サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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一人じゃ、歴史は作れないから

聖書の神の嘲笑が戦場に響き渡る。

 

「見よ!これが創造主の力だ!」

 

その叫びと共に、各仮面ライダーが最後に戦った宿敵たちが次々と実体化していった。

 

その中の一体である仮面ライダー邪武。

 

手には、ダーク大橙丸と無双セイバー。

 

二本構え、絶花――鎧武に襲い掛かった。

 

邪武の剣が空気を切り裂き、絶花の首筋へと迫る。

 

「させるか」

 

バロンが叫びながら飛び出し、邪武の前に割り込み、バナスピアーで剣撃を受け止めた。

 

衝撃で甲冑が軋み、地面に蜘蛛の巣状の亀裂が走る。

 

「バロンだと」

 

そう、突然現れたバロンに、聖書の神は驚きを隠せなかった。

 

「彼女を傷つけることは許さん!」

 

その隙に龍玄が駆け上がる。

 

脚が地面を蹴りつける度に土埃が舞い、加速していき、手にはブドウ龍砲が握られる。

 

照準は狂いなく邪武に向けられていた。

 

引き金が引かれると同時に銃口から紫電の弾丸が迸った。

 

その軌道はまるで蛇のように曲がり、邪武の肩を貫く。

 

痛みに怯んだ邪武が体勢を崩したその瞬間。

 

斬月の姿が虚空から現れる。

 

まるで瞬間移動したかのように、無音で着地したその男は既に無双セイバーを振り上げていた。

 

「終わりだ」

 

斬月が跳躍する。

 

足先から弧を描くように身体を捻り、渾身の力を込めて無双セイバーを振り下ろした。

 

その動きは水車の回転のように滑らかでありながら、瀑布のごとき重さを持っていた。

 

ザシュッ!

 

肉が裂ける音と共に邪武の背中から鮮血が噴き上がる。

 

斬月の一撃が完全に急所を捉えていた。

 

邪武は、それにより、完全に倒される。

 

「どうなっているんだ、これは」

 

聖書の神は周囲を見回し、愕然とした。

 

「これは……どういうことだ!?」

 

戦場には想像もつかない光景が広がっていた。彼が召喚した最強の敵たちが、次々と倒されていく。その戦いに参加しているのは、先ほど変身した20人のライダーだけではなかった。

 

「何故だ……」

 

聖書の神の声が震えた。

 

「私の呼び出した究極の存在が圧倒されている。それは、分かる。だが」

 

見渡すと、それだけではない。

 

まるで、彼らを助けるように、次々と現れる。

 

仮面ライダーが。

 

怪人が。

 

そして、人間が。

 

それが一体、何なのか。

 

「ライダーの歴史は、一人だけで作られたんじゃない」

 

「っ」

 

聖書の神に、俺は答える。

 

「ライダー一つの歴史でも、多くの人々が、多くの夢が集っている」

 

「まさか」

 

「俺も正直に言うと、こんな事が起きるとは思わなかったよ」

 

俺の、今の力。

 

それは、ライダーの力を通じて、ライダーの歴史そのものを引き出す。

 

「ライドウォッチに刻まれたライダー、怪人、人々。彼らの力を借りて、戦う。それが、今の俺が出来る事」

 

「なっ」

 

俺はそうしながらも、ジカンギレードをゆっくりと構える。

 

「そんなのがっ、なぜっ」

 

「…たった一人の王では何も出来ない。それと同じく、たった一人じゃ、ライダーの歴史も作れない」

 

それと共に、俺はオーマ・ジクウドライバーを通して、伝わるのは、多くの人々の思い。

 

「聖書の神。確かに、今のお前はこの場の誰よりも強いかもしれない。けれどな、独りだけの世界じゃ、意味がないんだよ」

 

そして。

 

「さぁ、開幕だ!」

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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