サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
元々、雪の潜在能力はかなり高い。
かつて、雪の親を襲った腕利きの人狼ハンターを相手に一方的に殺す程に。
その才能は、おそらくは人狼の中でもかなり高い部類だろうと。
故に、そのコントロールは、今の幼い雪では難しい。
「ガアアァァァァ!!」
烏を思わせる翼を広げて、すぐに逃げようとするレイレーナに向けて、狼となった雪は跳ぶ。
地上から遠く離れた場所は、一瞬にして狼の狩場となる。
その動きを見る限り、やはり未熟だ。
理性はまだ戻っていなく、完全に本能のまま動いている。
俺の方を見てもおらず、このままではただ食らいつくだけの獣だ。
それはあまりにも危険すぎる。
今の状態で放っておけば、レイレーナは間違いなく死ぬだろう。
だから。
「ここで、雪に殺しをさせる訳にはいかない」
雪はまだ10歳。そんな子供に人殺しの罪を背負わせる訳にはいかない。
「滅!」「あぁ」
それは、滅も、それを承諾したように、アタッシュアローにプログライズキーを装填する。
"Progrise key confirmed. Ready to utilize."
鳴り響く音声。
その音声と共に、真っ直ぐとレイレーナに襲い掛かろうとした雪に向かって放つ。
放たれたそれは、蜘蛛の紐を思わせるように伸びて、雪の身体を拘束し。
レイレーナと雪の間に割り込む形で、アタッシュアローを雪へと向ける。
それはレイレーナを守る形となり、雪の爪は、俺へと迫る。
けれど。
「雪、お座り」「っ!」
俺の一言で、雪はその場で止まる。
「さて、小物は」
俺はそのまま雪を取り押さえている間に、レイレーナの方を見る。
既に奴の姿はいなくなっていた。
どうやら、今の騒動を見て、早々に逃げたようだ。
まぁ、今はそれでいい。
それよりも、目の前のこいつだ。
雪は狼の姿のまま、心配そうに見つめている。
「その、太郎さん、ごめんなさい」
そう、泣きそうに謝る雪に。
俺は優しく微笑みながら、頭を撫でる。
そして、先程までとは打って変わって優しい口調で告げる。
「雪のせいじゃない。こんな事も予想出来ていなかった未熟な王の俺の責任だからな」
未だに少女である彼女にこうなると予想しろというのは無理な話だ。
だからこそ、俺はレイレーナを責める事は無い。
むしろ、これからが問題だ。
俺の言葉を聞いて、少し安心したのか、雪は大人しく座り込んでいる。
「それで、どうするか、だな」
俺は、そのまま見つめるのは、犠牲者となった男子。
どうやら、あの時の俺と同じく命を狙われた人物だったらしい。
犠牲者を出したのは、王として失格だ。
そう考えていると、眼前から赤い魔方陣が出てくる。
俺は、そのまま構えていると。
「あら、これは」
そこに出てきたのは、紅の髪の女性だ。
見た所、俺の高等部の先輩であり、小猫先輩と同じだろう。
「あなた達がこれをやったのかしら?」
「違うな、俺は目撃者だ」
そうしながら、俺は堂々と言う。
「とりあえず自己紹介からな、俺の名前は唯我太郎! こっちにいるのは家臣の滅と雪だ!」
「唯我太郎、小猫が言っていた子ね」
「おぉ、小猫先輩の知り合いか」
「ふふっ、そうね、聞いていた通り、面白い子ね、それじゃ、私も自己紹介をしないとね」
笑みを浮かべる人物。
「私はリアス・グレモリー。この地を管理する者よ」
次回の王は
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妖怪王
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怪獣王
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幻想王