サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
マーリン。
その名は、俺でも知っている。
それが、花の魔術師の本当の名前だろう。
「マーリンか」
「マーリンとは一体?」
「沖田は、この辺の話はあまり知らないか」
「えぇ」
そう呟きながらも、俺はそのままマーリンを見つめる。
「ブリテンの騎士王・アーサー王の誕生を予言し、王を生み出し、導いた存在」
「それが、彼女だと」
そうして、沖田は見つめる。
「まぁ、そうだね、まぁ、別に名前が明らかになっても良かったけどね、我が王」
「我が王って言っているけど、俺はアーサー王じゃないし、そもそも、どうやって」
「ふふっ、そうだね、色々とね」
そう、マーリンは呟く。
「マーリンは色々な魔術を操るよ。その中で、マーリン。もしかしてだけど、未来を見たの?」
「だとしたら?」
笑みを浮かべながら、フリーレンからの言葉に応えるマーリン。
対して、フリーレンは特に興味なさそうに言う。
「そう、まぁ、君は旅の道中で会った時から怪しいとは思ってたけどね」
「まぁまぁ、そう嫌悪な態度で接しないでくれたまえ。私は、フリーレン、君の事は気に入っているんだよ。あまり感情の見せなかった君がヒンメル君との旅を通して、感情を得た事に。そして、そんなヒンメル君に会う為に、過去に行こうとしているのも」
「・・・」
マーリンの揶揄うような態度に対して、フリーレンはそのまま杖を出して、彼女に向けている。
「フリーレンさん、それは少し」
「一つ、忠告するよ。彼女は多分、君の何かを知って、それを見る為に行動しているよ」
「あぁ、それは私から言わせたら、間違いないよ。もっとも、私は何時でも人々にとって、良き結末の為に動いている。だからこそ、彼には目指して貰いたいんだ、オーマジオウに」
「・・・その名前、やっぱり知っているのか」
「あぁ、勿論、正直に言えば、見せられたのが正しいかもね」
その意味に、疑問はあった。だが今は聞くべきではないとも思えた。だから、代わりに問いを投げる事とする。
「・・・どういう意味だ?」
その言葉に対し、マーリンは告げる。
「ふふっ、さぁね、それで、フリーレン。君はどうするつもりだい?」
「・・・言ったはず、過去に行って、話をしたい」
「その後は、まさかと思うけど、過去の自分と成り代わって、過去を変えたいのかい?」
「・・・」
そう、マーリンが続ける。
「過去を変えるのは、かなり危ない行為だと思うよ。それこそ、変えた結果、どのような結末になるとしてもね」
笑みを浮かべるマーリン。
それに対して、フリーレンは、眼を閉じていた。
歴史に残らなかった。
それは、どのような結末を迎えたのか、俺は知らない。
「我が王は、どう思う?それを行えば、もしかしたら多くの人が不幸になるかもしれない。それでも君は、フリーレンを過去に行かせたいのか?」
「・・・そうだな、多くの人を不幸にはさせない」
「ならば、過去には行かせないという事かい?」
マーリンの言葉。
それに対して、フリーレンは肩をふるわせた。
けれど。
「いいや、行かせるよ」
「えっ」
俺の言葉に対して、フリーレンは驚いていた。
「おやおや、その理由は」
「過去を変えて、不幸になる人がいるんだったら、俺がその人達を救う。そして、その人達を救って、不幸になれば、俺がその人達も救う。可能な限りだけどね」
「傲慢じゃないかな、その考えは」
「かもな、けれど、俺は」
そのまま、俺は、マーリンとフリーレンに眼を向ける。
「それが、俺が目指す王様だから」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王