サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
その日、俺は駅前で待ち合わせをしていた。
修学旅行を終えた翌日、休日ではあるが、今日は絶花が出迎えてくれることになっていた。宮本絶花は俺の幼馴染で、彼女の転校に伴って最近まで疎遠になっていた。
駅前の時計台の下で待っていると、黒髪の長い少女が近づいてきた。その姿を見た瞬間、懐かしさが胸に溢れる。
「久しぶりだな、絶花」
「……太郎」
絶花は少し驚いたように目を見開いたあと、小さく微笑んだ。
以前より大人びた表情だったが、あの頃の面影は変わらない。
「そのっ太郎、久し振りだねっ」
「久し振りと言う程か?夏休みの時は一緒にいただろ」
「それでもだよ、また、こうやって太郎と一緒に過ごせるようになるのは」
その言葉に、俺も自然と笑みを零れる。
今日から、絶花がこの駒王町で暮らす。
暮らす家は、俺の家にルームシェアという形で同居することになった。
「それにしても、みんな忙しいんだな」
本来であれば、クラスメイトたちも集まって歓迎パーティーを開く予定だったのだが、皆何かと予定があって来れなくなってしまったらしい。
俺と絶花の二人だけとなったが……
「いや……まあ……」
絶花は少し俯いて口ごもった後、意を決したように顔を上げる。
「ねえ太郎」
「なんだ?」
「これから私たちは、ずっと一緒なんだよね?」
「ああ。俺たちの学校生活が始まる」
俺は頷く。
「……そうだよね。それなら……」
絶花の頬が薄く赤く染まる。彼女の瞳に映る自分の姿を見つめながら、絶花は息を呑んだ。
「あのね……その……私たちのこと……」
そのときだった。
奇妙な殺気が、俺に向けられる。
「誰だ……?」
太郎は警戒しながら声の主を見据える。マゼンタカラーの2眼トイカメラを首からぶら下げた男は、どこか非現実的な雰囲気を纏っていた。
「お前がこの世界のジオウって事か」
その言葉に、太郎の胸が一瞬高鳴る。この男は自分の正体を知っている。だが、どうして?
「太郎……?」
絶花が不安そうに太郎の袖を掴んだ。彼女の指先が少し震えているのが分かった。
「絶花、離れていろ」
太郎は静かに言った。だが絶花は首を横に振る。
「なんで」
「あいつは、俺に用があるから。そうだろ、ディケイド」
俺は尋ねる。
すると、彼は笑みを浮かべる。
「話が早くて、助かる。そして、俺がここに来た理由も察したようだな」
その一言だけで、ディケイドライドウォッチの時と同じオーロラカーテンが俺達を包み込む。
それは、この世界とは別の場所へと導く事。
そして。
「「変身」」『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』『KAMENRIDE_DECADE!』
戦いの合図でもあった。
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王