サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
深夜。
雨が振る音が、周囲を遮る。
暗闇の中を僅かに照らすのは電灯だけ。
それが、不気味な明かりであり、目の前にいる敵の姿を照らしている。
「いやぁ、こんな夜に2人だけでデートですか?お盛んですねぇ?だから、ここで一緒にパーティをしようじゃないですかよぉ!」
それと共に、男は呟く。
白髪に神父というあまりにも中二病的な奴を目の前にしながら。
「さて、どうするかぁ」
俺は頭を掻く。
すると。
「まぁ、王様は引っ越したばっかりで疲れているでしょ。それに、この前だってまだ休めていないでしょぉ」
そう、茅森が前に出る。
「だから、ここは私に任せなさいなぁ」
笑みを浮かべると共に、茅森は既に両手に剣を持っていた。
奴から見たら、突然現れた武器に驚くかと思ったが。
「神器ねぇ、まさかまさか!いきなり神器使いと出会えるとは幸運だねぇ」
それと共に、奴は光輝く剣を構えながら言う。
対して、茅森は変わらず。
「こっちは不幸だよ。せっかく引っ越し蕎麦で皆で蕎麦パーティをしようと張り切っていたのに。だからこそ」
それと共に、茅森は片方の剣を神父に向ける。
「ちゃちゃっと終わらせようか」
「余裕は、どこまで出来るんだろうねぇ!」
神父の叫び。雨粒が彼の顔に跳ね返り、不気味な表情を強調する。彼の目は鋭く光り、闇の中でもその存在感を増す。彼の剣は、まるで雷のように輝きを放ちながら真っ直ぐ茅森に迫る。一瞬で間合いを詰めると、鋭い斬撃が茅森に向かって振り下ろされた。
しかし。
「いやぁ、見えてるし、聞こえているし」
茅森は冷静さを失わず、片手の剣で受け流す。その動きは驚くほど滑らかで、まるで舞踏のような美しささえ感じる。剣が触れ合う瞬間、火花が散り、周囲の闇を一瞬だけ照らす。茅森はもう一方の手で持つ剣を流れるように神父に向かって放つ。
「峰打ちじゃぁ」
「がっ!?」
峰での攻撃が神父の腹部を強打し、彼の身体は後方へ吹き飛ばされる。雨に濡れたアスファルト上を転がり、体勢を立て直そうとするも、その動きは鈍い。
「ぐっ、どういうつもりだぁ」
「いやぁ、基本、私達はあまり人も人外も殺さない主義なの。だから、大人しく気絶するまでボコボコに殴るだけ」
茅森の瞳には確固たる決意が宿り、その言葉には揺るぎない信念が感じられた。
「なっ舐めるのかっ貴様ぁ!」
神父は怒りに満ちた叫び声と共に突進してくる。彼の瞳には激しい炎が宿り、その全身からは凄まじいエネルギーが迸っている。神父の動きは雷光のように速く、その一撃が茅森に向かって鋭く振り下ろされる。
しかし、茅森にとっては。
「だから、見えるし、聞こえる」
茅森は冷静な瞳で神父の動きを見据え、まるで舞踏のように優雅な動きでその攻撃をかわす。彼女は日々、高速で動く相手と模擬戦を重ねており、その経験から得た洞察力と反射神経が彼女の動作を完璧なものにしている。さらに、その優れた聴覚は天才ボーカリストとして鍛え上げられており、周囲の音や動きを瞬時に捉えることができる。そのおかげで、神父の目に見えない速さでも容易に対応することが可能なのだ。
そう、茅森が圧倒している時だった。
神父は、懐から取り出した何かを地面に投げる。
それは一瞬の閃光を放ち、雨粒を蒸発させるほどの熱を伴って周囲を包み込んだ。
雨音さえも掻き消すその光の渦の中で、太郎と茅森は一瞬立ち尽くす。
光が収束するとともに、神父の姿は消え去り、その場には静寂だけが残された。
「・・・まさか、引っ越し直前で面倒な出来事に巻き込まれるとはな」
「本当になぁ」
俺と茅森は、そう呟きながら互いに視線を交わす。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王