だねぇ。まぁ、こちらの目的は君じゃないんだけどねぇ」
そうして、笑みを浮かべ、目を向けた方向。
それは、絶花ではなく、その手に持つ天聖。
「そう、私達の目的は、その神器。これまで、見つける事が出来なかったが故に、君が持っていると聞いた時。まさしく運命だと思った」
「そうだねぇ、だからこそ、こちらに渡してくれない?そうすれば、楽になれるからさぁ」
そう、彼らは近づく。
それと共に、絶花はゆっくりと息を吐く。
それは、戦闘の時の気持ちの切り替えではない。
ここで、確かめる為に。
「・・・太郎だったら、こう言うね」
「・・・」
そこで、絶花の口から出てきた単語。
太郎。
その名前が、なぜ出てくるのか。
それと共に、絶花は帝国の駒の王の方に目を向ける。
「お前の正体。分かったら、かなり小さいなって」
「っ」
それと共に、帝国の駒の王の正体。
それを知られて。
「何を言うかと思えば」
「思えば、太郎は、ずっと分かっていた。何よりも、その可能性が分かっていた」
「何を言って」
「神話の時代、アダムとイブは楽園から追放された。追放された原因は、知恵の木から生えている知恵の実を食べた。太郎は、これが関係していると思った」
「馬鹿な事を」
「私の持つ神器にも、他の人の神器にも意思が宿っている。それは元々、魂が込められていると言うけど、それ以外のパターンは?それを考えて、太郎は、その可能性に気づいたの」
そうして、帝国の駒の王は、鋭く睨み付ける。
「知恵を持ち、欲望を持った。けれど、アダムとイブの魂は、神器の中にある。ならば、残った身体には何が残る?それは、きっと知恵と欲望だけ」
絶花は、そう見つめる。
「アダムでも、イブでもない。知恵の実。それがあなたの正体」
次回の王は
-
妖怪王
-
機械王
-
怪獣王
-
幻想王