サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
そして、始まりからカオスになりますが、よろしくお願いします!
王の運命は空から
俺こと、唯我太郎には、幼馴染みが一人いる。
それは、俺よりも4歳年下の妹のような存在である宮本絶花である。
「なんというか、絶花」
「・・・何」
「お前、友達って」
「・・・出来ていないよ」
その日、俺は絶花と一緒に港の海を眺めている。
宮本絶花。
彼女は、いわゆるぼっちである。
彼女の血筋なのか、それとも才能なのか。
中学生ながらも美女である事は間違いない容姿。
先祖に宮本武蔵という大剣豪の影響もあり、その腕はまさしく達人。
さらには、文武両道。
そう、肩書きだけ見れば、完璧人間に近い彼女だが。
「友達、出来無かったのか」
「・・・うん」
海を眺めながら、呟いたその言葉の通り、友達が出来ない。
それが、天から与えられた才能の代わりといわんばかりに。
美女ではあるが、その鋭すぎる目、同性から羨まれる程の破壊力のある物。
それらが、重なった結果だろうか。
彼女は、幼馴染みである俺と家族以外に、会話すらまともに出来ない。
「とりあえずは、友達が出来るようになんとかしなければいけないけど」
「そんな方法、あるかな」
「さぁな、けれど、諦めるのは、まだ早いだろ」
俺はそうしながらも、見つめる。
「けれど、まぁ、お前を一人にさせないさ」
「太郎」
俺の言葉に、絶花は嬉しそうに見つめる。
「なんだって、俺はいずれ王になるからな」
「太郎」
絶花は、落胆を隠せない表情で、言う。
「太郎は、なんというか、昔から王様になりたいという突拍子もない夢を抱けるね」
「そうか?けど、俺は出来る気がするから、言っているだけだぞ」
「その根拠は?」
「ない!」
「えぇ」
俺の言葉に対して、絶花は呆れた様子を見せる。
しかし、俺は確信しているのだ。
「何だって、俺が王様になる事が出来るのならば、絶花!お前だって、友達を作れるから!」
「・・・私が友達を作るのって、そんなに無理難題なの!?」
「そうだ!だから、俺も手伝うから頑張ろうぜ!」
「太郎、君は相変わらずだよ」
そう言いながらも、どこか楽しげに笑う絶花の笑顔を見ながら、思う。
(絶対に、絶花に友達を作ってやる)
俺は、そう意気込む。
「けど、そんなの不可能かもしれないよ」
「そうかなぁ、例えばの話、今!この瞬間!俺を王に導く存在が現れるかもしれないじゃないか!」
「王に導く存在?」
俺の言葉に対して、絶花は、ジト目で見ている。
「そう!海の向こうから!今、空から!どこからともなく!神の声と共に!そして、その者は俺を導くだろう!なぜならば、王とはそういうものだからだ!」
「ふーん」
「あれ?反応薄いな」
俺は、絶花の淡白な反応を見て、少し驚く。
「だって、そんなの現実的じゃないよ」
「そうかなぁ?でも、夢を持つ事は決して悪い事じゃないと思うぞ」
「それは、そうだけど」
「それに、お前は、俺の知っている限りで一番凄い奴だからな」
俺は、自信をもって言う。
「お前が、本当に困っている時は、必ず助けるからさ」
「そうだよね、うん」
そうして、絶花も頷く。
「私も、知っているから。例え太郎が、他の誰が認めなくても、私だけの白馬に乗った王子様だから」
そう、絶花が何かを言っている。
けれど、俺はそれを聞く事は出来なかった。
「・・・絶花」
「えっひゃい!!?やばいっ私、思わず言ったけど、それはその!」
「・・・降ってきたわ」
「降ってきたって、何が?」
「なんか、凄いのが」
「凄いって、何がって」
そう、俺が見上げた先。
それは、空から降ってきた。
あまりの大きさに、驚きを隠せなかった。
それが、海に落ちた瞬間、巨大な津波が起きた。
俺と絶花はすぐに近くに建てられていた高台へと避難した。
それからしばらくして、津波は収まった。
だが、そこには何も残っていなかった。
そこにあったはずの船や建物、何もかもが消え去っていた。
まるで、最初からそこに何もなかったかのように。
「・・・何だったんだ、あれは」「分からないよ」
俺は、怯える絶花と共に、それに近づいた。
それは、人間を遙かに超える巨大な存在。
山と間違えても可笑しくない大きさ。
黄金の身体に、所々に機械的なパーツが見られる。
「これって、一体」
「んっ、なんか乗れるな」
「えっ、ちょっと、太郎!」
俺は、そのままその存在に乗る。
まるでロボットアニメのようなコックピットがあり、操縦桿がある。
「おぉ、すげぇ!」
「太郎、さっさと出ようよ」
「そうか?けど、んっ?」
そう触っていると、俺の身体から何か熱いのを感じる。
ふと、見てみると、俺の身体から出てきたのは、何やら駒。
「これは、なんだ?」「チェスの駒?」
なぜ、それが?
疑問に思っていると、馬の、確か騎士の駒が絶花に。
もう1つ、戦車の駒が、コックピットに。
そのまま吸い込まれていった。
「うわぁ、なんだ!?」
「動き出した!?」
それに、俺と絶花が驚きを隠せなかった。
そうしている間にも、勝手に動き出し、空を飛ぶ。
俺達は、落ちないように必死に掴まった。
「何だ、何が起きたんだ?」「分からない、とにかく、外に」
そう、俺達が外を出ようとする。
すると、そこは。
『あんっ』『なんだ、この黄色いのは』
こちらを睨み付けている赤いドラゴンに、白いドラゴン。
ついでに、何やら大量の人達がこちらを見ている。
それも、確実に、俺達の知らない所だ。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王