サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
グツグツと煮込まれる音と共に見えるのは色とりどりの野菜達。
旬の野菜が入っているその鍋は、とても美味しそうま。
しかし、それを見ている俺以外の皆一様に渋い顔をしていた。
「どうしたんだ? みんなそんな顔して」
俺は、全員に聞く。
「いや、そんな顔と言われても、太郎、これは」
「何って、見れば分かるだろ」
そう、俺は。
「カニ鍋だろ」
「いや、なんで蟹!」
俺が料理の名前を言うと、オカルンは叫びならがら、突っ込む。
「なぜって、今日の帰りに安くなっていたから、買ったんだよ。こんだけの人数で食べるんだったら。というよりも、お前達、蟹、嫌いだったのか?」
「いや、普段だったら食べますよ!けど、さっきまで蟹のような化物と戦った後に蟹って!」
キンジは、そのまま続けて言うが、それは違うぞ。
「そうは言うが、キンジ。その蟹の怪物だった、ターボババア。思いっきり食べているぞ」
「うわっ、本当だ!」
俺が指摘すると、近くには猫の置物に取り憑いているターボババアが蟹を思いっきり食べている。
「えっ、あなた、その、蟹を食べても良いの!?なんというか、躊躇とかは」
絶花が、思わずターボババアに問いかけるが。
「何を言っている、蟹を目の前にして食べないなんて、馬鹿がすることだ」
ターボババアは、堂々と言い放つ。
「ほら、この通り、ターボババアも食っているしな」
「確かにそうだけれど……でも、これじゃあ、蟹を食べることに対して躊躇してしまうじゃないですか!」
絶花は、そう言って、鍋を見る。
そこには、先ほどまで、鍋に溢れそうな蟹は、残り半分。
「別に食べたくないならば、残りは全て、俺とターボババアが食うぞ」
その一言で、三人はしばらく無言になっていく。
そして、三人とも、ゆっくりと箸を持ち始める。
「・・・よろしい、ならば、戦争だぁぁ!!!」
それが、後にも続く事になる食事会の戦争。
その最初の1度目となる蟹鍋戦争と言われるようになる事は。
この時の俺達は知らない。
そんな蟹鍋を巡る戦いの光景を、どこから見ていた花の魔術師が、笑みを浮かべる。
「かくして、彼は家臣として、悪友であるオカルンと遠山キンジの二人を迎え、宇宙へも届くフォーゼの力を手に入れた。だが、彼の覇道はまだここから。
なぜならば、次なる家臣は、既に近くまで来ているのだから」
それと共に見つめた先。
そこには、俺達と同じ制服を身に纏った一人の女性。
金髪の赤い瞳のメカクレの彼女は、青緑色の刀身の二本一対の片手剣を持っている。
そんな彼女が歩く音に重なるように太鼓の音が響くのは、何かの予兆だろう。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王