サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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聖なる剣

茅森が駒王学園に姿を現した瞬間、その場にいた面々は一斉に彼女の存在に気づいた。

 

彼女は明らかに悪魔でも、教会の者でもなく、堕天使でもない。

 

全く未知の存在であった。その不思議な人物が、ふざけた格好をしながらも、その場の緊張を和らげようと冗談を交えながら現れた。

 

「ふざけた格好をした人間だとは聞いていた。かなりの技量を持っているとも聞いていたが、確かに面白いな」

 

そう、コカビエルが冷淡な声で言った。

 

茅森は即座に反応すると共に。

 

「あぁ、あんたが事件の黒幕? というよりも、街に迷惑をかけちゃ、駄目でしょ」

 

「さぁな、そんな事は俺は知らないな。何よりも戦争を行うんだ。そのような事を気にするか」

 

「そういうのは、ウチの王様が気に入らないから」

 

そう言いながら、茅森は手に持っている剣を器用に回しながら応答する。その剣の動きは洗練されており、その技術に周囲は感嘆の息を漏らす。

 

すると、突然。

 

「あなたが、ルカメンね」

 

「んっ、初めまして、私こそ! 王の味方! ルカメン!」

 

「きっ聞いていた以上に濃いわね、まぁ良いわ」

 

紅髪の女性、リアス・グレモリーは、その自己紹介に対して顔をひきつらせた。しかし、彼女の目には一瞬の驚きと疑問が浮かんでいた。

 

「私はリアス・グレモリー。この地の領主をしているわ」

 

「えっ、学生なのに?」

 

「いえ、学生ではなく、悪魔よ」

 

「あぁ、そういう感じ? まぁ、どちらにしても重要なのはそこじゃないしね」

 

茅森はそう言いながら、コカビエルに鋭い視線を向ける。その瞳は決して揺るがない。

 

「重要なのは、この街を守ろうとしているのか、脅かす存在か。ウチの王様ならそう言うから」

 

「あなたの王とは、一体」

 

そんなリアスの問いかけに対して、仮面の下からでも分かるほどに茅森はニヒルな笑みを浮かべた。

 

「最高最善の王様だよ」

 

そうしながら、茅森は一歩ずつ前に歩き出す。その足取りには確固たる自信と強い意志が込められていた。

 

「まぁ、それにしたって、戦う前にしなくちゃいけない事があるようだね」

 

茅森は周囲をゆっくりと見渡しながら言った。その視線は冷静でありながら、決して敵を見逃すことはなかった。

 

「しなくちゃいけない事?」

 

「そう、ライブ!」

 

突然の提案に、兵藤は驚きと困惑の表情を浮かべた。

 

「はぁ、いきなり何を言っているんだ」

 

「さっきから、そのイケメン君に話したくても話せない子達がいるからね」

 

「僕に?」

 

木場は困惑したまま自分を指差し、その視線は茅森に固定された。

 

そして。

 

『あたしの伝説はこれから始まる』

 

その言葉が響いた瞬間だった。

 

茅森の手に舞い降りたのは、輝くアロンダイト。その刀身にはギターの弦のような細い聖剣が重なっている。その剣は神秘的であり、一見するだけでもその力を理解させた。

 

「あれは、聖剣?」

 

「アロンダイトだと」

 

これまで見たことのない聖剣に、兵藤たちは戸惑いを隠せない。一方でコカビエルだけが、その正体を知っているようだった。彼は眉をひそめ、その場の状況を把握しようとしていた。

 

「アロンダイトっ!まさか」

 

「エクスカリバーの姉妹剣とも言われていた剣。まさか、奴が現代の」

 

その間にも、茅森は演奏を始めた。アロンダイトから流れる音楽。それは本来ならば悪魔である兵藤たちにとって毒となるべき聖なる力が宿っていたはずだ。しかし、その音楽は彼らを苦しめることはなかった。

 

むしろ。

 

「あれは」「あぁ!?」

 

その場にいたバルパーは驚愕の表情を浮かべた。

 

「因子がっ馬鹿なっどうなっている!?」

 

コカビエルと手を組んだ聖剣の研究者であり、エクスカリバー研究を行っていた彼にとって、アロンダイトもまたよく知る存在だった。しかし、その力が発揮される様子には理解が及ばなかった。

 

「皆」

 

因子から流れた魂。それは復讐の鬼となっていた木場に新たな力を与えた。その光景を見届けた茅森は、そのままアロンダイトを構えた。

 

「さて、向こうの通り魔は、あそこにいる彼らがなんとかできるから、私は黒幕を相手しようか」

 

アロンダイトをギターとして。

 

楽器として扱う。

 

そんな茅森に対して、コカビエルは笑う。

 

「まさか、聖剣をそのように使うとはな!確かに面白いな!だが」

 

そう呟くコカビエルの手には、すでに光の槍が握られていた。

 

その槍は神聖な光を帯びており、その威力を物語っているかのようだった。

 

彼は冷淡な表情でその槍を振りかざし、一瞬の静寂が訪れた後、その光の槍を放った。

 

「道化としてだがな」

 

その言葉と共に放たれた光の槍は、空気を引き裂きながら茅森に向かって一直線に飛んでいった。

 

茅森は瞬時に反応し、手に持つアロンダイトでその槍を受け流した。その瞬間、彼女の体には微かな震えが走るものの、その力強い姿勢は崩れることはなかった。

 

受け流された光の槍は軌道を変え、地面に深く突き刺さった。

 

そして、茅森は聖剣創造の力を用いて新たな聖剣を生み出し、その聖剣を地面に突き刺した。その瞬間、彼女は踏み台としてそれを利用し、一気に空へと飛び上がった。

 

空を飛ぶコカビエルに向かって、茅森はアロンダイトを振りかざし、その刀身を鋭く振り下ろした。

 

「来い!」

 

コカビエルはそう言いながら、自身の手にもう一本の光の槍を生成した。それと同時に、茅森のアロンダイトがその槍と激突する。その瞬間、両者の力が激しくぶつかり合い、周囲には火花が散った。

 

茅森はその一撃を受け流しながらも、反撃の機会を狙っていた。その目には強い意志が宿り、彼女の体はその意志に従って動いていた。

 

「面白い!本当に面白いぞ!」

 

コカビエルはそう言いながらも、その顔には驚きと楽しさが入り混じった表情が浮かんでいた。そして、彼もまた茅森の攻撃を巧みに避けながら、次の一手を考えていた。

 

その戦いの最中。コカビエルが放った一撃が別の方向へと向かう。その方向は、茅森が戦いに夢中になっていたことで気づかなかった場所。

 

「っ」

 

この中で最も非力だと思われる金髪の少女。

 

その少女へと向かっていた。

 

それに気づく者はこの場にはいなかった。

 

「さっさと逃げろ!」

 

それが茅森の声。

 

それが何を意味するのか分からなかった。

 

同時に兵藤は気づく。

 

「アーシア!」

 

すぐに庇おうと向かう。

 

しかし、その槍に対して、アーシアは呆けたまま。

 

貫かれる。

 

「なっ」

 

「……なんだ、つまらん。そんな事を気にしていたのか」

 

茅森は一瞬、目を見開く。

 

アーシアは明らかに即死で、その場で倒れた。

 

その瞬間、茅森は言葉を失った。彼女の心の中で、何かが崩れたような気がした。

 

その姿を目の当たりにした兵藤もまた、呆然と立ち尽くした。

 

「お前っ」

 

兵藤は怒りと悲しみを込めて叫んだ。

 

しかし、コカビエルは冷淡に応えた。

 

「関係ない悪魔が一人、死んだ所で何が問題だ。むしろ、そのような奴がいても邪魔なだけだ」

 

その言葉に茅森は息を呑む。

 

しかし、その時だった。

 

「そうだね、けど」

 

突然の声。

 

それは、誰の声か。

 

知る者はあまりにも少なかった。

 

「これは既に俺が見た未来だ」

 

その瞬間、世界が止まる。まさしく文字通り。

 

そして。全ての動きが静止する。まるで時間そのものが止まったかのように。

 

「何が起きたんだ」

 

その場にいた全員が驚きを隠せなかった。

 

兵藤も、茅森も、リアスも、そしてコカビエルも。

 

静寂の中、茅森はその声の主を探す。

 

そして。

 

「あれ」

 

死んだはずのアーシアが立っていた。

 

それは、アーシア自身も、なぜ生きているのか疑問に思う程だった。

 

「これは」

 

『まさかっ先程から言っていた王というのはっ』

 

同時に、茅森の言う王の正体。それを知っているのは、兵藤の中に封印されている赤い龍、ドライグ。

 

彼は、その存在に気づく。

 

「おい、ドライグ?知っているのか」

 

「・・・まさかっ」

 

そして、遅れてコカビエルも察した。

 

その正体に。

 

ゆっくりと、戦場へと入る者。

 

それを見た瞬間、コカビエルは目を見開く。

 

「まさか、お前がっなぜっ」

 

「そんなの決まっているじゃん。通り魔を追っていたら、ここまで来たんだ。それにルカメンに教えて貰ったからね」

 

そう、ジオウが、太郎がその姿を現す。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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