サムライガールの幼馴染みは王様を目指す 作:ボルメテウスさん
聞いた事のない名前。
疑問に思う俺を余所に、滅と名乗ったライダーは、その手には紫の機械のアタッシュケースを持っていた。
『アタッシュアロー!アローモード!』
滅は、そのアタッシュケースを瞬時に変形。
鳴り響いた音から、アタッシュアローという名だと理解したが、そんな俺を余所に滅は既にアタッシュアローを構えていた。
アタッシュアローの弦を引き絞り、矢の代わりにエネルギーを込めた光の矢が形成される。
その紫に輝く光の矢は、まるで俺だけを狙うように照準を定めていた。
戦う意志のない相手とは戦わない。
だけど、戦う意思のある相手とは戦うしかない。
特に俺達は。
だからこそ。
俺はすぐにジオウIIウォッチを取り出し、ジクウドライバーに装填する。
『ライダータイム!仮面ライダー!ジオウ!ジオウ!ジオウII!!』
変身が完了した瞬間、滅が放った光の矢が俺に向かって飛来する。
だが。
「それは、既に俺が見た未来だ」
光の矢が俺に向かって放たれる。
しかし、ジオウIIの能力は全てを見通す『未来予知』。
俺の脳裏には既に矢の軌道が映し出されていた。
「遅いな」
体を捻って矢を避ける。紫色のエネルギーが空気を切り裂きながら俺の脇を通過していく。
しかし。
次の瞬間、滅が笑みを浮かべた気がした。
「未来を読む能力か。なるほど、興味深い」
「?」
疑問に思う暇もなく、滅のアタッシュアローから再び矢が放たれる。その軌道は未来予知で既に見えている。
右斜め45度。速度は前の倍。
回避する準備はできている。
だが。
矢は突然方向を変えた。
「!?」
咄嗟に身を翻すが、肩をかすめる。装甲が小さく欠け落ちた。
「何だ……?」
驚きの表情を浮かべる俺に対し、滅は静かに告げる。
「ジオウⅡの未来予知、それは既にラーニング済だ」
それと共に、滅は、既に構えていた。
『スティングカバンシュート』
その宣言と共に放たれた光の矢は、直線的ではなく曲線を描いて襲いかかってくる。未来予知では予測できない軌道だった。
「くっ!」
辛うじてジカンギレードで矢を弾く。
衝撃が腕を走る。
「ラーニング……?」
滅の能力を分析しようとする俺。
その間も滅の攻撃は続く。
『スティングカバンシュート』
今度は三本の矢が同時に放たれる。一本は正面から。残りは左右から。それぞれ微妙に違う軌道で迫ってくる。
俺はジカンギレードの銃モードに持ち替え、時間の矢で迎撃する。
時間と空間の歪みを利用して矢の軌道をずらす技だ。
しかし。
「甘い」
滅の声が耳元で聞こえた。
気が付くと滅は既に俺の背後にいた。
「いつの間に……!?」
振り向く暇もなくアタッシュアローの柄が俺の背中を強く打つ。
「ぐっ!」
バランスを崩す俺に向け、滅は容赦なく追撃の矢を放つ。
今度は空中から。
しかし俺は冷静に分析していた。
「(この軌道……ラーニングはしたけど完全に使いこなせていない)」
未来予知の精度をさらに上げる。時間の流れが緩やかになる。
見えた。
矢の軌道の綻びが。
「そこだ!」
ジカンギレードで正確に矢を打ち落とす。
そして、俺は気づいた。
滅のラーニングには限界がある。完全コピーではない。
あくまで模倣に近い。
「ふん、よく耐えたな」
滅は冷静に分析している。こちらの思考を読んでいるようだ。
「お前のラーニングは完璧じゃない。少しずつ修正が必要だろう?」
「鋭いな、果たして、俺のラーニング。お前はどう乗り越える」
そう滅は、まるで俺がどのように対応するのか、楽しみなように呟く。
ジオウIIの未来予知と滅のラーニング能力は互角と言っていい。
このまま読み合いを続けても決着はつかないだろう。
ならば……
俺は覚悟を決め、前方へと突進した。
「愚かな。接近戦を挑むつもりか」
滅の言葉が風のように耳を掠める。
確かに、未来予知があっても完璧ではない。
だが、俺にはまだ隠し玉がある。
滅がアタッシュアローを構える。
その視線は確実に俺の動きを読み取ろうとしている。
「やはりラーニングは侮れない」
そう呟きながら、俺は腰のベルトに手を伸ばす。
そして—
「トリニティタイム!3つの力、仮面ライダージオウ!ゲイツ!ウォズ!トリニティ!トリニティ!」
突然の変身に滅は。
「なっ」
俺は、瞬時にサイキョーギレードを取り出す。
同時に、ジカンギレードに装填する。
だが、その形態は、銃モード。
『フィニッシュタイム!サイキョー!キング!スレスレシューティング!!』
その銃口を真っ直ぐと受けて、放った。
その際に、放たれる衝撃に耐える為に、最も高いスペックを持つジオウトリニティへと変身していた。
それと共に放たれた『ジオウサイキョー』という文字が刻まれた長大な光の刃が伸びる。
「くっ!」
滅が驚愕の表情を浮かべるのが見えた。彼はアタッシュアローで受け止めるものの、その威力は想像以上だったらしい。
「馬鹿な……!いつの間に……!」
滅の驚きの声が響く。
俺は笑みを浮かべた。
「俺たちの力は一つじゃない。三人の心が繋がれば、さらに強くなれる」
滅は距離を取りながら俺を見つめる。
「なるほど……三位一体の力か。単なる合体ではなく、心を繋ぐことで得られる力か……お前らしいな」
「・・・いきなり呼び出されたが、これは一体、どういう状況なんだ」
「いやぁ、その、これが最期の試練というか、なんというか」
すると、ディケイドは。
「なるほど、まぁ合格と言っておこう」
それと共に、俺の持つディケイドライドウォッチが光輝く。
それに合わせるように、滅がこちらに何かを投げた。
「うわっと、これは」
「・・・俺からの餞別だ」
そこには、見た事のない緑色のライドウォッチと受け止める。
それと同時に、俺の持つ全ての19のライドウォッチは一つになる。
「・・・なに?」
すると、ウォズは何やら疑問に思っている様子。
「この時点で、力が奪われるはずだが」
「その歴史では、俺達はいないだろ」
そう、ディケイドが呟く。
「それはつまり、知っているのか」
それに対して、ウォズは、問いかける。
「まぁな、ついでだ、そいつの名は」
次回の王は
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妖怪王
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機械王
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怪獣王
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幻想王