サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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復讐は

 夜の森に緊張が走る。月明かりに照らされたその場には、兵藤一誠達が警戒態勢で構えている。

 

 その目の前には、ルカメンと名乗る謎の少女が立っている。パーカーを身に纏い、鬼の仮面を被っている彼女は、確かな存在感を放っていた。

 

「一体何が目的だ?」

 

 ルカメンは少し首を傾げながらも。

 

「いやぁ、少し前に散歩していたら、そこの通り魔に襲われてね。せっかく住んでいる場所にそんな奴がいたら面倒だからね。だから、そこにいる通り魔をなんとかする為に来たんだよねぇ」

 

 そう、フリードに手に持った聖剣を向けながら、陽気に答えた。

 

 その言葉に嘘はなく、実際彼女はフリードの持つ聖剣を破壊する目的でここに現れたようだった。兵藤達もその言葉を聞き、警戒は緩めなかったが、とりあえず彼女が敵ではないことを理解した。

 

 しかし、兵藤達とルカメンの会話中にフリードは夢幻の聖剣と天閃の聖剣の能力を使い、質量のある残像を生み出し、その隙に離脱しようとした。

 

 夢幻の聖剣は、その名の通り夢のように幻を作り出す能力を持ち、天閃の聖剣は瞬時に移動できる力を持っている。

 

 彼はその二つの能力を駆使して、一瞬のうちに消え去ろうとした。

 

「なっ……!」

 

 兵藤達は驚愕の声を上げる。

 

 だが、その時、既にルカメンは聖剣を生み出していた。彼女は聖剣創造という能力を持っており、それにより無数の聖剣を生成し、フリードの逃走経路を妨げた。

 

「えっ!? あっ、やばっ!」

 

 フリードは愕然としながら、その聖剣の壁に阻まれる。

 

 それは、フリードの質量のある分身の前にも。

 

 同時に、聖剣から放たれるオーラ。

 

 それは分身達を消滅させるには十分だった。

 

「っ!? 何っ!?」

 

 フリードは一瞬驚いたように立ち止まり、それから必死に逃げ道を探そうとした。

 

 しかし、ルカメンの聖剣は彼の逃走経路を完全に封じ込めており、逃げ道を見つけることは困難だった。

 

「さて、通り魔! お前の悪行はここまでだ!」

 

 ルカメンは陽気に笑いながらフリードに近づいていく。

 

 フリードは慌てふためきながらも、必死に抵抗しようとする。

 

 しかし、彼女はその動きを見越していたかのように、聖剣を巧みに操り、彼の逃げ道を塞ぎながら距離を詰める。

 

「くそっ! なんなんだこの女!?」

 

 フリードは絶叫しながらも、ルカメンの動きに対応しようとする。

 

「一体、何者なんだ、彼女は」

 

「というよりも、他の皆も知らないのか」

 

「あれが、木場先輩とは違う聖剣創造という事しか。けど」

 

 そうしている間にも、ルカメンは、そのまま近づく。

 

「さてっと、通り魔をさっさと「すまないが」んっ?」

 

 すると、ルカメンに近づく影。

 

 その影の正体は、木場だった。

 

 木場の双眸が鋭く光った瞬間、彼の手に握られた長剣が風を切るような速さでルカメンへと向かっていった。

 

 木場の刃がルカメンの首筋を狙って疾走する。

 

 しかしその攻撃はルカメンに気づかれずにすり抜けることはなかった。

 

 ルカメンは鋭い眼差しで木場を見つめ返すと、不敵な笑みを浮かべながら言葉を放った。

 

「どうして攻撃してきたんだい、イケメン君?」

 

 木場は一瞬戸惑いながらも、その表情が次第に硬直し、冷酷な面持ちとなった。

 

「あのエクスカリバーを破壊することが僕の目的だ。それが僕の復讐なのだ!」

 

 その声はまるで凍てつく氷の刃のようだった。

 

 ルカメンは静かに頷いた。

 

「なるほどね……」

 

 しかし、彼女の反応はそれだけではなかった。

 

 彼女もまた、手にした武器を握りしめて斬り返す。

 

 その攻撃はまるで電光石火のごとく素早く、木場の剣とぶつかり合う音が響いた。

 

 木場はその攻撃を受け止めたが、衝撃で後ろへと押し戻された。

 

 彼の剣がルカメンの剣と激しく交差する中、二人は互いに相手の目を見つめ合った。

 

「復讐をしたいのならば構わないけど、その間に無関係な人間を巻き込むわけにはいかない。悪いけど、邪魔はしないで欲しいね」

 

 そう言ってルカメンはフリードの方を見やった。しかし、フリードの姿はすでにそこにはなかった。

 

「…………いなくなっちゃったかぁ」

 

 ルカメンは額に手を当てながら、ため息を吐いた。

 

 その表情にはわずかな失望と焦りが混じっていた。しかし、それでも彼女の心には揺るぎない決意が宿っていた。戦いはまだ終わっていないのだ。

 

「あんたの目的は」

 

「言っただろ、さっきの通り魔がいたら平穏に暮らせないって。何よりも私の所の王様はあぁ言うのが嫌いだからね」

 

「王?」

 

 疑問に思い、兵藤は口を出し、匙に目を向ける。

 

 すると、匙は。

 

「いや、あんな奴、生徒会でも見た事ない」

 

「だったら、あんたは一体」

 

「いやぁ、これ以上、話をするのは無駄だろ。という事で、サラダバー」

 

 その言葉と共にルカメンは走り出す。

 

「なっ、待っ」

 

 そう、追いかけようとした。

 

 しかし、ルカメンは懐から一つのウォッチを取り出した。

 

 それは、ライドウォッチの一つであるバイクライドウォッチ。

 

 そのバイクライドウォッチを投げれば、そのままライドストライカーへ変形する。

 

 ルカメンは、それに乗り込むと共に。

 

「それじゃ、監視、よろしこ」

 

 そう、ルカメンが声をかけた所。

 

 そこには黒子のような格好をしたワドルディがいた。

 

 ワドルディを見送った後、ライドストライカーを走り出せば、その先にはオーロラカーテンを出し、そのまま走り去っていく。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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