サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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機械の脅威

 絶花の練習を終えた俺達は、そのまま家に帰る事にした。

 

「別に、帰りまで一緒にいなくても良かったのに」

 

「どうせ、何もする事がなくて暇だったんだ。だから暇潰しをさせてくれ」「にゃぁ」

 

 田舎と都会の中間という事もあってか、道は広く、車は通っている。

 

 そして俺達以外に、人の姿もない。

 

 まるで、この空間だけが切り離されたかのように。

 

 だが、そんな事を考えていると、俺の横から、絶花が口を開く。

 

 その表情はいつも通り。

 

 しかし、どこか真面目なもの。

 

「太郎」

 

「どうしたんだ?」

 

「何か、変じゃない?」

 

「変って?」

 

 周囲を見ても、特に可笑しなところはない。

 

「なんか、人が全然いないっていうか、それに空気が……」

 

 そこまで言って、絶花が気付いた。

 

「そういえば、さっきまで騒がしかったのに、今は静か過ぎる……」

 

 俺も気付いた。

 

 車が通らず、音もない。

 

 人の気配がしない、まるで人気がない。

 

「……いくら、田舎でも、これは可笑しいな」

 

「そうだね」

 

 そこで俺は、一度、足を止めた。

 

 すると背後から、声が聞こえてくる。

 

「よく気が付いたな。流石はあの宮本の娘といったところか」

 

 振り返ると、そこには1人の男性がいた。

 

 黒いターバンを被り、黒衣を纏った男。

 

 腰には刀を差している。

 

「私に、何か用事?」

 

「……そうだな、お前を、殺しに来た」

 

「私を」

 

「あぁ」

 

 そう、殺気と共に告げられた言葉に、絶花は、その手にある竹刀を構える。

 

 だからこそ。

 

「さて、始めるとしようか」

 

 それと同時だった、

 

 男の身体に変化した。

 

 まるで内側から膨張するように。

 

 黒い服を押し上げて、筋肉が膨れ上がる。

 

 腕が、足が、胸板が、顔が。

 

 引き千切られる。

 

「「えっ」」「にゃ」

 

 そこから現れたのは、ロボット。

 

 ただし、その形は人間ではなく蠍。

 

 蠍型のロボットが、目の前に現れた。

 

 それには、俺も絶花も、驚きを隠せない。

 

「なに、これ……」

 

「……嘘だろ」

 

 それは、まるで死を告げるように。

 

 現実味を感じさせないように。

 

 俺達に、恐怖を与えるように。

 

 そんな、非日常が目の前に現れた。

 

 そして同時に、俺は思い出す。

 

「まさか、これは……!」

 

「太郎?」

 

 俺は、その姿を見て、理解する。

 

「絶花、すぐに逃げろ! こいつは、お前の手に負えるような相手じゃない!!」

 

「えっ」

 

 そんな俺の言葉に、絶花は驚きの声を上げる。

 

 だが、そんな時間はない。

 

 そうしている間にも、絶花に、蠍型のロボットが襲い掛かる。

 

 しかし、絶花が対応する。

 

 竹刀であり、普通ならば機械の刃で対応する事は出来ない。だが、絶花にとっては。

 

「ふっ!」

 

 その攻撃を弾き返す程の技量と、腕があった。

 

「……はぁはぁ」

 

「油断したな」

 

 しかし、ロボットは、本当に蠍のように、胴体部分を伸ばし始めた。

 

 その動きと共に、刃が、絶花を襲う。

 

 だが、絶花はそれを弾き返す。

 

「くっ」

 

 竹刀は、それによって破壊された。

 

 それでも、絶花は、そのまま後ろに下がる。

 

「どうしたら」「逃げるしかないけど」

 

 蠍型のロボットは、俺達の命を狙う。

 

 このままでは不味い。

 

 けど、どうやって。

 

 そう考えていた時だった。

 

「えっ?」「これって」

 

 俺と絶花の周囲を突然、霧が包み込んだ。

 

「この、霧って……」「分からないけど」

 

 その瞬間、どうすれば分からない。

 

 けど。

 

「今しかない」「えっ」

 

 俺は、すぐに絶花の手を握り、走り出した。

 

「太郎!」

 

「いいから、逃げるぞ! ここにはいられない!」

 

 絶花の言いたい事は分かっている。

 

 それでも、俺はここから離れることを選択する。

 

 見ると、絶花の足が少しだけ赤くなっている。

 

 ならば。

 

「えっ」

 

「悪いな、ちょっと我慢してくれ」

 

「えっ、ちょ、ちょっと!」

 

 そんな絶花を抱き抱えた。

 

 お姫様抱っこ。

 

 それをされた絶花は、顔を赤くする。

 

 しかし今はそれ所じゃない。

 

「行くぞ!」

 

「う、うん」

 

 俺は、そのまま走り始める。

 

「逃がさん」

 

 ロボットは俺達を追おうとするが、それは叶わない。

 

 何故なら、霧は、既に周囲を覆いつくしているからだ。

 

「……これは、一体」「分からないが!」

 

 俺達は、その場を逃げ出す。

 

 ある意味、人生初となるだろう命の危機だろう。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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