サムライガールの幼馴染みは王様を目指す   作:ボルメテウスさん

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復讐者と共に初開拓 Ⅷ

この街にあるただ一つの教会。

 

その教会はかなり廃れており、周囲は荒れ果てた土地ばかりが広がっていた。

 

「……ここだな」

 

俺は静かに呟いた。

 

「ふーん? まあまあ雰囲気出るじゃない?」

 

ジャンヌ・オルタが皮肉るように言った。

 

確かに古びたステンドグラスや傾いた尖塔など典型的な廃墟といった風貌だ。

 

ただし───

 

「警備も万全ってところか」

 

四方八方から漂ってくる殺気がそれを示唆していた。

 

どうやら待ち伏せされていたらしい。しかも一人や二人では無いようだ。

 

「やれやれ……随分と用心深いことで」

 

皮肉交じりに呟く太郎。だがすぐに表情を引き締めた。

 

「アヴェンジャー。準備は?」

 

「当然」

 

短く答えながら背中に背負った呪いの旗を構える。いつでも戦闘開始可能という合図だった。

 

「じゃあ───行くぞ!!」

 

「はぁい♪」

 

次の瞬間。

 

───ギィンッ!!!!

 

金属同士が激しくぶつかり合う轟音と共に扉が爆ぜた。

 

「本当、こうしてみると嫌な事を思い出すわねっと!」

 

ジャンヌ・オルタが全力で蹴り飛ばしたのだ。

 

バキャァンッ!!!という凄まじい破砕音とともに木製の大きな扉が粉々になって四散する。

 

「ちょっ!? お前それ犯罪───」

 

思わずツッコミを入れかけるも途中で飲み込んだ。いまさら何を言っても無駄だと悟ったからだ。

 

「ふん、どうせこいつらの方がよっぽど非合法なんだから遠慮すること無いでしょ?」

 

悪びれる様子もなく平然と言ってのける彼女に呆れつつも賛同せざるを得ないところではあった。

 

ともあれまずは内部探索が最優先なので二人はそのまま正面玄関から侵入したのである。内部は薄暗く埃っぽかったが予想以上に広々としていた。中央には巨大な祭壇があり左右対称になるように長椅子が並んでいる。

 

そしてその最前列に───

 

「お前達っなぜっ」

 

そこにはアーシアが儀式の為に磔となっており、気絶している。

 

そして、この事件の黒幕といえる堕天使がいた。

 

「お前達っまた」

 

「あらあら、随分と派手な格好をしているわね、堕天使、それで、あんたはそこにいる奴をどうするつもりなの」

 

ジャンヌ・オルタは、そう睨むと、堕天使は不敵な笑みを浮かべると。

 

「ふふっ、ここまで来た以上は邪魔はさせないけれど、冥土の土産に教えてあげるわ。この子の中に宿っている神器を私の物にする。そうする事で、私は至高の堕天使へと変わるわ」

 

「あっそ、心底どうでも良いけど、とりあえずムカつくから」

 

ジャンヌ・オルタは、そう言い。

 

「あんたらを全員!ぶっ飛ばす!」

 

そう怒号と共に教会の中にいた神父を纏めて蹴り飛ばす。

 

そのまま、神父達を薙ぎ払いながらも俺の指示を待つ。

 

俺も彼女の実力を信じているので。

 

「ジャンヌ・オルタっ一気に突破しろ!」

 

「了解、マスターちゃん」

 

その言葉と共にさらに速度を増したジャンヌ・オルタが一直線に突き進む。

 

次々と神父たちが弾き飛ばされていく様は圧巻の一言だった。

 

しかしそれも束の間のこと。奥から新たな集団が現れた。今度はフルフェイスヘルメットを被った男たちだ。

 

それぞれ自動小銃を装備しており一斉射撃を浴びせてきた。

 

バンッ!ダダダンッ!パパパンッ!!

 

鼓膜が破れそうになるほどの轟音が響く中太郎は即座に指示を飛ばす。

 

「右斜め後方の窓枠を利用して応戦するんだ!」

 

「任せなさい!!」

 

言われるなりすぐさま移動するジャンヌ・オルタ。そして着地寸前のタイミングで黒い炎が噴出した。

 

ゴォッ!!!

 

瞬時にして壁面が炎の盾となり鉛玉を受け止める。銃弾が命中した箇所は溶け落ち火花を撒き散らしながら消えていった。

 

「マスターちゃん!あとどれぐらい残ってる!?」

 

「約30!もうひと踏ん張りだ!」

 

叫び返すと同時に再び指示を出す太郎。彼女は即座に動き始める。まるで流れる水のごとき滑らかな動作であっという間に包囲網を突破していく。

 

その時だった。

 

「はぁ……全く困ったものですね」

 

どこからともなく現れた堕天使の声に一同が振り返る。

 

俺に向かって真っ直ぐに飛んでくる堕天使。

 

(……速い!)

 

反射的に身構えるが遅かった。一瞬で間合いを詰められ鋭い槍が喉元へ迫る―――その刹那だった。

 

「させないっ!!」

 

ガキィィーンッ!!という金属音と共に俺の目の前に影が躍り出た。

 

「アヴェンジャー!」

 

彼女は黒い旗を盾のように構え間一髪で受け止めていた。

 

「甘いわね、私のマスターに手を出そうなんて百年早いのよっ!」

 

「ほう……、そっちを優先したという事はその人間が重要なのかしら?」

 

「当たり前でしょう? 私のマスターは特別なのよ!」

 

「ほぅ、なるほど」

 

その言葉と共に、堕天使も神父も、全てが俺に矛先を向けた。

 

まるで舞台の中心が交代したかのような空気の変化。

 

「……おいおい」

 

思わず苦笑する俺の傍らで、ジャンヌ・オルタが舌打ちした。

 

「マスターに狙いを定めてきましたわよ。予想通りだけどねっ!」

 

彼女の声には焦りより苛立ちが滲んでいる。

 

黒旗を翻し、前方からの銃弾と神父の襲撃をまとめて薙ぎ払うジャンヌ・オルタ。しかし彼女の背後に回り込んだ堕天使が放つ光の矢が俺を狙う。

 

「くっ!」

 

咄嗟に避けようとしたが間に合わない。直撃寸前でジャンヌ・オルタが黒炎の壁を張って弾いた。

 

「油断禁止よ!マスターちゃん!」

 

「わかってる!けど数が多すぎる!」

 

グランドオーダーでは多数の敵との戦いも経験してきたが、これはまた違う緊張感だ。特にあの堕天使の攻撃は鋭すぎる。

 

一方、奥では儀式が続行されている。

 

「さぁ神器よ、その力を見せよ!」

 

祭壇で縛られたアーシアの胸元から淡い緑色の光が放たれ始めている。徐々に強まっていくそれは禍々しさを感じさせるほどだ。

 

それと共に、見つめた先には、グレモリーの眷属達がいた。

 

「これは一体」

 

「・・・あんたら、なんでここに?」

 

「それは、その、アーシアをっ助ける為に」

 

「・・・ふぅん」

 

未だに状況は理解出来ない。

 

けれど。

 

「アヴェンジャー、援護を」

 

「・・・はぁ、全く」

 

俺の言葉に対して、少し呆れていた。

 

「あんたらの事に対してはまだまだ疑問だけど、どうせあいつを助けるつもりかしら?」

 

「そっそれだったら」

 

「だったら、さっさと行きなさい」

 

それと共に、ジャンヌ・オルタは、そのまま炎で、アーシアまでの道を作り出す。

次回の王は

  • 妖怪王
  • 機械王
  • 怪獣王
  • 幻想王
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